西原富士と呼ばれる運玉森に登ってきた

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西原町と与那原町の境目にある山、運玉森(ウンタマムイ)。かつては盗賊が住んでいたという伝説が残る山に登ってみました。

キミは運玉森を知っているか

西原町と与那原町の境目にある山、運玉森(ウンタマムイ)。
この山にはその昔、盗賊の運玉義留(ウンタマギルー)が住んでいたとされていて、金持ちから盗んだ金品を貧しい人たちに分け与えたという物語があります。沖縄版ねずみ小僧とったところでしょうか。

今の時代にそんな事したら騒動になってしまいますが、運玉義留の優しい心にあやかろうと、そして富士の懐に抱かれたいという男のロマンを胸に、運玉森に登ってきました。

西原町のウェブサイトによると山の標高は158.1メートル。国土地理院では158.2メートルと情報があるのですが、もしかしてこの山は年々成長しているのでしょうか。
そして西原富士とも呼ばれていてるらしいのですが、そう呼んでる人には出会ったことがありません。というより、運玉森はごく当たり前にある風景として馴染んでいるため、あえて話題に取り上げることが無いんですよね。

 

与那原町側から登れるらしい

調べを進めると、どうやら与那原町側からの登山ルートがあるらしいという事がわかったのですが、登山道の入り口がどこなのかという情報が見つかりません。
なので地図や衛星写真を頼りに登山口のあたりを付けて、いざ出発です。

与那原警察署付近から高台の住宅地のほうに上へ上へと足を進めてゆくと、サトウキビ畑が広がってきました。だんだん周囲のひと気が少なくなってきます。

お、向こうに見えるのは運玉森かな?

さらに頂の方向へと続く道を見つけたので、進んでゆきましょう。

左手に沖縄自動車道の21連アーチ橋が見えてきました。あちらは南風原町です。
アーチ橋としては世界で1番長い橋という記録を持っているようですが、実際に橋を歩いたり触ったりできないので残念なところ。
以前の記事『沖縄建築百景(南部編 vol.2)』でも紹介しています。

さらに上へと続く道が出てきました。進みましょう。

おっと、門が閉まっていますね。
車止めがあって、それを越えて進むと山への入り口がある。という情報だけは事前の調査で得られてたので、このまま行ってみましょう。
道路脇の草の勢いが強くなってきました。

湧き水でしょうか。山の斜面から道路へと水が流れて苔が生えており、油断すると足を滑らせてしまいます。
本当にこの先、山への入り口があるのか不安になってきました...。
 

山の入口を見つけた

さらに進むと右手に階段が。壁に目を凝らすと赤いスプレーで三角の印!これはもしや三角点への案内ではないだろうか!
でもこれ、何か怖い。

階段には、上から垂れてきたロープがだらり。色々想像して怖い。人いないし。

短い階段を登り終えるとすぐに未舗装の細い山道がはじまります。湿度が高く地面はドロドロで、スニーカーやサンダルでは滑って危険です。
念のため長靴で来ておいてよかった。

親切な人が難所にロープを設置してくれているおかげで、足元が滑りながらも何とか歩みを進められます。

道を見失うほどに草が生い茂ってきました。いや、これ絶対ハブいるだろ。
心の余裕が無くなってきました。

斜めに傾いているうえに、泥で滑りやすい道。
しかし、その先には小さく空が見えています。山頂はもうすぐか...!

 

山頂にたどりついた

三角の標識とベンチが見えてきました。山頂です!
もし山頂が木々に覆われていたらと心配していたのですが、ここは開けた山頂で良かった。

太陽光発電式のガーデンライトが3つ束ねて設置されていましたが、この光量ではふもとからは見えないでしょうね。でもやりたい事はよく分かります。

ちょっと斜めに立っている三角点の標識。「大切にしましょう」の文字は台風には効き目がありません。

三角点標石の幅を測ってみると12cm。幅の長さで等級が判断できることから、これは四等三角点であることが分かりました。
と、わざわざ測らなくても標石には「四等」と書かれています。この等級が何を意味するのかは知りませんが。

標石にはお賽銭のように小銭が置かれています。どんな思いが込められているのでしょうか。

標石番号は 060 940。意味は分かりません。

標石に置かれているお金を数えると、落ちているものも含めて68円。ここに1円増やしておきました。

ベンチは結構な崖っぷちに置かれていて、ちょっと風が強い日なんかは怖くて座れません。

でもこのベンチ、台風がきても遠くに飛ばされないように、杭とロープで固定されているのです。きっとどなたかが管理されているんですね。ありがとうございます。

 

眺めを楽しむ

では頂上からの眺めを楽しみましょう。

眼下に広がるのは与那原町。手前に見える橋脚は建設中の与那原バイパス。南風原町のイオン付近まで伸びるそうです。

西原町に目を向けると石油タンクが見えます。遠く水平線には勝連半島も見えますね。

南風原町方面を見ると南風原道路が豊見城市に向けて伸び、イオン南風原店や黄金森(クガニムイ)もよく見えます。

太平洋側のパノラマビューです。ここで日の出を迎えるとさぞ気持ち良いでしょうね!
(日の出前に登ることを考えると道はめちゃくちゃ険しいですが)

山の入口から山頂までは約15分。550歩ほどで登ることができました。短時間でお手軽に絶景を楽しめる反面、道が険しくハブやハチ等の怖い生物が出てくる可能性があるので、運玉森登山を計画する人は肌を露出しない格好で、足元のしっかりした装備で挑んでください。
これからの暖かくなる季節、自然を思いっきり楽しみましょう!

 

登山道の入り口はこのあたり

周囲に畑が多くあるので、農業者の方々の迷惑にならないよう十分ご配慮くださいね。

ゲストライター

ゲストライター写真:やっさん
やっさん
浮き球△ベースボール「小禄ペリー団」の提督をしています。好きな言葉は「まくとぅそーけー、なんくるないさ」。沖縄の草や虫が大好きで、いつかは農業に転向したいともくろむ野性派プログラマー。奈良県出身。
ブログ沖縄で就農を目指す人の 農業見習いブログを書いています。

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