沖縄の土壌の美容効果を測定してみる

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沖縄の中南部にしかない粘土質の泥岩「クチャ」は泥パックとして商品化されている。それでは沖縄の他の土にも美容効果があるんじゃないのか。

沖縄の土が美容パックに

DEEokinawa読者の皆様は沖縄の代表的な土壌をご存じでしょうか。

沖縄の島々は大きく分けて沖縄本島北部地域を中心に分布する赤土の「国頭マージ」、沖縄本島中南部及び宮古島を中心に分布する「島尻マージ」、沖縄本島南部地域を中心に分布する「ジャーガル」という3つの土壌に分かれているのだそうです(土壌の分布についてはこちらに地図があります。)。

そして、ジャーガルの元になっている灰色の粘土質の土、これを「クチャ」といいます。

並ぶクチャ製品
キレイにならクチャ。ダジャレだ。

クチャについては、泥パックとして有名ですよね。クチャは沖縄の中南部にしかない粘土質の泥岩で、ものすごい細かい粒子のため泥パックとして注目されているのだそうです。沖縄でそこらかしこにある土がが美容製品になる…これってものすごい錬金術だと思いませんか?

では、沖縄の他の代表的な土壌には美容効果はないのでしょうか?

というわけで、今回は沖縄の代表的な土壌を集め、その美容効果のほどを確かめてみたいと思います。

 

まずは土を集めよう

それではまずは土を集めに行きましょう。

宜野座村。赤土の畑
そのあたりの断層の土も赤い。

まずは「国頭マージ」を採取しに宜野座村に。沖縄県北部の土は国頭マージとよばれ、土壌は酸性~強酸性、水が浸透しにくいという特長があるそうです。国頭マージで育つ主な作物はサトウキビ、パインアップル、柑橘類、茶だそうで、そう考えたら北部地方ではパイン栽培などが有名ですよね。

 

残波岬。
このあたりの土は「島尻マージ」らしい

続いて「島尻マージ」。島尻というだけに糸満市や南城市に分布している赤土らしいのですが、ちょっと場所がよく分からなかったので確実に分かりそうな場所に行くことにしました。沖縄県中部の恩納村にある残波岬は島尻マージであるという本を読んだので、残波岬付近で土を採取。土壌は弱アルカリ~弱酸性。水はけが良く、人参やジャガイモなどの栽培に適しているのだとか。

 

前に傘やった公園。
ここで露出している土が「ジャーガル」

「ジャーガル」については沖縄の中南部そこらかしこにあるらしいのですが、はっきりジャーガルという場所が見つからず、カニ豆腐の時にお世話になった沖縄市郷土博物館の川副さんに場所を聞きました。ジャーガルは灰色の土壌で沖縄の中南部に分布、中性から弱アルカリ性でサトウキビや野菜などが育てられているのだそうです。

 

クチャの地層
石ころみたいなやつがクチャ。

ついでに川副さんにクチャについても分けて頂きました。クチャもジャーガル同様沖縄の中南部に分布していて粘土質なんですが地層が露出したところではカチカチの石みたいな状態になって転がっているのだそうです。市販のクチャは粉末状になっていますが、この石状のものを細かく砕いているようです。

 

というわけで土が揃いました。左から「ジャーガル」「島尻マージ」「国頭マージ」「クチャ」です。これを使ってそれぞれの美容効果について検証してみたいと思います。

 

美容効果の測定方法

それではまずは市販のクチャを使って、今回の「美容効果」の測定方法についてご説明します。

僕が手に持っている機械ですが、肌に押しつけることで肌の水分量、油量、柔軟性を-5から+5までの11段階で示してくれるというものです。
水分量、柔軟性は数値が多いほどよくて、油分量は0に近いほどよいそうです。今回はこの数値の変化で「美容効果」について測定をしようと思います。

クチャを使う前の値僕の肌状況ですが

水分量:+1
油分量:+5
柔軟性:+1
でした。もうおっさんなので油分が多いのは勘弁してください。

市販のクチャを水に溶かす
泥パック

市販のクチャにはクチャ以外に月桃などの成分が入っていてややお肌に優しそうです。顔に塗った泥は大体5分くらいではカピカピになって顔が引きつれます。

泥を洗い落としてもう一度測定してみましょう。泥を洗い流すと、何だかお肌はものすごいツルツルになった気がします。

市販のクチャの結果
水分量:-2(-3)
油分量:-2(-7)
柔軟性:-2(-3)

括弧の中は前回からの変化量です。油分がごっそりなくなってますが、水分、柔軟もなくなる、という結果になってしまいました。…この計器本当に大丈夫なんでしょうか?

