IoTでシーサーに感情を持たせてみる

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ボタンひとつでシーサーの表情を切り替えることができる...そんな未来のシーサーを作ってみた。

シーサーは門扉に配される魔除けで、沖縄では家屋だけでなく、お店や公共施設などでも見る事ができます。

シーサーの由来は諸説あるようですが、沖縄のいくつかの集落では石でできた獅子が集落の境目などに配されており、そこから悪いモノが入るのを防いだり、火事を防いだり(ピゲーシ:火返し)という役割のものもあるらしいです。

そんなシーサーですが…

沖縄を象徴するものであるゆえに、魔除け的なものではなくマスコットキャラクター的な扱いのシーサーも色々なバリエーションが見受けられます。


安全運転してほシーサー

さらには「おいシーサー」「たのシーサー」など沖縄方言の「○○さー」という語尾に合わせやすいためかジョーク的な意味合いでシーサーが引き合い出される事が多い気がします。

マスコット化していくシーサー…これではマジムン(魔物)から身を守ることができません。魔除けもこなしつつ、マスコット的な愛らしさも兼ね備えたシーサーが現代においては求められているのではないでしょうか。というわけで本日は未来のシーサーを考えてみたいと思います。

 

感情を切り替えられるシーサーを作ろう

魔除けの役割も果たしつつ、「たのシーサー」的な要素も加えたい…この二律背反的な課題をどのようにクリアすべきか…。考えた末にできた設計図が以下でございます。


設計図…?

設計図とかいうのがおこがましいのですが、スマホのボタンでシーサーの表情を切り替える仕組みです。これを実装することであるときは魔除け、あるときはマスコットとしてシーサーを使えるのではないでしょうか。

というわけでいつものようによく分からない設計図からスタートしましたが、本記事は

世の流れにのってIoT石敢當をつくろう
自動追尾型「石敢當」を開発した話
国宝「玉冠(たまのおかんむり)」はイルミネーションになるんじゃないか
夢の自動天ぷら判別機を作ってみる
そうだ。藁算を電卓にしよう

 

上の記事のように電子工作的なことで実装を行いたいと思います。

まずはベースとなるシーサーについてですが

一般的なシーサーは焼き物でできているので加工できる自信がありません。

というわけで、シーサーのペーパークラフトを買ってきました。紙製ならばなんとかなりそうです。

これがパーツ
説明書

このペーパークラフトは守礼門だったり、ヤンバルクイナだったり、進貢船だったりと色々な沖縄のものが商品化されてるんですがかなりリアルなものが作れるようです。

パーツはハサミを使わずに取り出せるようになっているし、難易度は5段階中2となっていたので完璧に舐めてましたが、結構細かい作業を要求されます。

なんとなく顔っぽくなってきました。

ここまでくるとほぼほぼシーサーですね。ペーパークラフトすげぇ。まだ目と耳と眉毛がまだなんですが、シーサー側はとりあえずここで止めておきます。

 

心臓部を作る

続いてシーサーを動かすための心臓部を作ります。

とはいえ大枠は以前石敢當で使ったものがあるので、そちらを流用しています。簡単に説明すると左下の銀色のパーツがインターネットに接続して命令を受け取り、上の青いモーターが動くというしくみです。

ちなみにタイトルにあるIoT(あいおーてぃー)とはInternet of Things(モノのインターネット)という意味で従来のパソコンなどの通信機器だけでなく、様々なモノに通信機能を持たせてインターネットから操作したり、情報を取得するような仕組みのことをいいます。言いたかっただけなんですけど。

操作するスマートフォン。こちらはBlynkというソフトを入れてボタンを設置しています。

ボタンは「うれシーサー」(喜)「いい加減にしてほシーサー」(怒)の2つ。そのほかに「かなシーサー」(悲)というボタンも作ったのですが、モーターが180度しか回らないというハードウェア的な制約で実装ができませんでした。

これは石敢當の時に使った箱
シーサーを配置

心臓部ができあがったので、シーサーとの接続を行います。適当な箱にシーサーを設置します。

表情を変えるために回転する目玉を作成して

シーサーに組み込みます。

また、眉毛のパーツは

シャフト(爪楊枝だけど)を接着。

箱の後ろからモーターと接続します。

白いシールに
目を書く

最後に目入れです。ノーマルな状態と表情が変わった状態の目を作って、目玉に貼り付けます。

これで完成。ここまで何を言っていたのか、さっぱり分からない人もいらっしゃると思います。次からが本番なんで安心してください。

 

これが未来のシーサーの形だ

さて、長々制作についてご説明をしてきたわけなんですが、この記事は電子工作シリーズにありがちの次の動画が全てのパターンです。

…いかがでしょうか。

通常は普通のシーサーですが、スマホのボタンひとつで

「うれシーサー」

「いい加減にしてほシーサー」

と表情を変えることが可能です。これにより普段はマジムンを撃退。友人などの来客の際には「うれシーサー」に切り替え、しつこいセールスには「いい加減にしてほシーサー」で怒りを表現、といったことも可能になるわけです。シーサー部分とボタンのスマートフォンはWifi接続なので、その場に居なくても地球の裏側からでもシーサーの表情を変えることが可能になるわけです。

…またひとつどうでもいいものを作ってしまいました。

 

シーサー工房の皆さん、ご連絡お待ちしております

というわけで本日作った未来のシーサー、いかがでしたでしょうか。工作段階で何も考えていないことが露呈して色々苦労をしましたが、なんとなくそれなりのものができました。皆さん、これが未来のシーサーです。

今回はペーパークラフトを使いましたが、やちむんのシーサーを眉毛などのパーツ別で作ればもっとしっかりしたものができるんじゃないかと思いますので、シーサー工房からの商品化オファー、お待ちしております。


前に倒れるから机にガムテでとめてた

なお、今回作ったシーサーはバランスが悪すぎてすぐ前面に倒れてくるので油断なりません。今後はこのあたりの工作力を磨きたいところです。

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