新しい沖縄餃子を開発したい

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最近沖縄の素材を使った沖縄餃子をよく見るが、まだまだ使える沖縄素材があるんじゃないだろうか。

コラボ企画

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元祖沖縄餃子 琉珉
50年以上の歴史を持つ沖縄餃子の老舗。現在は浦添市屋冨祖にある店舗だけでなく、冷凍餃子も販売している。
http://www.ryu-minmin.com/
 

沖縄餃子の可能性

先日の事ですが、事務所で餃子パーティーを開きました。

とりあえず無性にビールを飲みながら餃子が食べたくて、スーパーで販売されている餃子を買い込んできたのですが

伊江島産イカスミ餃子
ゴーヤー餃子
もずく餃子
琉珉珉餃子

豚肉に県産豚をつかったものだったり、モズクを餡に練り込んだものだったり、はたまたイカスミを使ったものだったり、沖縄の素材を使った餃子って沢山あるんですよね。

そこで僕は考えたのです。うまく県産品を素材に使えば「新しい沖縄餃子」を創出することができるんじゃないかと。

 

「元祖沖縄餃子」琉珉珉さんへ

DEEokinawaの読者の方は、上の段落で大体記事の流れが読めたんじゃないかと思います。しかし!今回は違います。マジで沖縄餃子を作りたい…。


手に持ってるのは今回の材料です。

そんな想いから、浦添市は屋冨祖にある餃子の老舗「元祖沖縄餃子 琉珉珉(りゅうみんみん)」さんに協力を仰ぎに来ました。

先ほどの餃子の写真に「琉珉珉餃子」というやつがあったんですが、なんと琉珉珉さんはお店だけじゃなく餃子の工場を持っていて、冷凍餃子の販売、スーパーの総菜コーナーや居酒屋、ホテルなどにも餃子を卸していて一日につくる餃子の量はなんと4万個なんだとか(!)。

さらに上で出てきた「もずく餃子」「イカスミ餃子」などの開発、製造もやっているのだそうで沖縄餃子のほとんどを作っているといっても過言ではないのです。これは成功の予感がする…!

対応頂いたのは株式会社琉珉珉の代表取締役社長、比嘉竜児さん。今回の企画の趣旨を説明するとともに、琉珉珉についてうかがいました。

 

- 本日は宜しくお願いします。
まずお店についてお聞きしたいんですが何年くらいやられているんですか?

祖父と祖母の時代からやっているので50年くらいになるね。このお店は元は精肉店で、2階は住居だったんですよ。昔は精肉店を営む傍ら餃子を作って販売していました。

- 「元祖沖縄餃子」と看板に書いてあるんですが、餃子を売るようになった経緯はなんだったのでしょうか?

祖父は戦争で満州に配属されていて、そこでまかないを任されていたそうです。なのでそこで餃子の作り方を覚えたようですね。うちがやるまでは沖縄では餃子らしい餃子はなかったんじゃないかな。

- 今は冷凍餃子も作られているそうですが、きっかけはなんだったんですか?

今はここ1店舗なんですが、30年くらい前は那覇市久米に琉珉珉2号店があったんですよ。母が切り盛りしていたんですけど。しかし、母が体調を崩してしまってお店に立てなくなって。でもお店に立つのは無理でも餃子は作れたので、母が作った餃子を量販店の総菜コーナーに売り込んだんですね。そしたらそれが好評を頂いて。

どんどん規模が大きくなって、最終的には10名で1日1万2000個の餃子を手作りしていました。毎日10名で10時間かかりましたよ。さすがにこれは大変だったので機械を導入することになりました。工場を作って機械を導入して、そこから冷凍の餃子も販売できるようになったんです。

機械を導入するにあたって、餃子の皮も自作するようになりました。それまでは皮は別の業者から買っていたのですが、品質のばらつきが結構あったんです。皮については門外漢だったので諦めていたんですが、沖縄製粉に技術者が居るということでその方に教えを請いに行きました。そこでウチの餃子に最も合う粉も選ぶことができて、今は餡から皮まで全て自分たちの工場で製造しています。

- 「もずく餃子」「イカスミ餃子」などの商品も作られているそうですが、あれを開発した経緯はどのようなものなのでしょうか?

