2015.08.04

那覇のdeepな部分をもっと知ろう!那覇まちま〜いガイドと歩く那覇の小旅行

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那覇のまちを巡る「那覇まちま〜い」。今回は夏限定コース「陶工が語る壺屋焼とろくろ実演」に参加してきたのでその様子をお届けしたい。

那覇まちま〜いとは?

琉球王国時代、王国の玄関口となり栄えた那覇市。「那覇まちま〜い」は、那覇市内の「歴史、食文化、芸術、戦跡」など各テーマに沿って作成した約20コースを、一般社団法人那覇市観光協会に認定された地元ガイドが参加された方と一緒に那覇のまちを歩き、初めて参加した方からリピーターの方、また地元の人も楽しめるよう工夫しながらご紹介しています。地元ネタ満載の名物ガイドもいて、案内が楽しいと評判を呼んでいます。

那覇まちま〜い:http://www.naha-machima-i.com

今回はそんな「那覇まちま〜い」の「夏限定コース」に飛び入りで参加してきたのでその様子をご紹介したいと思います。

「夏限定コース」は「なはの日」にちなんで7月と8月に那覇市内の様々な方面で活躍している方々を講師に招いて特別に作られたコースです。6コースの中から焼物の町で活躍する「育陶園」の窯主で伝統工芸士の資格を持つ高江洲忠さんのお話と焼物の技法、そして最近の陶工さんでも回す事が滅多にない「蹴りロクロ」をじっくり見られる貴重な機会である「コースNo65 陶工が語る壺屋焼とろくろ実演」に参加しました。

 

壺屋の街とやちむん

「やちむん」とは、沖縄の方言で「焼物」の事。今回のまちまーいのに深い関連のある那覇市壺屋は琉球王国時代、王府が首里の宝口窯、沖縄市の知花窯、那覇の涌田窯を統合し、その後300年余り焼物の町として伝統を受け継いでいる場所です。

壺屋の町では現在やちむん通りに売店が約44店舗あり、近くの工房で職人さんが手作業で一つずつ作り上げたオリジナル性あふれた陶器を販売しています。

そして今回のまちまーいの目玉となる高江洲忠さんは、壺屋の老舗「育陶園」の第6代目の窯主。愛知県窯業訓練高校卒業後、「シーサーの名工」として名高い父、高江洲育男氏に師事。沖縄だけでなく、アメリカバージニア州でも陶芸指導や作陶展を開催し評判を呼びました。平成13年には「沖縄サミット」の晩餐会で使用する焼締茶碗を製作。平成14年に「伝統工芸士」の称号を受け、平成16年那覇市観光功労賞受賞し、平成18年第28会現代沖縄陶芸展では金賞受賞。ダイナミックかつ繊細な作風が魅力で、大勢の若い陶工を束ねる大黒柱。座右の銘は「イチャリバチョーデー(出会ったら皆兄弟)」。県内外のみならず、海外にも多くのファンがいるという、まさにミスターやちむんです。

 

伝統工芸館館長のご挨拶

さて、まちまーいの様子をご紹介していきましょう。

今回会場となったのは那覇市伝統工芸館。国際通りの中心「てんぶす那覇」内にあり、紅型や陶芸体験などの他沖縄に古くから伝わる伝統工芸品の展示を行っています。館長の渡久地一彦さんは「壺屋焼の伝統工芸士の技と話をじっくりと聞く素晴らしい機会です。那覇まちま〜いとのこのような取り組みは初めてですが、蹴りロクロの実演もあるのでゆっくり楽しんでください。」とちょっとはにかみながらご挨拶。

 

壺屋の歴史と蹴りロクロ

伝統工芸士の高江洲忠さんの実演と講義がはじまりました。「蹴りロクロを扱える陶工は昔は沢山いたんだよ。でも、今では自分くらいかな?足でロクロを回しながら手で土を整形するので結構大変なんだよ。」と話りながら足でロクロを蹴り始めました。

蹴り続けられるロクロの角は擦れて丸くなっています。「足でしっかり掴んでからテンポよく回さないとダメなんだ。」と高江洲さん。会場の皆さんも足さばきの見事さにしばし見とれていました。

「土はね、女性と同じ。自分好みに色々と土を変化させていくんだけれど、恋愛と一緒でテクニックが必要だよ。でも10年はロクロ回さないと感覚がつかめないかな?」と笑いながら作陶する高江洲さん。みるみるうちに器が出来上がります。

伝統工芸品として販売するためには大きさや形に基準があります。「できる限り正確に同じ大きさに作らなくてはダメ。そのための道具も色々あるよ。」と普段使用している「トンボ」などを見せてくれました。道具は釣り糸を編んで自分で加工したものなど、陶工さんオリジナルのものだそうです。

参加した皆さんも蹴りロクロにチャレンジ。足で蹴るのはできるけれど、手の作業が追いつきません。「電気がない時代に主流だった蹴りロクロは体力勝負。昔は蹴りロクロを3つ並べて次々と作品を作る陶工さんもいたんだ。稼ぎがいいから女性にも人気だったみたいだよ。」と高江洲さんが笑いながら話してくれました。

 


みんなでシーサー!

最後に参加した皆さんで「はい、シーサー!」のポーズで記念撮影。参加した方からは「ただの土の塊が次々に作品になるのでびっくりした」「土を中心に置いてロクロを回すのはとっても難しそう」などの感想がありました。高江洲さんは「1年目はつまようじ入れなど、小さい作品作りから始まり、壺などの大きな作品を作れるようになると、とても楽しくなるんだ。見ているだけでなく、自分の手で作品を作ると、楽しさが感じられるんじゃないかな?」と笑顔で語っていました。

 

壺屋の魅力を再発見!

那覇まちま〜いでは、壺屋のすーじ小(路地)などをそぞろ歩きながら壺屋焼の歴史や町を紹介するコースもあり、今回の高江洲さんが窯主の「育陶園」にもお邪魔します。

「生きシーサー」と評判のワンちゃん、クロ(♂)とチャッピー(♀)も皆さんをお待ちしています!

話題の夏限定コースも「那覇まちま〜い」まで!

今回紹介したコースは夏限定「No65 陶工が作る壺屋焼とろくろ実演」です。
その他楽しい企画のコースが盛りだくさんです!お問い合わせは那覇まちま〜いのHPまたは電話でお問い合わせ下さい!待ち合わせ場所には青い服を着たスタッフが旗を持ってお待ちしています!

「No65 陶工が作る壺屋焼とろくろ実演」の開催日
8月8日(土)16時30分
8月22日(土)16時30分

集合場所:那覇市伝統工芸館事務所前(てんぶす那覇2階)
参加料金:大人(中学生以上)2,000円、小人1,000円
時間:約1時間

ゲストライター

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ヨーコ(小菅陽子)
横浜出身。横浜と言っても山奥の地生まれ。海が好きでなんとなく沖縄に通ううち、気が付いたら沖縄県民になっていました。ご縁があってずっと住んでいる焼き物の壺屋の町が大好きで、那覇まちま〜いのガイドもしています。特技はネコが逃げないように観察することです(Facebook)。
 

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