2013.07.26

粟国島の地質が何だかスゴい 

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沖縄でも粟国島でしか見られない風景がある。沖縄ならずとも日本でも珍しい風景なのではないだろうか。

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沖縄の島々の多くは地震などで珊瑚が隆起してできています。
でも粟国島は火山活動で形成されたできた、沖縄では珍しい火山の島。霧島火山帯に含まれているそうです。

今回は、粟国島へ近づくと船から見える、島の一番西「筆ん崎」の下にある白い崖を目指して歩いてみたいと思います。

スタート地点へ行く前にくじけそうになる

スタート地点はイリヤマトゥガーの駐車場。
道路は下で行き止まりで駐車場になっています。ここまで車で来るのにも躊躇するレベルの急勾配。

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渡名喜島や慶良間諸島が見える
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降りるのが嫌になる高低差

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最大傾斜は約15%くらいあります。マニュアル車だと怖い。自転車でいくと帰りに後悔すること必至なので、歩いて下りましょう。

進むたびに地質が変わる

ヤビジャ海岸を西へと進みます。ゴールまでは約700mで1時間弱。途中、日陰はまったくありません。もちろん自動販売機などないので、飲み物は多めに持っていくことをオススメします。

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凝灰岩に礫が含まれた凝灰岩礫岩
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波で侵食されている

100mほど進むと、凝灰岩が層状に堆積してできたものが。凝灰岩は火山灰が固まってできたもの。

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侵食でできた海食台も凝灰岩

海食台は干潮時に現れます。滑りやすいので要注意。

赤い地層

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200mほど進むと赤い地層が現れます。
赤いのは、凝灰岩の上を流れた溶岩の熱で、凝灰岩に含まれる鉄分が酸化してできたもの。

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凝灰岩と溶岩の境目が不思議な感じ。
赤い凝灰岩が筆ん崎層。黒い溶岩層は東層。粟国島は東へ行くほど岩石が新しいのだとか。

縞模様が美しい

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300mほど進むと陸側に縞模様が美しい崖があります。これも凝灰岩が堆積してできた白色凝灰岩。

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軽石質で薄い縞模様が何層にも重なっています。このような模様は、波などの流れのない湖などで堆積してできるもの。地層が形成された頃の粟国島は大きな湖だったことを意味する証拠だそうです。この場所が湖だったなんて信じられません。

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縞模様

上から落ちてきた大きな岩がゴロゴロ転がっています。持ち出しは禁止されているので持ち帰らないようにしましょう。

白い崖

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海食台がキレイに切られている。船着場?
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なぜかアヒルが一羽。糸満ハーリーから逃げてきたか

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のんびり歩いて40分ほどでしょうか。目的地の白い壁に着きました。近くで見ると、より圧巻の光景です。
イギリスのドーバー海峡にあるホワイトクリフにも似ていますよね。

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落石した白色凝灰岩

粟国島では白色凝灰岩のことを、「コーヒチャー」(粉をひくような柔らかい石という意)と呼んでいます。
トゥージ(水溜)やお墓など、物がない時代には学校ではチョーク代用でもあったそうです。
また拝所の香炉にも使われているそう。豊富な凝灰岩は生活の至る所で活用されていたのですね。

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さらに進むと段々になった、ガウディデザインっぽい壁。
白色凝灰岩には、柔らかい層と固い層があり風雨の侵食に差がでてこのような形になるそうです。

さらに200mほど進むと、筆ん崎の下、島の最西端まで行くことができます。時間がなく行くことができませんでしたが、高さ90mほどある白い壁に音が反響して、不思議な感じがするそうです。

東はどうだ

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イリヤマトゥガーから東へ進むとヤマトゥガーと呼ばれている場所があります。

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大きな岩がパックリと割れたヤマトゥガー。ここからスタートすることもできますが、干潮の時間を調べて行かないと、満潮時は戻ってくることができません。

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落書きされているコンクリートブロックでできたものがあります。昔使われていた簡易水道施設です。
その下には、黒っぽい角の取れた礫が詰まった岩がゴロゴロと落ちています。玄武岩が川などで流れてできるもの。昔の粟国島には川もあったのかもしれません。湖だったことを考えると不思議ではないですよね。

地質好きにはたまらない場所なのかもしれない

沖縄では粟国島でしかみることができない白い壁。
夏場の日中はなかなかキツイので午前中に行くことをオススメします。進むたびに変化する地層は面白いですよ。白い壁を背景に写真を撮ると海外に行ったジラーができるかもしれません。

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