2014.06.23

沖縄の伝統"組踊"のフェイスパックを作ってみる

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去年、歌舞伎の隈取を模したフェイスパックが発売され、2日で完売になるほど一部巷で人気らしい。そこで、組踊のフェイスパックができないか、やってみました。

去年、歌舞伎の隈取を模したフェイスパックが発売され、2日で完売になるほど一部巷で人気らしい。同製品は歌舞伎俳優の市川染五郎氏が監修を行い、数ある歌舞伎の隈取の中から定番で人気が高い赤い隈取『暫(しばらく)鎌倉権五郎景政』と、青い隈取『船弁慶(ふなべんけい)平知盛の霊』の2種類のデザインが入っています。

東急ハンズで購入してみましたけど、やっぱりインパクト有りますね!寝ている子供もギャン泣き必至です。

2枚入り880円。
思わず寄り目にしたけど、こんな姿を、ネットに流して良いものか…。

この商品を見て思ったのですが、沖縄の伝統芸能に「組踊(くみおどり)」というものがあります。

組踊とは、せりふ、音楽、所作、舞踊によって構成される歌舞劇です。首里王府が中国皇帝の使者である冊封使を歓待するために、踊奉行であった玉城朝薫が琉球古来の芸能や故事を基礎に、能や狂言、歌舞伎といった大和芸能や中国戯曲にヒントを得て創作したもので、1719年尚に初演されました。

宮廷芸能として発展した組踊は、琉球処分後に職を失った士族たちが市井の舞台で上演したり、地方に伝播するなどして、庶民の娯楽として広がったということです。

沖縄戦による存亡の危機も乗り越え、約300年も演じられてきた組踊は能楽や歌舞伎、人形浄瑠璃文楽と同じように国指定重要無形文化財です。さらに、ユネスコの世界遺産「人類の無形文化遺産の代表的な一覧表」にも記載されました。

歌舞伎ほど派手ではありませんが、現在は組踊でも白粉でしっかりとした舞台化粧をします。組踊に登場する成人男性は、その身分によって化粧[隈取(くまどり)]などが異なり、最も身分が高い按司の場合、権威や威厳を示す化粧を施すのが一般的です。伝統的な組踊は、男性のみで演じられるので、女性の役も男性が務めます。

ということでこの歌舞伎メイクのフェイスパックの沖縄版、組踊フェイスパックをつくろう、というのが本日の内容です。

 

モデル探し

それではまずはフェイスパックに描く組踊のモデルを探します。
やはり組踊の隈取といえば、組踊の演目中でも最も有名な「玉城朝薫五番」の一つ「執心鐘入(しゅうしんかねいり)」の鬼女でしょう。

「執心鐘入」は能のいわゆる「道成寺物」が元になっていて、あらすじは次のとおり。
美少年中城若松が、旅の途中に宿を求めた家の女に言い寄られ、怖くなって逃げ出します。怒った宿の女は、末吉の寺まで若松を追いかけ、若松が隠れている鐘にとりつき、鬼女に変わってしまいます。若松は逃がされ、鬼女は寺の座主や小僧たちに静められて消えていく、という、空気の読めない自意識過剰な男とストーカー気質な女のお話です。
般若面を被った鬼女が吊り上げられた鐘から、逆さ吊り状態で上半身をのけ反らせながら出てくるシーンが見せ場の一つですが、鐘に入る前、舞台上で隈取を描きます。
宿の女のきれいな顔が鬼女に変わる直前、怒り心頭な表情を作るため、目や口をつり上げ、頬に赤いラインを入れます。

今回は、モデルとして組踊立方(たちかた)の佐辺良和さんにご協力いただき、「執心鐘入」リハーサル直後の楽屋にお邪魔しました。


こんな企画のために、化粧直しまでしてくれました。

いつもお美しい佐辺さん。鬼女役も素敵です。


快く撮らせてくれる懐の深い佐辺さん。

この化粧をお手本にして、フェイスパックにお絵かきしたいと思います。

 

制作開始


見本を見ながら塗っていきましょう。

準備する物は、自分で化粧水を染み込ませて使うタイプのフェイスパック、アクリル絵の具、しっとり系化粧水、ビニール袋。


下書きは面倒なのでフリーハンド。

フェイスパックは乾いていますが、絵の具を溶く水の量の調整次第で、のびが悪かったりにじんだり、なかなか描きにくいです。


「鬼女」完成。


結構近いんじゃないでしょうか?

