• DEEokinawaトップ
  • 特集
  • なぜ「金ちゃんヌードル」は、沖縄でこんなに売れているのか?【前篇】
2017.02.08

なぜ「金ちゃんヌードル」は、沖縄でこんなに売れているのか?【前篇】

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
「金ちゃんヌードルが、沖縄だけで1日1万個以上も売れている!!」という噂を聞いた。沖縄では、なぜそんなに「金ちゃんヌードル」が売れているのか?調べてみた。

「金ちゃんヌードル」が沖縄で売れまくっている!?

皆さんは「金ちゃんヌードルが、沖縄だけで1日1万個以上も売れている!!」という噂をご存じでしょうか。
沖縄県民は、いま140万人。
仮に月に35万個売れているとしたら…

(1)沖縄県民の全員が、4ヶ月に1個(=年に3個)は食べている
(2)沖縄県民の4人に1人が、月に1個は食べている

ということになるんですよ。
これって、すごくないですか??

 

カップヌードルより先に沖縄に進出したのが「金ちゃんヌードル」!?

でも、この数字はさすがにウソだろうと思ったので、Wikipediaで調べてみたら…

沖縄県では、日清食品のカップヌードルよりも先に進出したこともあり、
金ちゃんヌードルがカップ麺の定番となった。現在でも月に3万〜4万ケースが
沖縄県に出荷されており、他都道府県の1.5倍近い売り上げだという。
沖縄食材の販売店等にも置かれていたり、沖縄土産として持ち帰る、といったケースもある。
wikipedia:徳島製粉

と書かれてあります。ビックリ!!
う〜む、ひょっとすると本当なのかも・・・

でも、カップヌードルってカップ麺の元祖でしょ?それより先に沖縄に進出なんて出来るのかな??

なんだか、謎が謎をよぶ展開になってきました。
これは、調べてみなければー。

 

まずは「金ちゃんヌードル」を食べてみる

実は、私の出身地は沖縄ではなく、神戸でして。

正直に言うと、子どものころに食べてたのは、母親が買ってくる日清「カップヌードル」ばかり。
「金ちゃんヌードル」の存在は知ってたけど、食べたことはありませんでした。

で、初めて「金ちゃんヌードル」を食べたのは、沖縄に来てから。
スーパーとかに、驚くほど大量に置かれていて、てっきり沖縄の会社が作っていると思ってたんですよね。

調べてみると、「金ちゃんヌードル」には、しょうゆ味、カレー味、しお味があり、他にも焼きそばやきつねうどんもあり、かなり種類は豊富です。


CMでおなじみ、金ちゃん焼きそば

では、実食してみましょう。
ひとりでは食べきれないので、DEEokinawa編集部に行って、やんばるたろうさん(以下、たろうさん)と一緒に、3種類の金ちゃんヌードルを試食してみました。

まずは、しょうゆ味。

私「うん、優しい味ですね。クセがないというか、いくらでも食べられそうな味です」

たろうさん「オーソドックスな醤油味ですよね」

 

次は、カレー味。

私「とろみがあるカレー。辛さもそんなに強くないですね」

たろうさん「カレーの刺激はそんなに無いですね。優しいカレーです」

 

最後にしお味。

私「あっさり塩味。個人的には、この味が一番好きかな。」

たろうさん「うん、美味しい。具のキャベツと鶏団子がアクセントになってますね」

という訳で、3種類とも、とても美味しくいただきました。

「優しい味で、いくらでも食べられそう」と意見が一致。

金ちゃんヌードルは二重カップになってるので
カップを外して二人で分けあう裏技もあるよ。

 

金ちゃんヌードルは徳島県で作られている

そして大事な話。
「金ちゃんヌードル」の製造元は、四国は徳島県にある、徳島製粉さん。
沖縄の会社ではありません。

ではなんで、徳島の会社の製品が沖縄で爆発的な人気を誇るのか?
調べれば調べるほど、疑問はふくらむばかり。

こうなれば、もう本人に聞くしかない!!
というわけで、徳島製粉にメールで問い合わせ。
まあ、宣伝部かどっかからメールで返事が来るかなーと、軽く考えてました。

そんなある日、突然携帯に連絡が!

088-***-****??

見たことない番号だなーと思いながら、出てみてビックリ!!

「徳島製粉に取材の依頼をもらいましたか?社長の田中ですけど
「ええー??社長さんですか!」」

…という訳で。

いきなりではございますが、徳島製粉の田中信義社長(以下、田中社長)に話を伺いました。

 

突然の取材開始!!

- 本日はよろしくお願いいたします。

はい、よろしく。

- いま、沖縄で金ちゃんヌードルが売れてる理由を知りたいんですが、社長には何か心あたりはありますか?

あなたはどう考えてるの?

