2013.10.01

那覇港に砕氷艦しらせがやってきた

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先日沖縄を訪れていた、南極観測隊の輸送に使われる砕氷艦「しらせ」。一般公開があったので艦内を見学してきました。

9月某日、那覇港に砕氷艦「しらせ」がやってくるとの情報を読者の方よりいただき、那覇港へと行ってきました。(Y様、いつもありがとうございます!)

「砕氷艦(さいひょうかん)」とはあまり聞き慣れないことばですが、読んで字のごとく、氷を砕きながら航行する船のことです。

砕氷船(さいひょうせん)は水面の氷を割りながら進む船のこと。砕氷船は北極海や南極海、凍結河川など氷で覆われた水域を航行するために、構造の強化や砕氷設備など特別に設計・建造されている。砕氷船の多くは軍用、あるいは探査用であるが、一般の商船や観光用のものもある。軍事組織が保有したり、軍艦に準ずるものについては、砕氷艦(さいひょうかん)とも呼ばれる。(Wikipedia「砕氷船」より)

「しらせ」は海上自衛隊に配備されており、南極観測隊の輸送に使われる砕氷艦。沖縄に砕氷艦がやって来てさらに中まで見学できるなんて、数年に一度のめったにないチャンス。早速、「しらせ」が停泊している那覇港へと赴きました。
 

はじめまして砕氷艦「しらせ」

那覇港の敷地内に入ると、遠くからでもひときわ目立つ巨大なオレンジ色の船体が。

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いかにも頑丈そうな船首(接氷部)は海面との角度が19度になっており、氷を砕くのに最適な角度に設計されているのだそう。

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中央に写る白い制服の船員さんと比較して、その船体の巨大さが分かるでしょうか。

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急な角度のタラップを登り船内へ。海上自衛隊員の方が笑顔で迎えてくれます。

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船内の様子。クルーズ船などとは違い、装飾要素は一切無くシンプルで計器やらバルブやらがむき出しになっています。か、かっこいい...。

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南極探検隊長、故・白瀬 矗(のぶ)氏。以下のようにその功績が記されていました。

「開南丸」で南極探検に向かい、明治45年(1912)日本人初の南極上陸に成功した探検家。ノルウェーのアムンゼン隊、イギリスのスコット隊との極点到 達争いに敗れはしたものの、貧弱な装備で世界一流の探検家と競い、一人の犠牲者も出さずに帰投した壮挙は、国際的に高く評価された。

ちなみに砕氷艦「しらせ」の艦名は、白瀬中尉の功績を称えて命名された白瀬氷河に由来するのだそう。

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平成21年5月20日〜の初代から数えて現在の艦長は4代目。1年に1度、または2年に1度の割合で、6月末〜7月頭にかけて艦長の交替が行われるようです。
 

艦内の設備を見てみよう

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見学コースにそって、「しらせ」艦内が自由に見学できます。こちらは137観測隊寝室。

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2名で使用する寝室。二段式ベッド、ソファ、洗面所、ロッカーなどが見えます。収納棚の一部は引き出して机としても使用できるようになっています。

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こちらは第二観測副隊長寝室。さきほどの137観測隊寝室と比べて、1人部屋で家具類が木目調だったりソファが布張りだったりと少しグレードアップしています。

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え、授乳室まであるの...!?と思いきや、今回の艦内一般公開用に特別に設けられたものでした。そりゃそうですよね。

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こちらは来賓室の専用浴室。一般隊員たちの個室には浴室はなく、共同浴室を使います。

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南極観測隊には女性隊員もいるので、女性用お手洗いもちゃんとありました。

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こちらは理髪室。ちゃんと三色のサインポールがぐるぐる回っています。

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隊員の方に伺ったところ、理髪室といっても専門の理容師が艦内に乗り込むわけではなく、隊員同士でカットを行うのだそう。なんだか楽しそうですね。

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艦内には神棚もありました。毎年1月1日には神主さんを呼び隊員全員で初詣を行うのだそう。閉鎖された空間内では、月日の感覚を失わないために年中行事をとても大切にしているそうです。

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こちらのひときわ広い空間は食堂兼ミーティングスペース。艦内ではどういったメニューが提供されているのか興味津々です。厨房ものぞいてみたかった!
 

デッキでも展示が

室内スペースからフライトデッキスペースに出ました。

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通常はここに大型ヘリコプターが駐機しているそうなのですが、今回は岩国基地で整備中とのことでした。

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ペンギンの等身大ぬいぐるみ。抱きつきたい衝動に駆られますが、これが本物だったらくちばしで突かれたり翼ではたかれたら大怪我しそうです。実際はもう少し痩せているそうです。

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南極用防寒服。天候不良時でも識別しやすいオレンジ色を採用しているのだそう。
適応温度は+5℃〜−20℃。主な素材はポリエステルとレーヨンです。さわってみると思ったよりモコモコしておらず動きやすそうでした。

南極大陸沿岸部で最も普通に見られるショウワギス
腕に吸盤が一列しかない南極だけに住むミナミイチレツダコ

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南極の氷の展示も。以下のような説明が。

南極大陸の面積は、日本の面積(37.8万平方km)の約37倍といわれています。
大陸には、厚い氷が覆っていてその氷は厚いところで4,500m、平均で約1,850mもあります。この氷は地球上の氷の約90%(9%がグリーンラン ド)を占めており、南極の氷が全て溶けると海面は約70mも上昇するといわれています。地球の冷源域として世界の気候に大きな影響を与えています。
氷を取り除くと大陸には海面より低いところがかなりあり、低いところでは海面下2,000m近いところもあります。これは氷の重さで地盤が沈んでいるためで、氷が溶ければ地盤が600〜700m隆起するといわれています。
ここに展示されている氷は、大陸から流れだした氷山から切り取ったものです。北極の氷山の形はデコボコ型が多いですが、南極の氷山は平らな切りもち状です。このためテーブル氷山とも呼ばれています。

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しばらく手を触れていると、氷の層に閉じ込められた空気がパチパチとはじけるのが感じられます。いったい何億年前の空気なのでしょうか。
 

さいごに操舵室へ

急な階段を何段も登り、さいごに操舵室の見学へ。

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以前ホワイトビーチで見学した護衛艦いせよりも、広々としており開放的な雰囲気。

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赤いシートは艦長席。もちろん座らせてもらいました。

屋外デッキの監視モニタ
副艦長席ビューはこんなかんじ

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地図帳や英和辞書、六法全書と並んで四季の星座図鑑も。南極で見る星空はどんなに美しいでしょうね。

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すべて現役で使われている道具たち。沖縄の地図が置かれていますね。

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再び長い通路を通って砕氷艦「しらせ」見学は終了です。

ゴミ箱「タロ」
ゴミ箱「ジロ」

11月には南極へ向けて出港

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沖縄のあとは高知で一般公開を行ったあと、一旦基地へ戻り整備を行い、今年11月には南極に向けて出港する予定だそうです。

南極での任務を遂行し無事帰還されるよう願っております。
いってらっしゃい!

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