2013.12.09

【大人の社会見学】沖縄電磁波技術センター

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恩納村のキビ畑の真ん中にポツンと建つ「沖縄電磁波技術センター」。いったいどういう施設なのか、なにがあるのか、一般公開イベントがあったので調査してきました。

みなさんは恩納村に「沖縄電磁波技術センター/沖縄亜熱帯計測技術センター」という施設があることをご存知でしたでしょうか?
私はこれまでその存在をまったく知りませんでした。

しかも電磁波技術とはいったいナンゾヤ・・・?

というわけで先日新聞で「沖縄電磁波技術センター/沖縄亜熱帯計測技術センター」が施設の一般公開を行うという記事を発見したので、どういった施設なのか、なにがあるのか、調査がてら遊びに行ってきました。
 

キビ畑の真ん中に突如現れる電磁波技術センター

代表的な沖縄の観光名所のひとつである、万座毛に向かう道の途中を左に折れキビ畑のなかをずんずん進んでいきます。

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ずんずんずんずん、ずんずんずんずん・・・。行けども行けども広がるキビ畑。
と、だんだん不安になってきたあたりで、キビ畑の向こう側に白くて丸い構造物が。

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その方向に向かって車を走らせると、今回の目的地である「沖縄電磁波技術センター/沖縄亜熱帯計測技術センター」の正門にたどり着きます。シーサーがお出迎え。

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沖縄電磁波技術センター、略してNICT(ニクト)。
※NICTは「独立行政法人 情報通信研究機構」の略称であり「沖縄電磁波センター」の略称ではありません。(2013.12.16 訂正)

キビ畑の真ん中にあるには意外な、ものすごくきれいで立派な建物が目の前に現れます。
センターの開所は平成14年4月14日。来年で開所10周年を迎えます。

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建物は2F建て。案内図を見ると、どうやら研究室や展示室、セミナー室などがある様子。
この日は一般公開日なので、ロビーや研究室を利用して一般客向けの様々な展示物やイベントなどが用意されていました。
 

その道のマニアにはたまらない展示物

そもそも、このセンターはいったいなにをしているところなのでしょうか?

ウェブサイトによると、地球温暖化をはじめ地球規模の気候変動に大きく寄与する大気・海洋の相互作用のメカニズムを解明するために、3種類の電波センサーを研究開発するとともに、亜熱帯海洋性気候帯を中心とした大気・海洋観測を行っている施設とのこと。

・・・わかるようなわからないような説明なので、とりあえず施設内をいろいろ見てみることに。
ロビーを暇そうにブラブラしている研究員さんが、展示されている機械類などをものすごく丁寧に説明してくれます。

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ロビーに展示されていたこの巨大な機械は、世界初の衛星搭載降雨レーダーであるTRMM/PR(熱帯降雨観測衛星搭載降雨レーダ)のエンジニアリングモデル。エンジニアリングモデルとは実際に打ち上げられるものと同じ設計で製造されたものだそうで、振動や音響試験などを行い、ロケットの打上げ時、衛星軌道上での環境に耐えられるつくりになっているかの確認を行うために製造されたものだということです。

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ちなみにそれよりも個人的に気になったのが入り口に置かれた開所記念の泡盛。
いったい何年分あるんだろうか・・・。ごくり。

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合成開口レーダーで撮影された沖縄県の衛星写真のパネル展示も。光を使った普通のカメラとは違い、雲などに影響されずに鮮明な画像を取得することができるんだとか。
 

体験コーナーも各種あり

ラジオの基板組み立て体験コーナーがあったのでやってみました。

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来場者が少なく暇だったのか、職員の方が代わるがわる数名がかりでものすごく親切丁寧に説明してくれます。
ラジオの組み立てなんて小学校の図工の時間以来だったので思わず熱中。ハンダ付けが得意でした。

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恩納村の端っこという場所柄、組み上がったラジオは室内だと電波が届かず聴こえなかったのですが、外に出てみるとばっちりクリアに聴こえました。ちょっとウレシイ。

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こちらはちびっこが楽しめるぬりえコーナー。

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ぬりえのイラストは気象衛星やパラボラアンテナが描かれているオリジナルが数種類ありました。

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そして個人的にこの日の目玉として注目していたのが、南の島でオーロラ体験!
沖縄でオーロラが見られるなんてこの日この場所ぐらいではないでしょうか。

これがオーロラの実験装置。真空状態にしたガラスケースの中を宇宙空間、ガラスケースの底のシルバーの半球を地球の表面と見立て、増幅させた強い電流を走らせると・・・

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出た!!!!!
ガラスケースのなかで光る幻想的な紫色の光が人工オーロラ。

・・・わりと期待していただけに、装置が小さくオーロラも一瞬だったのでちょっと肩透かしでしたが、オーロラが発生する原理などを分かりやすく説明してもらえたのでそれなりに楽しめた気がします。この冬はオーロラのアタリ年と聞くし、カナダあたりに本物を見に行きたいなぁ。

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ガーガーピーピー音をたてていた無線の機械。

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屋外には現在試験運用中だという巨大なパラボラアンテナが。
 

屋上の雨量計の説明が秀逸

職員の方が建物の屋上に設置されている雨量計や風速計などの説明もしてくれたのですが、これがものすごくわかりやすくて今回の一般公開イベントのなかでいちばん面白かったかもしれません。

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ししおどしの原理で雨量を図る雨量計。

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風速計。

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「台風」を何故か皿回しで実演中。

沖縄の天気は予測が難しく気象予報士泣かせだとよく聞きますが、このセンターで収集している様々な気象データを蓄積・解析することで、将来的に精度を上げていくことができるのかもしれません。
 

訪問記念はタイフーンショットで決まり

最後に常設の展示室を覗き見。模型や映像などを使った気象や沖縄の気候などに関する資料などが展示されています。

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なかでもおすすめなのが、このタイフーンショット。

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いわゆるプリクラなのですが、なんとここだけのオリジナルフレームがあるのです。
普通に施設名や施設の写真が入っているものから、横転トラック倒木車水没などのシュールなフレームもあって来場者から大人気でした。

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さらに操作パネルの横には見慣れぬ「暴風スタート」ボタン。これを押すと・・・

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カメラの上部に設置された吹き出し口から風が吹き出す、というここならではのアツい仕掛けが。

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記念に横転トラック倒木のフレームで一枚撮っておきました。

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アンケートを記入し記念品のホワイトボードとお箸をいただいて終了。

なんだかんだで二時間ほど滞在してじっくり施設内をまわることができました。
ものすごくカタイ施設名からちょっととっつきにくいイメージですが、職員の方がものすごくフレンドリーで丁寧に説明してくれたり、人工オーロラなど珍しい体験ができたりといろいろ楽しめました。訪れていた小さな子どもたちも興味津々で資料に見入っていたり、説明に聞き入っている様子でしたよ。

毎年11月頃に一般公開イベントが開催されているようなので、気になった方は是非足を運んでみられてはいかがでしょうか。
※一般公開日以外でも常設展示室に関しては常時見学することができます。(2013.12.16 追記)

とりあえず、タイフーンショットはかなり楽しいのでおすすめです。

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