一番始めは「もずく餃子」ですね。それまでは自社で餃子を開発するということはなかったんです。しかし、ある時に勝連漁協でモズクが大漁だった時があって何か加工品を作ろうという話が持ち上がったんです。それで県の紹介もあって勝連漁協の参事さんがモズクで餃子をつくれないか、とやってきたんです。

しかし、最初はモズクを餡に練り込んで発売したんですがあまり認知されなかったですね。そこでコープおきなわさんのバイヤーさんを巻き込んで皮にモズクを練り込んだりと消費者目線の工夫を重ねました。皮にモズクを練り込むというのは簡単にできそうですけど、独特のぬめりがでて皮が破けたりして、製造温度を見直したりして2ヶ月かかりました。

他にも色々な会社を巻き込んで、最終的には30社くらいが協力して「もずく餃子」が完成したんです。で、それが農商工連携ベストプラクティス30というやつに選ばれまして、そこから「この素材で餃子ができないか?」という相談が多くなりましたね。

- 今まで素材として使って「これは失敗した」みたいな食材はありますか?

基本的にはそこまで餃子に合わないような食材は持ち込まれないので、失敗した、というのは無いかもしれませんね。

 

今まで大きな失敗はない!心強いお言葉です。これが最初の失敗にならないか心配です。

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記事の途中ですが、お知らせです。50年以上の老舗、元祖沖縄餃子の琉珉珉。ネットショップ始めました。
琉珉珉のオンラインショップ
 

新しい沖縄餃子のラインナップ


やや困惑させてしまいました。すみません。

それでは本日の材料をご紹介したいと思います。

・島豆腐
・ミミガー
・コンビーフハッシュ
・スクガラス
・塩せんべい
・タコライス

の6品を用意してみました。因みに企画段階で「海ぶどう」「とうふよう」とかもあげてみたんですが、「海ぶどうは熱に弱いので難しいはず」「豆腐ようは味が分からないと思う」というご意見を比嘉さんから頂いたためNGになりました。まぁその後、僕が選んだ食材が塩せんべいとスクガラスだったのでそんなに改善されていない気もします。

そしてこれらの食材をあわせるのは、琉珉珉秘伝の餡。こちらの配合は企業秘密だそうです。


島豆腐はざっくりと混ぜ合わせる

さっそく、用意した食材を餡に混ぜ合わせていきます。まずは島豆腐。以前比嘉さんはおからで餃子を作ったことがあるらしいのですが、パサパサだったとのこと。島豆腐はどうなるんでしょうか?

スクガラス。1匹オン。
塩せんべいも砕いたやつをそのまま乗せるスタイル

比嘉さんの提案で、スクガラスと塩せんべいは素材を餡に混ぜずに上に乗せて皮を包むことに。

豚の耳であるミミガー。スーパーで買ってきた味付きのやつをそのまま餡に混ぜ込みます。

こちらは某テレビ番組で紹介されて一挙に有名になったコンビーフハッシュ。コンビーフに角切りのジャガイモが入っているというやつです。「肉が合い挽きになってうまいかも」とは比嘉さんの弁。

最後はタコライス(タコライスチーズ野菜)。ご飯+タコスミート+レタス+チーズ。こちらも餡に混ぜ込みます。サルサソースも混ぜ込んでみました。

比嘉さんのお姉さん、小織さんにも手伝って頂いて、それぞれの具材を混ぜ込んだ餡を皮に包んでいきます。

皮に餡を乗せて
手際よく包んでいく

比嘉さんも小織さんも子どもの頃から餃子を包む手伝いをしていたそうで、慣れた手つきでじゃんじゃん餃子を包んでいきます。なんでも小織さんが皮を包む速度は工場の機械よりも早かったとか。


分からなくなるのでメモつけてます。

あっという間に新しい沖縄餃子が完成しました。さすが本職。僕がやったら多分1日ずっとかかってたんじゃないかと思います。

この餃子たちを焼いてもらいます。こちらでは餃子を焼く油はラードを使用。

水を入れて
蒸し焼きに

焼き上がりはこちら。もうアレだ。これは普通にビールを飲んでこの特集を終わらせていいんじゃないでしょうか?しかし、ここはせっかく作った餃子を食べようじゃないですか。

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ほらほら。上の写真を見てがっつり餃子が食べたくなった方もいるんじゃないでしょうか。そんな貴方に琉珉珉のネットショップ!
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新しい沖縄餃子は生まれたのか

ついに餃子が焼き上がりました。

では早速一つずつ食べてみましょう。

比嘉さんにも意見を頂きたいと思います。

 

島豆腐

まずは島豆腐。豆腐自体に味はそこまでありませんが、結果はいかに…?

