沖縄人名泡盛カクテルを生み出したい

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リウボウ商事から「比嘉」など沖縄名字を冠したユニークな泡盛カクテルが発売されている。ならば私たちも沖縄名字を使ったカクテルを考案してみたい。

この度沖縄唯一の百貨店でもあるリウボウのグループ会社のリウボウ商事から「泡盛カクテル」が発売されました。

その名も「比嘉」「金城」「仲村渠(なかんだかり)」というなかなかのパンチの効いたネーミング。

「比嘉」は厳選されたコーヒー豆を泡盛に漬け込んだコーヒー泡盛。「金城」はタンカン、ミント、ゴーヤーのサングリア。「仲村渠」はトマトやセロリ、唐辛子を使ったサングリアとなっています。


全然味の想像ができなかった「仲村渠」。こんな泡盛の飲み方があるとは!

記事を書くにあたってサンプルをもらったんですが、これがめちゃくちゃうまいのです。泡盛って独特の癖があってちょっと飲みづらいイメージがありますが、ぜんぜん癖がなくサラサラ飲めてしまいます。

「仲村渠」なんて完全にパスタの匂いなんですが、それがこんなに泡盛に合うなんて衝撃的でした。

コーヒー泡盛「比嘉」もよくある泡盛のコーヒー割りではなく、泡盛にコーヒー豆を漬け込んだ商品だそうで。しっかりとしたコーヒーの味が。バニラアイスを浮かべて飲むのもおすすめということで、やってみたのですがアイリッシュコーヒーの如き味わいで本当に癖がありません。

商品ラベルには擬人化されたおすすめコメントもついています。この泡盛の擬人化という試みには、現在の泡盛は癖があるというイメージだけが先行してしまっている泡盛のイメージを変えたい。泡盛といわずに、沖縄が伝わるような言葉を使って手に取ってもらいたいというコンセプトがあるそうです。


「金城」はタンカンの香りがすごい爽やか。後味のゴーヤーの苦みもあってすごくスッキリ飲める

こりゃすごいや。と泡盛カクテルを飲みながら僕は考えました。我々も沖縄の人名を冠したカクテルを作れるのではないかと。そしてあわよくばリウボウ商事さんに商品化してほしい…!

コラボ企画

リウボウ商事
リウボウ商事
「比嘉」「金城」「仲村渠」は以下のリンクから購入できますよ!
https://maison-okinawa.com/pages/awamori-cocktail

 

人名泡盛カクテルの誕生秘話を聞く

そんなわけで、やってきたのは那覇市久米にある会員制の泡盛専門バー「泡盛倉庫」。

お相手頂いたのは今回の泡盛カクテルを監修している泡盛コンシェルジュの比嘉康二さん。比嘉さんといえば色々なところで泡盛に関する情報を発信しているだけでなく、2013年に休業してしまった宮古の「千代泉酒造所」にわずかに残った泡盛を復刻するプロジェクトに関わっていたりと泡盛に関する様々な活動を行っています。実はDEEokinawaにも寄稿してもらったりもしているので記事を探してみてください。

まずは泡盛カクテルについて話を聞いてみたいと思います。

本日はよろしくお願いいたします!
まずは今回リウボウ商事さんの泡盛カクテルを監修した経緯を教えて下さい。
もともとリウボウさんは世界中のいいものを、自分の足で見つけてきて自分たちのものにカスタマイズしてミックスカルチャーして出すということをされています。
その中で次は逆に沖縄から世界に、特に泡盛を自分たちなりのプロデュースのやり方で広められるのではないかということで声をかけてもらいました。

泡盛サングリアって初めて聞きました。

実は泡盛って時代時代にあわせて進化している多様性のあるお酒なんです。泡盛倉庫で提案しているおいしい飲み方のひとつに30度の泡盛に旬の柑橘やゴーヤーなどを漬け込んだ「泡盛サングリア」があったんです。
そもそも泡盛は保存性が高いし、ベースはお米じゃないですか。お米ってそこまで香りが強くないんですよ。香りが強くないからいつも染まりやすいっていう傾向を持っているんですね。なので漬け込むお酒としてもすごく向いています。
そこで、今回の話を頂いた時にカクテルというよりは、お酒に素材を漬け込んだサングリアという感覚で提案できたらなという形になりました。

商品になるまではどれくらいかかったんでしょうか?
半年以上かかりましたね。どうしても、製品化するには審査基準やボトリング工場とか製造ラインとか色々あるのでハードルが高いんですね。
味についても「金城」は最初はちょっと苦味が足りないなと思って。どうにかして苦みを増やせないか、とお願いしたりもしました。「仲村渠」の方は唐辛子が入っているんですけど、最初は思ったよりも唐辛子が利きすぎていてどんどん減らして調整したりということもありました。
苦労もありましたけど、そういったのも楽しかったですね。


泡盛につけ込むものとしてこれがおすすめってありますか?
圧倒的にまずは柑橘系ですね。泡盛って細かい話は置いておきますが製法上重く甘く感じやすいんです。だから甘い果実よりは、柑橘系の爽やかさがあっています。
あとハーブなんか最高ですよ。沖縄は実はあまり知られてないですがハーブ天国ですからね。ハーブだけじゃなくて柑橘とハーブとか、それにアクセントで甘い果実とかがおすすめです。

商品化された泡盛カクテル、どれも衝撃のうまさでした!
泡盛サングリアって別に難しいことをしているわけではないので、皆さんもご自宅で作ってみてもっと楽しくワクワクして泡盛を飲んでもらいたいと思います。
ただ、もちろん自分で作るにはハードルが高いし、泡盛倉庫に来るのははハードルが高い。
そういった方にこの泡盛カクテルがキャッチーな入り口となって楽しんでもらえればよいですね。

素敵ですね!ありがとうございます!

