2012.09.05

石垣島のアンガマトゥズミ

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
旧盆ウークイの翌日、石垣島の各青年会ではトゥズミというものが行われたので見てきました。

旧盆も終わり、朝晩はすっかり秋めいてきたと思いましたが、日中はまだまだ暑い沖縄。

さて、旧盆中は県内各地で様々な行事がありました。
私は去年に引き続き、石垣島へ行ってアンガマを見てきました。

今回は去年見ることができなかったアンガマトゥズミをご紹介するのですが、その前にアンガマについて軽くおさらい。

アンガマは、ウシュマイとンミーがファーマー達を連れてグソーからやってきます。
招待された家庭をまわり、歌と踊りで御先祖様や精霊をもてなし、現世の人たちにも様々なこと教えてくれたりします。
見所はファーマーたちの踊りと、ウシュマイとンミーが見物客と繰り広げる問答。

2012angama_01.jpg
ファーマー用の椅子が用意されていた

2012angama_02.jpg
アンガマ隊到着
2012angama_03.jpg
ファーマたちも続々と

2012angama_05.jpg
約40名のアンガマ隊

2012angama_06.jpg
ウシュマイとンミーが踊り
2012angama_07.jpg
ファーマーたちも歌い踊る

文章で説明してもよくわからないと思うので動画をご覧ください。アンガマの問答はこんな感じ。

たぶん提灯の釘?について質問したみたいです。聞き取るのが難しかった。

2012angama_08.jpg
最後にウシュマイとンミーは線香をあげていく
2012angama_09.jpg
ゾロゾロと次の家へ

宮鳥御嶽

見に行ったのは、いしゃなぎら青年会のアンガマトゥズミ。いしゃなぎらは字石垣の青年会です。
アンガマトゥズミが行われたのは、石垣小学校の隣にある宮鳥御嶽(みやとりおん。ウタキではなく”おん”)。

2012angama_10.jpg

宮鳥御嶽は由来記によると

“石城山に住んでいた3兄弟妹がここを御嶽として拝み始めると作物が豊かになった。すると人々は彼らを慕い、周りに住むようになった。そして人々が増え、石垣・登野城両村へと発展した。”

石垣四カ所村発祥の伝承を持つ御嶽で、いしゃなぎら(字石垣)青年会の豊年祭やアンガマトゥズミなどの年中行事の舞台でもあるそうです。

2012angama_17.jpg
これは拝殿

2012angama_14.jpg
左右に祭壇
境内は、鳥居、拝殿、イビ手前の木造の門(イビとは石積みで囲まれた空間。ここに神様が降りてくると言われている場所)石造りのイビ、イビ内の祠が南北軸線上に配置されているそうです。
2012angama_13.jpg
拝殿裏
2012angama_12.jpg
拝殿裏は70cm高くなっている

境内は段差がある三つの領域に分かれています。拝殿がある一段目。拝殿裏の二段目。門とイビがある三段目。

2012angama_18.jpg

一段上がると木造の門。さらに奥へ進むとイビがあります。

アンガマトゥズミの始まり

石垣島では旧盆のウンケー(石垣島ではソーロンのウクルピー)翌日、トゥズミというものが行われます。
トゥズミとは簡単に言うと納会みたいなもの。地元の人たちへのお披露目会といったところでしょうか。

他の青年会ではアンガマトゥズミの他に、イタシキバラ(獅子祭り)や、ススパーシ(獅子舞)が行われるところもあります。

2012angama_19.jpg
会場は拝殿前の広場
2012angama_20.jpg
仏壇(シート)もある

2012angama_21.jpg

アンガマトゥズミの始まりを告げるべく町内を練り歩いたアンガマ隊が
いよいよ三線と太鼓の音と共に御嶽にやってきた。

2012angama_22.jpg

アンガマトゥズミでは、ファーマー達が花笠と顔を覆っていた布も外します。
普段のアンガマは夜行われるし、花笠と布で顔を隠しているので、すべて外すアンガマトゥズミは緊張するのではないでしょうか。

2012angama_23.jpg
ここでもキチンと島ぞうりを脱ぎます

2012angama_26.jpg
ウーートゥーートゥーーー

2012angama_30.jpg
広い舞台で悠々と舞い踊る

2012angama_32.jpg
緊張するよね

途中、青年会の出演者の挨拶も。出身地や踊った演目など。多くが高校生で半数くらいはいたと思う。

トゥズミは約2時間

通常、各家庭を回るアンガマは一軒約一時間くらい。
アンガマトゥズミでは全曲披露し全員が踊るので二時間くらい行われます。

2012angama_36.jpg
もちろん問答もある

2012angama_43.jpg
困るウシュマイ

途中、観客がウシュマイとンミーへ質問ができたのだが、誰も挙手せず。
そこで出てきたのが自治会長(シージャー)。
会長は八重山方言で質問(たぶん試した)したのだが、ウシュマイは難しい方言に困惑。
年配の方の方言は、まるで呪文のように聞こえた。

2012angama_44.jpg
久高節。最後に飛びます
2012angama_45.jpg
ファーマー達が踊りながら退場

2012angama_46.jpg

最後に青年会会長、ウシュマイとンミーが挨拶。そして面を外す時が!

....素顔は現地でご覧ください

2012angama_47.jpg
外した...!

外した姿は、せひ現地へ行ってみてください。

2012angama_48.jpg

これで旧盆の行事は全て終わり。
アンガマトゥズミは、その年のアンガマ総集編みたいな感じで全ての演目を見ることができます。

旧盆の3日間に石垣島へ行くときは、1日延長して4日目のトゥズミも見ることをオススメします。

関連する記事

フォローしたらいいことあるかもよ

DEEokinawaの新着記事や裏話、面白写真などが毎日届くかもしれません。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

Copyright©DEEokinawa All Rights Reserved.
このウェブサイトに掲載のイラスト・写真・文章の無断転載を禁じます。すべての著作権はDEEokinawaに帰属します。

ページのトップへ