 

国頭マージ

クチャの翌日です。連続して泥を塗っても正しく計測できないと思うので、これから毎日顔に泥を塗っていこうと思います。というわけで、今日は国頭マージを試してみることにします。

まずは肌チェック。

水分量:-2
油分量:-2
柔軟性:-2

前回のクチャの結果そのままの肌状況です。

国頭マージ
顔色がおかしい

本日は宜野座より採取した国頭マージを顔に塗ってみます。クチャはクリーム状になってかなりキメが細かい印象を受けましたが、国頭マージはザラザラしていて若干塗りにくい印象を受けました。あと、どこかで嗅いだことのある臭いだと思ったんですが、これ小学校のグラウンドの土っぽいですね。

洗顔後、チェックをしてみます

国頭マージの結果
水分量:-2(±0)
油分量:-2(±0)
柔軟性:-2(±0)

…かわんねぇ。

 

島尻マージ

国頭マージから1日経ちました。本日は島尻マージです。

今日のお肌チェック。

水分量:0
油分量:+1
柔軟性:+1

よくわかりませんが、だんだん理想の肌に近づいているのかもしれません。

島尻マージ
国頭マージよりは白い

島尻マージも割と赤土っぽいのですが顔に塗って乾くとやや白くなるようです。塗り心地は国頭マージよりはマイルドな気がします。あと土臭い。市販のクチャに月桃成分が含まれているのは土臭さを打ち消すためもあるんじゃないかと思います。

それでは洗顔して結果を測定してみます。

島尻マージの結果
水分量:-3(-3)
油分量:-4(-5)
柔軟性:-3(-3)

洗顔後、「さっぱりした!」みたいに思ったんですが、計測の結果、皮脂とか水分とかお肌に大切なものをごっそり持って行かれたみたいです。

 

ジャーガル

皆さんついて来れているでしょうか?島尻マージの1日後です。今日はジャーガルで行きましょう。

まずはお肌チェック。

水分量:-3
油分量:-4
柔軟性:-3

先日持って行かれた油分とか水分が戻ってません。

ジャーガル
白い

ジャーガルはクチャを母材にしているだけあって、クチャっぽい質感です。クチャほどクリーム状の泥にはなりませんでしたが、顔に塗りやすいです。これは期待ができるかもしれません。

それでは洗顔後の結果を見てみましょう。

ジャーガルの結果
水分量:-3(±0)
油分量:-4(±0)
柔軟性:-3(±0)

かわんねぇ。

 

クチャ(天然)

いよいよ最終日です。ここまで読み進めて頂いた皆さん、僕の顔ばっかりアップでごめんなさい。

せっかく市販でないクチャを頂いたので天然物のクチャも試してみましょう。まずは肌チェック。

水分量:-4
油分量:-4
柔軟性:-4

…だんだんとお肌の調子が悪くなってきてるんですが気のせいでしょうか?

クチャ。岩みたい。
うん。白い。

天然のクチャですが、カチカチで石みたいです。水に浸けると表面がクリーム状になるのでそれを顔に塗ることに。これは初日の粉末クチャと感じは似ています(同じものだから当然だけど)。

果たして結果はどうでしょうか…?

クチャ(天然)の結果
水分量:-3(+1)
油分量:-4(±0)
柔軟性:-3(+1)

…うん。なんでしょう。微妙な結果に終わりました。なんかすみません。

 

そもそも根本がまちがっているんじゃないのか


……。

というわけで足かけ5日間に渡って顔に泥を塗り続けたんですが、だいたい油分は減るが、水分、柔軟性も奪われるという結果に終わってしまいました。

しかしながら、この原稿を書いていて思ったんですがクチャって微細な粒子で顔の汚れを取るみたいなことが謳い文句として書かれているので、毎日顔に塗るものじゃあないし、保湿などは別のものと併用するべきなんじゃあないのか…と。

とりあえず実験の結果で行きますと市販のクチャと島尻マージで最も効果が見られましたが、これが美容効果なのかよく分かりません。美容に詳しい方のアドバイスをお待ちしております。

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