2016.03.16

【大人の社会見学】八幡瓦工場

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沖縄の家の屋根に乗っている赤瓦。どんな風に作られているのだろうか。赤瓦工場に見学に行ってきた。

みなさんは、沖縄の色というと何色を思い浮かべるでしょうか?
おそらく海のコバルトブルーか、赤瓦レッドだと思います。


ブルー!


レッド!

海の青さは自然なのでみんなで守らないといけませんが、赤は赤瓦を作るのは赤瓦工場さんと家に赤瓦を乗せる家主さんにかかっています。
今回はそんな赤瓦を作る赤瓦工場の老舗、八幡瓦工場さんに社会見学に行ってきました。

八幡瓦工場

与那原にある八幡瓦工場の創業は昭和24年。
しかしもともと今の社長のおじいさまが与那原で赤瓦工場を経営していたので、その歴史を含めたら100年以上の歴史があるとか。

そもそも赤瓦は18世紀頃に生まれますが、主に首里城正殿をはじめとする王府や役所の建物、または神社などで用いられ、一般の住宅では使用することが禁止されていました。
それが明治22年(1889年)に禁止令が解かれ、それまで首里がメインだった瓦工場が、原材料の流通に優れた与那原町に集まってきたそうです。

赤瓦はどんな風に出来上がるんでしょうか。
赤瓦ができるまでの製作工程を案内していただきました。

工程その1:土を混ぜる

工場の前にはショベルカーと土。
赤瓦の原材料は沖縄の中南部でしか取れない粘土質の泥岩「クチャ」とやんばるの「赤土」で県産100%なのが特徴。

先ほど与那原に赤瓦工場が多いことに触れましたがその理由は、クチャが取れたこと、そして赤土や瓦を焼く薪が山原船で与那原港に運ばれていたため、材料の調達に最も適した場所が与那原だったからだそうです。


クチャと赤土を混ぜる割合は8:2ぐらい

工程その2:土を細かく砕く

そのままでは荒いので、まずは細かく砕きます。
複数の機械で潰したり、切り刻んだり。

砕かれた土は工場の中へ

工程その3:土の空気を抜く

続いては陶芸家が土を机にバンバン打ち付けてこねる作業。
これも機械がやってくれます。

工程その4:切る

機械からのべーっと出てきた土を瓦の大きさに切ります。
糸のこぎりみたいなので、スパン、スパンと切られていました。

工程その5:形を整える

おおざっぱな形の瓦を1枚ずつプレス機に入れて形を整え凹凸などをつけます。

プレス機は瓦の種類によっていろんな金型があるんだとか。

工程その6:乾燥させる

自然乾燥で2週間〜1ヶ月ぐらい乾燥させます。
十分に乾燥させないと割れてしまうため、大きなものは3ヶ月ぐらいかかることも。
乾燥室は焼き窯の真上にあり、熱があがってくるように設計されているので少し暖かかったです。

工程その7:焼く

燃料ガスで瓦を焼きます。
赤瓦を焼くのに必要な時間は約24時間。冷ますのに2〜3日かかるそう。

週に1、2回焼くそうですが、この日はちょうど焼いている真っ最中だったので、後ろの空気孔から中のようすを少しだけ覗かせていただきました。

温度は約1000度。
本土の瓦は本焼きの前に釉薬をかけますが、沖縄の赤瓦は釉薬をかけない素焼きが特徴。
雪が降るような寒い地域では割れてしまいますが、反対に吸水性と吸湿性に優れた瓦ができるので、スコールと湿気の多い沖縄に適しているのだそうです。
また断熱性にもすぐれ、真夏の沖縄でも赤瓦の家は室内が暑くなりにくいんだとか。

工程その8:割れていないかチェック

クチャはもともと灰色がかった色ですが、焼き上げることで鉄分の影響で赤くなりました。
梱包するまえに、1枚ずつ木のハンマーで叩いてみて割れていないかチェックします。

カーンカーンと音が響けば大丈夫ですが、コツコツと鈍い音がすると見た目にはわかりませんが中にヒビがあったりするそう。

出荷

これですべての工程が終わったのであとは出荷です。
今回見せていただいたのはS型瓦という1枚で男瓦と女瓦が一体になったもの。


漆喰でつながない真っ赤な屋根になります


こうなります

八幡瓦工場では在来瓦も作っています。


男瓦と女瓦を交互に置く


こうなります

手作りの瓦

工場には手作りで瓦が作れる昔の道具も置いてありました。
文化財の修繕などで昔の赤瓦が必要なときに使うそうです。

台にぐるりと粘土を巻きつけて形を整え、あとで女瓦の場合は4つ、男瓦の場合は2つに割ると4枚の瓦ができます。

この手作りで赤瓦を作る工法は、八幡瓦工場さんが2000年に復活させたそうです。
八幡瓦工場さん以外には道具も残っていないし、なにより使いこなせる職人さんがよそにはもういないとか。


手作りの男瓦

沖縄の赤を守る

八幡瓦工場さんでは、20数年前までは登り窯で瓦を焼いており、そのときは3日3晩職人さんが薪を入れて火を調整していました。
今でも坂道なのはその名残なんだとか。


登り窯の煙突の一部残っています

安定したものはできなかったので、焼きすぎて膨らんだり出荷できなかったものもあったそう。
登り窯のレンガには出荷できなかったものが使われていました。
味があってこれはこれで素敵ですね。

ということで赤瓦を作る八幡瓦工場さんからでした。


社長と工場長。暑くて顔が渋くなってしまいました...!

与那原には赤瓦工場さんが他にもいくつかありますが、工場があっても赤瓦を使う人がいないとこの文化は残りません。
八幡工場の社長が「街づくりには100年先まで考えることが必要」とおしゃっていました。

沖縄の赤色「赤瓦」。
見た目にかっこいいのもそうですが、性能が沖縄の風土にあった素晴らしいものです。

ああ、ああ、私もいつか赤瓦屋根の家に住めますように。

 

有限会社八幡瓦工場

沖縄県与那原町字上与那原291-1
098-945-2301

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