2011.11.30

【入りにくい店に入ってみた】マカビペット店

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好評のシリーズ【入りにくい店に入ってみた】。すごく入りにくい店構えだけどなんだか気になっちゃうあの店この店、意を決してどんどん踏み入れていこうと思います。沖縄にはディープなお店がまだまだたくさん眠っているのです。

沖縄の街を歩いていて大通りからふいっと路地裏などに入ってみると、営業しているのかいないのかも分からない、もんのすごく入りにくい雰囲気のお店に出会うことがあります。
通るたびに気になって興味はあるのに、扉を開けるのにすごく勇気がいるような。

そこにあえて挑戦していくシリーズ、名づけて【入りにくい店に入ってみた】。

第一回:食堂 自流
第二回:カムイラーメン喫茶
第三回:平和食堂
第四回:聚楽苑(じゅらくえん)

今までは食べ物系の入りにくいお店を攻めていましたが、今回は初の脱食べ物系です。
はたして、はたして。

全面ガラス張りの入りにくいお店

今回ご紹介するのは那覇市真嘉比にあるお店。
真嘉比は数年前まで古いお家や空き地が多かった地域ですが、最近都市開発が進み新しいお店が建ち並んでいます。
真嘉比の通称「並木通り」と呼ばれる通りにそのお店はあります。


お店の名前はマカビペット店

ペット店と名乗りながら看板は鳥押しです。

さて、以前入りにくいお店を紹介する際に
「そういえばこのシリーズ、入り口が小さい&店内の様子が全く見えないというのが入りにくい店の条件のひとつになっている気がします。」
と言っていたことがありますが、今回はこの条件に大きく外れる全面ガラス張り。

それなのになぜ入りにくいのか。

その理由はズバリ、入り口にいつもおじさんが座っているから。

これまでに何度か並木通りを通ったことがありますが、おじさんはいつ見ても窓際にいるのです。
それもいつも真横を向いています。

テレビを見ているのかとも思いましたが、手元を動かす仕草も見受けられます。
囲碁の練習でもされているのでしょうか。
なんにせよ絶妙な位置すぎて店内を覗くこともためらわれるのです。

何度か反対の通りを行ったり来たりした後、意を決して入ってみた

お店と書いてあるのに、正直中知らない家にトイレを借りに行くほどの勇気が必要でした。

ドキドキしながら店内に入ってみると、目に入ってきたのがズラリと棚に並んだ鳥かご。
 
おお、美しい。

鳥かごを作るパーツも置いてあります。

もしや鳥かご屋さん?

こちらが店主の福里さん

店内の鳥かごはすべて福里さんの手作りだそうです。

ずっと窓際におられたのはテレビを見ていたわけでもなく、囲碁の練習でもなく、鳥かごを作っていたからなのでした。

お仕事中だったのですね。失礼しました。

お話を聞いてみました

—すごくきれいですね。これらはすべて何のかごなのですか?

メジロ用のかご。

ぜんぶ竹で作ってますよ。こっちで撮れば?

といって写真を撮りやすいように棚にかごを乗せてくれました。

おお、繊細な美しさにホレボレ。

これはもう沖縄の伝統工芸だから。昔からの。

 

—何年前からやられてるんですか?

40年ぐらい。


道具も40年前から使い続けているそうです。

昔はカゴ以外にもいろんな鳥もいたんだけどね。
今はカゴだけ。
メジロ愛好家の人が買いに来るけど、最近はメジロを飼う人が少なくなってきたから、飾り用として買う人も多いよ。

高級なかごは1ヶ月で2個ぐらいしか作れんからよ。
四角とか波形とかで判断するわけじゃないけど、四角のはもう売れてここにはないな。
みんな持ってくものだから。

 

—かごはひとつおいくらぐらいなんですか?

高級なのは8〜10万。
安いのは5000円ぐらいかな。
輸入ものは安いけど、ここは手作りだからね。
県内では5〜6軒ぐらいメジロかごを作っている人がいるよ。

台湾なんかでもカゴはあるけど、こちらは沖縄の伝統のカゴだから作りが違う。
竹は内地の竹。
沖縄の竹はね、家庭用品は普通の竹でいいんだけど、これ(かご)は良い竹使わんとダメになる。虫入ったりするからよ。色も出てこん。
長らく置けばこうやって色が出るわけよ。そういったことになれば値打ちが出てくる。


手前のかごは最近作ったもの。奥のかごは30年ものだそうです。

手作りのカゴの良さはここにある。
良い竹じゃないとこんな色にはならなんわけ。

 

—メジロテープ オス・メス あります、とは?

テープはメジロの声が入っている。
メジロは声がいいから、声にひかれてみんなやりはじめる。

福里さんのその言葉が嬉しかったのか店内に1匹だけいるメジロが鳴きだしました。
「ピュー、ピー」と。
文字にすると微妙ですが、たしかにキレイな声でした。

—めじろは昔から人々に飼われていたんでしょうか?

昔はメジロ奉行なんかいう奉行所なんかでもメジロを鳴かす人がいたらしいよ。
メジロかごは2〜300年前からある。


ピュー、ピー

で、あんたなんかはインターネットの人なの?
今は昔からのお客さんが注文してくれるもんだし、手作りだから1ヶ月に1、2個で大量生産もできないからこのままでいいんだけど、売れなくなったらインターネットにも出そうかな。ははは。

ペット店かは謎ですが

ということで、今はメジロかごは店内のみの販売ですが、もしも売れなくなったらインターネットで販売することもあるかもしれないそうです。

通るたびに気になっていたお店でしたが、勇気を出して入ってみると美しいメジロかごと福里さんの熱い職人魂に触れられるお店でした。
これから並木通りを通るときはメジロの声に耳をすましてしまいそうです。

マカビペット店(小鳥の店)

沖縄県那覇市真嘉比3丁目
年中無休
営業時間:8時〜17時か18時(日が暮れるまで)

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