 

次は、悪役っぽい役柄として、「護佐丸敵討」の「阿麻和利(あまわり)」の化粧をモデルにします。

「護佐丸敵討」又は「二童敵討」という先程の「執心鐘入」と同じ玉城朝薫作、敵討物の名作です。タイトルには護佐丸とありますが、阿麻和利に父(護佐丸)を殺された息子達が、父の敵を討つまでを描いた仇討ち物語です。

直近に公演がなくてモデルを探せなかったので、過去の公演のチラシ写真を見ながら描きます。


チラシの上の写真が「阿麻和利」。


ヒゲと眉がチャームポイント

完全に乾かします。


「・・・・」

続いて、乾いたマスクを折りたたんでビニール袋に入れて、たっぷり化粧水を入れて浸します。

絵の具がにじみませんように・・・。
しばらく浸して取り出してみる。

と、感触もかなり市販のフェイスパックっぽい。

 

「鬼女」と「阿麻和利」になってみる

いざ、「鬼女」を装着します。

正面ドーン。
横ドーン。

…何でしょう、歌舞伎ほどのインパクトが無いような。
本家の商品と比べてみると、歌舞伎の隈取では血管を表しているという赤い部分が少ないせいでしょうか。

「鬼女」になったつもりが、何かが違う。

安物のフェイスパックを買ったからか、余る部分が多くてフィット感もイマイチです。
「成功」はしたけど、記事として「正解」なのかわからない。

衣裳を着ていないからかなー、と己を納得させることにします。

 

次に、「阿麻和利」をつけてみます。

サイズが大きいんだよなー。
「出ようちゃる者や 勝連の阿麻和利(まかり出たる者は阿麻和利だ)」

サイズが合わないことを除けば、見た目はいい感じで怖いです。
「鬼女」よりインパクト有りますね。
「阿麻和利」というより泥棒っぽいです。

そういえば、アクリル絵の具って肌にはやさしいのだろうか?そんな不安は気にしないことにします。

使用感は市販のパック同様に保湿効果があって、つけた後はしっとりお肌になったと思います。


くつろいでみたら、

旦那からドン引きされました。

 

お肌は潤った

結果として、ちゃんと組踊フェイスパックができました。
でも、機能としては充分ですが、面白みという意味では物足りなさを感じます。
そもそも組踊で派手で特徴的な化粧ってあまり無いのかも。
決してモデルが悪いのではなりません、私が力不足なのが悪いのです。
そして組踊は面白いのです。(フォローできてますか?)

作っている時は、「量産化できるんじゃね?」とほくそ笑んでいたのですが、
商品化は無理ですよね。
もろパクリですからね。
そうですよね・・・。

でも、日差しの強い沖縄で保湿は大事。個人的に楽しむのはアリだと思うので、皆さんもいつもと違った保湿ケアをしたい時に、試してみてはいかがでしょうか。
ただし、その姿を人に見られた場合、何かを失うかも知れませんが、DEEokinawaは責任を持ちませんのであしからず。

ゲストライター

AYA
プロフィール:生まれも育ちも沖縄本島。県民に多い苗字ベスト3入りする苗字だったのに、九州出身の旦那をもったばかりにイチイチ説明が面倒くさい苗字に。殺人事件が起こるドラマが好きでしゃべる機械キャラ萌え。
 
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