お正月といえばナントゥの味噌について考えたい

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沖縄の正月ではナントゥという味噌味の餅菓子が食べられていたらしい。このナントゥを沖縄の色んな味噌で作ってみたら面白いんじゃないか。

沖縄の正月の餅といえばナントゥだ

さて、新年明けてから餅の話ばかりで恐縮です。

今年一発目の特集記事でhiga君が「手登根家の新春餅つきで沖縄の具材を色々挟んでみた」という記事を書いてくれたのですが、今だからこそ各所で餅つきが行われたり、スーパーに鏡餅が並ぶ沖縄ですがその昔はお正月にあの白い餅を食べるという文化自体がなかったようです。

DEEokinawaでちょこちょこご紹介している、沖縄の食についてのエッセイ「料理沖縄物語」にはこのような記述が書かれています。

沖縄には鏡餅を供える風習がなく、切り餅もなかった。当然雑煮で新年を祝うということもなく、正月に食べる餅としては「なっと味噌」だた一つである。

『料理沖縄物語』古波蔵保好著 1983

…はて。「なっと味噌」。聞き慣れない単語に首をかしげる方もいらっしゃるかもしれませんが、


沖縄にあるいろいろなお餅

「なっと味噌」とは「ナントゥ(ナントゥー、ナントゥースーとも言われる)」というもち粉に黒砂糖と赤味噌、ピパーチという香辛料を入れて月桃の上に乗せて蒸し上げるお餅のことです。味は甘辛いムーチーみたいな感じですね。今はスーパーなんかで通年売られているので食べたことはなくても見たことがある人もいるかもしれません。

お正月に食べられていたナントゥは今やお菓子としてひっそりと販売され、スーパーなどでは切り餅や鏡餅の特設コーナーができるという状況は沖縄固有の文化が内地の食文化に浸食されつつあるということなのかもしれませんね。

…という真面目な話はさておいて、沖縄って結構色々な味噌が売られてると思うんです。じゃあ「色々な沖縄の味噌でナントゥを作ったら面白いんじゃないのか」という割とどうでもいい内容が今回の記事です。

 

沖縄の色々な味噌でナントゥをつくろう

それではさっそく味噌のラインナップをご紹介していきたいと思います。

久米島みそ(赤)

沖縄本島で割と売られている久米島みそ(製造は宜野湾市)。赤味噌と白味噌が販売されてましたが、赤味噌をチョイス。原材料は米・麦・大豆・酒粕となっています。割と一般的な赤味噌っぽい色合いです。

 

宮古風味噌

こちらも離島を名前に冠にした味噌。色はかなり濃い感じです。宮古「風」なのはこちらも沖縄本島で作られているからだと思われますが、この色が濃い感じが宮古島の味噌の特長なのかもしれません。原材料はこちらも米と麦と大豆。

 

おいしい味噌いなむるち用

ナントゥは本来赤味噌が材料ですが、白味噌もチョイスしています。あのマルコメが発売している沖縄限定の「いなむるち用味噌」。なぜだか知りませんが、沖縄ではそんなに作る料理でもないのに「いなむるち用味噌」なるものがいくつか存在します。

 

油みそ

味噌を豚肉と炒めてつくられる油みそ。アンダンスーともいいます。沖縄ではおにぎりの具として使われることが多い気がしていて、梅、鮭などのおにぎり定番の具と張り合うくらい「油みそ派」が存在します。ナントゥに合うのかは全く不明です。

 

酢みそ

沖縄では刺身を醤油をつけて食べる以外に、酢味噌和えにして食べることが結構な頻度である気がします。ということで酢味噌もラインナップに入れてみました。からし入りです。

 

ではナントゥを作っていきましょう。

まずはモチ粉を用意。本来はモチ粉に黒糖を入れるべきなんですが、手抜きをしてすでに黒糖が混ざった「黒糖ムーチーミックス」を買ってきました。それぞれ分量に分けます。

モチ粉にピパーチを一振り。ピパーチはヒハツモドキという植物の粉末で、八重山そばの薬味に使われたりしています。匂いは表現しづらいのですが、松茸のお吸い物みたいな匂いだと個人的には思っています。

久米島みそ
油みそ

モチ粉の中に味噌を入れます。またレシピを探すと味噌の他にピーナッツバターを少量加えるとのことなので味噌と合わせておきます。先述の「料理沖縄物語」ではピーナッツバターを入れる、みたいな事は書かれていなかったのでどこかのタイミングでピーナッツバターを入れることが一般的になったのかもしれません。

水を入れてこねます。

こちらがこね終わったナントゥのタネです。各味噌でこの時点で違いがないか確認してみたんですが、色合い的にも混ざったら全く分からないくらい同じ。

どれがどの味噌か迷子にならないように、月桃の裏に名前を書いて

蒸し器で蒸し上げます。本来だとナントゥの表面は胡麻やピーナッツで飾るのですが、今回は割愛しました。

蒸し上げること25分…。

なんかちょっと怪しい感じになりましたが、ナントゥの完成です。

 

どの味噌のナントゥがうまいのか

さて、蒸し上がったナントゥ。早速食べていきたいと思いますが…

一旦市販されているノーマルなナントゥを食べて基準を定めておきたいと思います。

ナントゥの味って表現が難しいのですが、一口目は黒糖ムーチーっぽい味で、食べていくうちに味噌の風味が広がり、最後に少し鼻にピバーツが抜ける感じです。ゆべしというお菓子がありますが、ゆべしをなめらかにしてクルミを抜いた感じが近いかもしれません。

なんとなく基準が分かりましたので、食べ比べを開始します。

 

久米島みそ(赤)

基本のナントゥにかなり近い味でした。可もなく不可もなく。

 

宮古風味噌

味噌の味がものすごく濃い…!好き嫌いが分かれるかもしれませんが、割と好みの味でした。

 

おいしい味噌いなむるち用

味噌の味が全くせず。黒糖ムーチーそのものくらいの味わいです。白味噌自体が割と甘めな気がするので味が黒糖に勝てなかったのかもしれません。

 

油みそ

ナントゥの食感に加えて、油味噌に入っている肉の食感が結構あります。味噌感があってこれは結構うまい気がします。

 

酢みそ

酢の味は皆無。普通の黒糖ムーチーの味なんですが、後味にほのかにからしの匂いがします。これはないかもしれない。

 

なんだかんだで市販のナントゥがうまかった

というわけで沖縄の色々な味噌を使ってナントゥを作ったわけですが、結果として言えるとは「市販のナントゥがうまい」ということです。

レシピ通りの分量でナントゥを作ったんですが、味噌の味加減だったり歯ごたえだったりは自作のものに比べてはるかに市販のナントゥがうまかったです。次点で割と「油みそのナントゥ」はアリなんじゃないかと思いました。油みぞ自体が味噌以外にみりんだったり砂糖だったり調味料が入っているので味に深みが増した気がします。

しかしながら味噌を変えたところで、ナントゥはナントゥ。びっくりするほどの味の変化もなかったため、なんだかモヤモヤした結果で終わりました。

これが僕の新年一発目の特集記事なわけですが、こんなぼんやりした終わり方で恐縮です。しかしながらナントゥの味って文章では全然伝わらないと思うので、まだ食べたことがないという方は是非食べてみて下さい。

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