コラボ企画

リウボウ商事
リウボウ商事
記事では割愛していますが、本当はもっと沢山話を聞きました。泡盛に関する話、すごく面白かったです。
https://maison-okinawa.com/pages/awamori-cocktail

 

比嘉さんに人名泡盛カクテルを提案しよう

開発秘話が聞けて、当初の目的を忘れそうでしたが今回の目的は我々が開発した人名泡盛カクテルを比嘉さんに飲んでもらうこと。むしろここからが本番です!

トップバッターはこちら

泡盛の水割りに月桃の葉を入れました。そう…この沖縄人名泡盛カクテルは

桃原(とうばる)でございます。沖縄で桃といえば月桃。月桃の爽やかな香りと共に泡盛をお楽しみください。

これは月桃の香りがいいですね。月桃の葉がマドラーみたいになってますし、これはこれで楽しいですね。
それこそ月桃の香りがよいので少し冷やしてカーサームーチーと合わせるのがいいかもしれません。泡盛は甘いものと相性がよいので、ここに甘さがない分、食べ物に甘さをつけてカーサームーチーと食べたら、ダブル月桃ですね。

続いてはハイビスカスエキスを使って、泡盛+水+ハイビスカスエキスを混ぜました。こちらの泡盛カクテルは…

花城(はなしろ)です。見た目に綺麗なハイビスカスレッドと酸味を泡盛に合わせました。比嘉さんどうでしょうか!

これはどちらかといえば氷を入れた方がいいですね。香りはそこまで感じ無いですね…おお。酸っぱい!
ローゼルとか、ハイビスカスって酸味が特徴なので香りはそこまで強くない。そこからするとやっぱり酸味と甘みがすごく泡盛にプラスされているので、あとは香りを入れたほうがよいかもですね。桃原よりも一気にカクテルっぽくなりました。

次に用意したのはフーチバーエキス。

泡盛+水+フーチバーエキスにさらにフーチバーを添えて。

こちら宮城(みやぎ)です。なぜ宮城かといえば、フーチバーといえば山羊汁の薬味として有名です。ヤギ=みやぎ…完全にダジャレになってきました。

個人的な話ですけどこの宮城は「わたるがぴゅん!」の宮城だと思うんですよ。キャラクターが出来上がっている感じがします。
ん?いいんじゃないですかね。お茶っぽいニュアンスがありますね。このフーチバーエキスが甘ったるいものではないのもよいですね。タンニンとか渋みがあると色が進むんです。
ただ、もう少し苦みなんかの個性があった方が料理にも合いますね。もっとヨモギエキスを入れて、お湯割りでもよいかと思います。あと名前は宮城じゃなくて、屋宜(やぎ)で良かった気もしますね(笑)。

意外な高評価を頂いたところで、ラストはこちら。

泡盛の水割りにガリガリ君ソーダ味を突っ込みました。皆さんこの泡盛の名前は分かるでしょうか?

そう。泡盛にアイスキャンディーが入っているので、喜屋武(きゃん)でございます。チューハイでありますよね。この飲み方。

この中で一番カクテルっぽい冷たさですね。香りがあります。キャンディの香りですね。泡盛は甘くなりやすいっていいましたけど、かなり甘いですね。これは泡盛を濃くしたら良かったですね。泡盛の濃さで甘さを抑えられるんです。もうロックに混ぜてシャーベット的な飲み方でも良かったかもしれません。ちょっと失礼して…


アイスキャンディーを取り出して


泡盛をつぎ足して


花城のハイビスカスエキスを追加


さらに月桃の葉を追加

喜屋武さんと花城さんと桃原さんを結婚させてみました。3世帯ということで(笑)。どうでしょうか?


すごい!めちゃくちゃ美味しくなってる…!
カクテルって見た目、香り、味わいから成り立っているんです。それをベースにして考えると最初の桃原が香りはあるけど見た目はただの泡盛ですよね。次の花城は見た目のルビーの色と酸味、甘みが相まっていますが、香りがありませんでした。最後のアイスキャンディーはえ?という感じだったので足りない要素をみんなで補おうと。沖縄っぽい、ユイマールですね。
意外といけたのがフーチバーでした。お茶っぽいということで、これは山羊汁専用という形で出しても面白いのではないかと思いました。

なるほど…奥がふかい…。

 

コラボ企画

リウボウ商事
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桃原・花城・喜屋武(3世帯)は製品化できるのでは…!と思いましたがアイスキャンディーはどうしよう。
https://maison-okinawa.com/pages/awamori-cocktail

 

新たな沖縄人名泡盛カクテルは生まれなかったけど

という訳で泡盛倉庫に持ち込んだ我々考案の沖縄人名泡盛カクテル。製品化には全く及ばなそうな感じでしたが、そんなことより我々のキラーパスにも的確なコメントを返してくれる比嘉さんの泡盛超人っぷりが際立つ結果となりました。

正直、インタビューで今回の泡盛カクテルについてお話を聞いたあたりからこんな提案をしてよいのだろうかという思いで脇にじっとり汗をかいていました。

そんな比嘉さんのこだわりが詰まった泡盛カクテル。冒頭でも書きましたが、コラボ記事ということを抜きにして本当に今までの泡盛感がひっくり返るような味わいです。

県内ではこちらのマップから、県外からもネットショップから購入できますので、気になった方はぜひ飲んでみてください。個人的には仲村渠がおすすめです!

 

取材協力:
泡盛倉庫
〒900-0033 沖縄県那覇市久米2-8-14 久米八番館4F
https://www.awamorisouko.jp/

コラボ企画

リウボウ商事
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パッケージもユニークなのでお土産やちょっとした贈り物にもよさそうです!
https://maison-okinawa.com/pages/awamori-cocktail

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