2012.03.02

なぜ沖縄は焼き魚が少ないのだろうか

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沖縄ではあまり焼き魚を食べないと聞く。それはなぜか?食べてみればわかるだろうってことで沖縄の魚を焼いて食べてみます。

沖縄に来てから、食べることが減ったもの。それは焼き魚
とあるリサーチ会社の調べでは、焼き魚を食べないと答えた人が一番多かったのは沖縄県だったそうです。
今では輸送技術が高いので本土からも新鮮な魚がが空輸されて、沖縄のスーパーや魚屋に並んでいます。

でも食堂や居酒屋に行っても沖縄の焼き魚って少ないですよね(焼き魚で定番のサンマやホッケはありますけど)
沖縄で魚料理といえば、刺身、バター焼き、煮付け(マース煮とか)、魚汁、唐揚げあたりが多い。
海に囲まれた島で魚もたくさん獲れるのに、なぜ沖縄の魚で焼き魚は少ないのだろうかと疑問に思ってました。

もしかして美味しくないから?いや、刺し身やバター焼きは美味しい。
食べてみればわかるだろうってことで、沖縄の魚を塩焼きして食べ比べてみたいと思います。

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本土と比べて派手な魚が多い。

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4匹買って2000円使わなかった。たぶん安いんだと思う。

残念ながら我が家のガスコンロには魚焼きグリルが付いていない(これも焼き魚を食べなくなった原因のひとつ)。
魚はプロに任せるのがいいだろうってことで、今回も(かれこれ4回目)「ももたま菜」さんにご協力していただきました。

1.グルクンの塩焼き

沖縄ではグルクンと呼ばれているタカサゴ。沖縄の県魚であります。
一般的な調理法は唐揚げでしょうか。

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かわいいよグルクン。

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塩の振り方が違う。
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焼き魚って火加減が難しい。

本島では唐揚げが一般的なグルクンだが、石垣島などでは塩焼きにすることがあるそう。

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釣り好きのお父さんに任せておけば大丈夫。

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家庭では出せない火力が心強い。
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15分位で焼き上がる。

2.ミーバイの塩焼き クレーミーバイの塩焼き

ハタ類の沖縄方言名ミーバイ。いろいろな種類がいて何ミーバイなのかわかりません。
魚屋のおっちゃんも「これはミーバイよ」と言っていたのでミーバイなんだと思います。

が、ももたま菜お父さんが言うには「これはクレーミーバイだと思う」とのこと。
クレーミーバイを調べてみると、コロ鯛の仲間とある。ということはミーバイでは無い。
見た目の模様がミーバイに似ているので混同されるようになったのでしょうか。
 

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ちょっと鮮度が落ちていて色が悪いですね...

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背びれにもしっかり塩を付ける。
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コンロと網が大きいと2匹同時に焼けちゃう。

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立つグルクン。

3.クチナジの塩焼き

魚屋ではほぼ1年中見ることができるクチナジ(イソフエフキ)。
どの調理法でも美味しい万能魚らしいですが、焼き魚はどうでしょうか。

 

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かわいい顔してますね。

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塩はしっかり。

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これも焼き上がりに15分くらいかかる。
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皮が薄く弱いので網にくっついてしまう。

4.赤マチの塩焼き

大きい目とキレイな赤が特徴の赤マチ(ハマダイ)。深海に棲息する高級魚です。
高級魚のわりに漁獲量が多いのでミーバイより安く手に入れられることもあるそうです。

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ギョギョ!って感じでしょうか(謎)

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さすがに手際がいいですねぇ。
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マース煮か魚汁か悩みどころ。

赤マチって高級魚じゃないですか。まるまる一匹焼いてしまうのはもったいない気がしたので、半身だけ焼くことに。
残りは魚汁にするためお持ち帰りです。

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皮が美味しそう。

焼き魚定食

焼きあがったので食べ比べしてみます。

1.グルクン
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身はふっくらしっとりフワフワ。脂もほんのり乗っている。意外と肉厚の身ですが、やはり小骨が多い、多すぎる。
皮まで美味しく食べることができます。唐揚げと違って頭や骨までは食べることができない。
冷めると味がありません。

★★☆☆☆ 焼き魚でも大丈夫ですが小骨に注意。でも唐揚げか刺身がいいかな。

 

2.ミーバイ クレーミーバイ
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脂がのっていない魚は焼くと皮が剥がれてしまうそうです。鮮度がイイとプリプリの身らしいですが、この魚は鮮度が落ちているのでプリプリ感はいまいち。
味はカワハギの珍味に似ている(お酒のおつまみ的なあのカワハギです)。少しクセのある味。
大きくなると脂がのるので刺身にしても美味しいらしいですよ。

★★★☆☆ 少しクセがありますがアリだと思います。

 

3.クチナジ
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身が多くしっかりしていて骨太。皮は揚げたり炙ったりして食べたほうがいいかも。
臭いもクセもない。焼き魚食べてますって感じです(謎)。冷めても味がしっかり残ってます。

★★★★★ 満場一致の1位。比較的安く1年中買うことができるので焼き魚にオススメ。

 

4.赤マチ
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事前予想では一番美味しいだろうと思っていた赤マチ。
肉厚でモッチモチ。食べ応えがある。パサついていなくしっとり。ほんのり甘い。
皮はパリパリに焼けば美味しく食べられる。味よりも食感がいいですね。

★★★★☆ 焼き魚には高級すぎるけど美味。これだけしっかりした身だと煮付けもいいかも。

 

焼き魚もいい

亜熱帯な沖縄は高温多湿。冷蔵庫などの保冷設備がない時代は魚の鮮度を保つのは大変。
少しでも長持ちさせようと、唐揚げにしたり煮付けたり、カマボコにすることが多かったと聞きました。
刺身も酢の物が多かったそうです。

で、今回食べた感想。

・一匹の価格がちょっと高い。
焼き魚の定番サンマは50円くらいから、サバも100円くらいからで売ってますよね。今回用意したもので一番安かったのはグルクンで250円くらい。高かったのは赤マチの700円。毎日食べるにはちょっと高い。沖縄の魚は高級魚が多い。

・脂がのっていない魚が多い。
どの魚も脂のりが少ない。お腹まわりに辛うじてあるくらいでした。焼くとちょっとパサつく。
焼いていても脂の焼けるいい香りが漂ってこなかったし、煙も少なかったです。
脂たっぷりの魚を焼いた魚焼きグリルの掃除って大変なんですよね(これが嫌いだから食べないって人もいる)。

・味が淡白すぎる。
脂が少ないので味が薄め。
どこかで食べたことがある味だと思ったら、ニジマスや鮎などの川魚の味、食感に似ている。
塩の付いた皮と身を一緒に食べると車海老の塩焼きの味になる(クチナジ)。なんかエビっぽい味でした。なんとなく食感も似ている気が。

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プロの舌はどう評価したのでしょうか。ももたま菜お父さんの感想。
「全体的に、思っていたより美味しいかも。少しクセがあるが、酒と一緒にとかアリかも。塩焼きにすると魚の持ち味を再認識できる」

期待せずに焼いてみたのですが、思ってたよりも美味しかったので塩焼きもアリかな?と思いました。

でも、どの魚も味が淡白なので、バター焼きやマース煮など濃い目の味付けが多いのも納得。
魚も適材適所の調理法で美味しく食べるのがいいと思いますが、沖縄の魚で塩焼き、意外と美味しいので試してみるのもいいかと思いますよ。
 

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