- そうですね。とてもあっさりとしたしょうゆ味で、優しい味だなあと思っています。ちょっと沖縄そばにも似てる気がして、それが沖縄で人気の理由なんじゃないかと…。

それと、Wikiに書かれていた「日清カップヌードル」より早く沖縄に進出したっていう話。それが本当なら…。

 

と、興奮気味に話を進める私に、田中社長は静かに話し始めました。

 

まず、カップヌードルさんより早くウチが沖縄に進出したって話だけど、それは無いよ。だってウチが沖縄進出した時に「カップヌードルは○○円で売ってるからウチは△△円にしよう」って話をしたからね。

- あれ?Wikipediaにはそう書いてましたけど、あれは間違いなんですね。

本当にそう書いてあるのならば間違いだね。

それから、さっき言ってた優しい味というのには、理由があってね。
いまウチが沖縄で卸してる先は「許田商会」さんだけなんだけど、そこの先代の社長さんが40年前に初めて金ちゃんヌードルを食べた時に「この味は沖縄に向いている。絶対にこの味を変えないでくれ」って言われたんだよ。

で、その言葉を受けて私はこう言ったんだ「味は変えない。沖縄ではあなたの会社だけに卸すから、金ちゃんヌードルの沖縄のメーカーになったつもりで、販売を頑張ってほしい」って。

その後40年以上、許田商会さんは沖縄で頑張ってくれている。だから、いまでも金ちゃんヌードルは、許田商会さん以外には卸していないんだ。


40年間、変わらぬ味。

- なるほど、取引先との絶大な信頼関係があるということですね。素敵な話ですね。
じゃあ、味が沖縄向きであるということ以外に、売れている理由は考えられますか?

金ちゃんヌードルというのは二重カップになっているでしょう?

- はい。

これが、スープが冷めにくくて良いのと、手に持っても熱くないでしょう?お客さんのためを思ってコストはかかるけどそういう造りにしたんだよ。


二重カップで熱さを遮断!

あとは、麺へのこだわりかな。

- 麺!?そういえば、徳島製麺さんは、元々製麺の会社ですよね?

そう。だから良い小麦粉を使ってる。金ちゃんヌードルの麺は、お湯を入れて10分経っても麺が伸びないんだよ

それで、沖縄で畑仕事をする人などに人気だとは聞いたことがある。金ちゃんヌードルは、他のと違って、フタも付いてるしね。


フタが付いている

- なるほど。では沖縄で売れる理由としては1.飽きのこない味、2.二重カップ&フタ、3.のびにくい麺ということでしょうか?

うん、まあ、そんなところだろうねえ。

- なるほど。
あと、最後に聞きたいことがありまして、沖縄でどれぐらい金ちゃんヌードルが売れているのか、その数とかを教えてもらうことは…?

それはもちろん知ってるけど、私の口からは言えないよ。許田商会さんを紹介するから聞いてみたらいい。まあ、彼らも言わないかも知れないけど(笑)

どこで一番売れてるとかいう話は出来ないけど、○○が当たるキャンペーンなんかをやると、圧倒的に沖縄からの申し込みが多いよ。だから必然的に沖縄の当選者が多いわけ。言っておくけど、抽選はちゃんと公平にやってるからね(笑)


キャンペーンの応募券はコレ

あと、最後に沖縄の皆さんに伝えて欲しいことがあってね。

- はい。

沖縄からはよく「金ちゃんヌードルのファンです」という手紙やメールが来るよ。本当にありがたい。沖縄の金ちゃんヌードルファンに、こちらこそありがとうという気持ちを伝えてください。

- ありがとうございます。伝わるような記事にします。

 

味と二重カップと麺が、社長の考える人気の理由!

ということで、徳島製粉の田中社長への取材は終了。
最後は、沖縄の金ちゃんヌードルファンへ、感謝の気持ちを伝えてくれました。

私は単純な人間なので、この取材でこの感謝の言葉を聞いたのと、社長自ら取材を受けていただいたことで、金ちゃんヌードルの大ファンになりました。
この取材以降、カップ麺を食べる時は、ほぼ「金ちゃんヌードル」を選んでおります(笑)

あと、Wikipediaの記述。
「沖縄県では、日清食品のカップヌードルよりも先に進出したこともあり…」
という内容は間違っているそうですよ。誰か訂正をお願いします。

…と、無事に「金ちゃんヌードル」メーカーの徳島製粉さんにお話を聞けたところで、前篇は終了。
後編は、沖縄唯一の「金ちゃんヌードル」の代理店、許田商会さんにインタビューです!
お楽しみに!!

後編はこちらから

月間ベストワースト記事投票実施中

関連する記事

フォローしたらいいことあるかもよ

DEEokinawaの新着記事や裏話、面白写真などが毎日届くかもしれません。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

Copyright©DEEokinawa All Rights Reserved.
このウェブサイトに掲載のイラスト・写真・文章の無断転載を禁じます。すべての著作権はDEEokinawaに帰属します。

ページのトップへ