…普通にうまい。なんか島豆腐のふわふわした食感が餃子にアクセントを加え、かつ島豆腐の味もしっかりと残っています。

やんばるたろう:
これうまいというか餃子が普通にうまいですね。島豆腐入れる必要あったんでしょうか。

比嘉さん:
これはなかなか。いけるかもしれないね。

 

ミミガー

こりこりとした食感のミミガー。これが餃子の食感にどう影響するのでしょうか?

…ミミガーがどこにもいない。

やんばるたろう:
あんなにミミガー入れたのに全然存在感を感じないですね。

比嘉さん:
思ったより全然歯ごたえがないね。

 

スクガラス

アイゴの稚魚の塩漬けであるスクガラス。普通は豆腐に乗せてみたいな調理法しかないですけど、アンチョビみたいなものなので使い方によっては色々いけるんじゃないかと思うんです。

やんばるたろう:
これも全然スクガラスの存在を感じないですね。みんなどこへいったんでしょうか?

比嘉さん:
一瞬だけ魚臭いけど別にうまいものじゃないよね。

 

塩せんべい

まさかの塩せんべい。しかしハンバーグのつなぎのパンみたいに何かしら良い化学変化が生まれるんじゃないでしょうか。

比嘉さん:
全然塩せんべいが見当たらないよね。

やんばるたろう:
こんだけ素材がなくなるって、餃子の力を侮っていたのかもしれません。

 

コンビーフハッシュ

牛肉のコンビーフに茹でた角切りジャガイモが入ってる、コンビーフハッシュ。これはなんとなくうまい気がしますが…

やんばるたろう:
あー…。

比嘉さん:
コンビーフハッシュの味はするけど、全然合わないよね。

 

タコライス

正式にはタコライスチーズ野菜。タコライスをそのまま揚げたライスコロッケみたいな商品も見かけるので、餃子に入れてもおいしいのではないでしょうか?私のイチオシです。

比嘉さん:
味が薄い。

やんばるたろう:
タコライスって味が濃いからおいしいのに、薄いと全然おいしくないですね…。

味が薄いので、材料に混ぜて余ったサルサソースにつけて食べてみます。

やんばるたろう:
なんだろう。タコライスっておおざっぱな食べ物なんですけどあれはあれで完成されてたんですね…。

比嘉さん:
サルサソースつけてもこれはないな。

 

やんばるたろう:
というわけで新しい沖縄餃子を作るって企画だったんですが、なんかいろいろすみません。

比嘉さん:
この中でアリだと思うのは島豆腐かな。

やんばるたろう:
ぶっちゃけなんとなくリストに入れただけだったんですが、まさか島豆腐があんなに活躍するとは思いませんでした。これ商品化したら売れますかね?

比嘉さん:
もうちょっと何かしら工夫が必要なんじゃないかな。うまいっていってもこの中でうまいだけだよね。

やんばるたろう:
たしかに…。

 

あたらしい沖縄餃子の道は険しかった

というわけで新しい沖縄餃子を作ってみるという本企画でしたが、大体いつもの記事のような結果に終わってしまいました。

しかしながらですね、琉珉珉の餃子、これマジでうまかったです。もっちりしとした皮を噛むと口の中に肉汁が溢れてきてさすが餃子の老舗だな、と思いました。結果としては普通にプレーンの餃子だけ食べた方がよかったんじゃ無いかと思います。

そんな琉珉珉の餃子ですが、この度販売サイトがオープンしたそうです。元祖沖縄餃子を食べてみたい!こちらで開発された沖縄餃子が食べてみたい!という方は下のURLから是非お買い求めください。冷凍食品だけでなく、屋冨祖のお店で食べる餃子もオススメです!県内の方は是非足を運んでみてください。

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コラボ記事だったんですけど、嘘偽りなく琉珉珉の餃子はうまかったです。餃子って、本当にいいものですね。
琉珉珉のオンラインショップ
 

取材に協力頂いた琉珉珉の比嘉さん、小織さん、ありがとうございました!

取材協力

琉珉珉 やふそ店
沖縄県浦添市屋富祖2-16-12
http://www.ryu-minmin.com/

琉珉珉オンラインショップ
http://store.shopping.yahoo.co.jp/okinawagyuza/

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