オキカ(OKICA)で改札を一番に通りたい

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10月20日からプレオープンでゆいレールで利用できるようになった交通系ICカード、オキカ。オキカで一番始めに改札をくぐったら歴史に名を残せるんじゃないだろうか。

沖縄交通ICカード、オキカが始まるぞ

皆様は先日ご紹介した「ゆるキャラのタンカーユーエーを見てきた」でもちらっと出てきたオキカについて覚えていらっしゃるでしょうか?


疑惑のタンカーユーエーPR

オキカはゆいレールと沖縄本島のバス4社で使える交通系ICカードで10月20日からバスに先行してゆいレールで使用できるようになりました。あんまり告知もされてないような気がするんですが、これって結構エポックメイキングなことですよね。

多分沖縄の歴史に残るであろう、このイベントを前に僕はふと思ったのです。

「オキカで真っ先に改札をくぐった人」
になれば歴史に名を残せるんじゃないかと。

そう。本日は「オキカで改札を一番最初に通る」という偉業(?)に挑戦しよう、という記事です。

 

まずはオキカを先んじて手に入れたい

オキカで改札を真っ先に通るためには当然オキカを購入する必要があります。しかし、当日ライバルがひしめく中で素早くオキカを購入できるのでしょうか?

そう考えた僕は、まずはライバルに先んじてオキカを手に入れるため、プレオープンを控えた10月17日にオキカを手に入れるためにゆいレール小禄駅にやってきました。

ちらっとネットで聞いた情報ではどうやら現在改札と発券機の入れ替えが行われているというのです。

改札工事中
その間切符は駅員さんに手渡しに

情報の通り、ゆいレール小禄駅では改札工事の真っ最中でした。

この切符を入れる型の改札ももうなくなると思うとちょっと感慨深いですね。

発券機も1台を残して調整中に。この発券機がオキカが買える仕組みの発券機に変更される模様です。

そして運ばれる巨大な機械。これがひょっとしたら新しい発券機…?

と、改札と発券機の工事をウロウロしながら見ていたら、「何してるんですか?」と声をかけられてよくよく聞いてみたらオキカの導入を進めている沖縄ICカード株式会社の方でした。せっかくなので発券機の準備が整うまでオキカについて色々話を伺ってみたいと思います。


沖縄ICカード株式会社高嶺さん。顔出しNGとのことですのでオキカロゴ乗せておきました。

― まずそもそもの話なんですが、オキカってどうやって始まったんですか?

はい。もともと沖縄県で「沖縄県公共交通活性化推進協議会」というものがありまして、今の車社会から公共交通をもっと使ってもらえるようにシフトしようというものなのですが、その一貫として交通系ICカードの導入という話が決まったんです。そこから県内のバス会社4社とゆいレールのあわせて5社で2013年11月二会社を設立してスタート、今回のプレオープンまでやってきました。

― プレオープンということですが、今後の予定はどうなってるんでしょうか?

10月20日のプレオープンでは那覇空港駅以外の駅ではゆいレールの改札の半分をオキカ対応に変更、10月30日には全ての改札がオキカ対応になります。バスで利用できるようになるのは2015年春予定ですね。現在はカード型のオキカだけですが、バスに導入されるタイミングでフィギュア型ICカードの導入も予定されています。


お話を聞いている間に古い発券機が取り外されていった。

― オキカといえばSUICAと連動してないんですが、これってどういう理由からなんでしょうか?

まず一つは開発費と年間コストの問題があります。SUICAと連動することで開発費で2倍、年間コストが4倍に膨れてしまうんです。そうなると年間かかるコストは億を超えてしまいます。この事業の導入は県から8割の補助を受けてやっていますがランニングについてはなんとかしないといけない、現在車社会の沖縄でまかなうには交通事業者だけでは体力的に続きません。そのあたりのメリットデメリットをひとつひとつ検討した結果、SUICAとは連動しない独自システムを採用することになりました。

また、SUICAと連動すると駅やバス停を増やす場合には申請をしないといけないのですが、その申請を変更の2年前に行わないといけません。沖縄だとバスがメインになってくると思うので、そのあたりの対応がやりにくいというのも理由のひとつですね。

さらにこれも沖縄特有だと思いますが、沖縄には色んな割引の券種があるんです。例えばゆいレールでいったら、『おとなりきっぷ』という隣駅までの割引だったり、『十五の春』という高校未設置の県内離島を卒業した学生向けの割引だったりですね。そういった細かな割引にも柔軟に対応するためには独自のシステムが便利だったというのもあります。

それに、先ほど少し触れましたフィギュア型ICは、交通系ICカードの中では初導入となっているんですね。これは独自規格なので、作ることができるんですよ。


オキカのパンフ。利用額に応じてポイントがつく仕組みらしい。
ゆいレールでは利用額に応じて10〜15%の還元が受けられるとのこと。

― 今後のオキカの展開について教えて下さい。

来春のバスへの導入もそうですが、これからしばらくはオキカが使えるところを増やすという段階ですね。ゆいレール、バスだけでなくタクシーや観光施設でもオキカが使えるような展開ができればと思っています。あと、これは沖縄特有かなと思うんですが、船舶。こちらでも使えるようにということもできるかなと思っています。 沖縄本島はもちろんのこと、離島もカバーしていきたいですね。
オキカ1枚で沖縄県内であればどこでも行けて、どこでも使えるみたいなことができて沖縄県内限定のカードだけど、便利だよね、みたいな形になれば一番よいと思っています。

また、まだ議論の段階なのですが、オキカに銀行のキャッシュカード機能を入れるなんて案もありますよ。


お話を伺っている間にいつの間にか発券機が新しく。

― 発券機が新しくなりましたね!早速オキカを買いたいのですが。

あ、今日改札と発券機は入れ替わってますけど20日までは買えないですよ。オキカ。20日の始発から使えるようになる予定です。

 

…なんということでしょうか。発券機と改札が入れ替わってもシステムなどの絡みで結局20日まで待たないとオキカは購入できないそうなのです。二時間くらい待ったのに…!


ちらっとオキカの絵は見えるのに。

もうこうなってしまったら当日に迅速にオキカを手に入れて、返す刀で改札を抜ける、という方法しかありません。

 

オキカで改札通過一番乗りを目指して

結局ぶっつけ本番になってしまいました。10月20日。プレオープン当日の那覇空港駅。ゆいレールの始発駅であるこの那覇空港駅で改札を一番に通ることができればオキカで改札を一番に通ったことになるんじゃないでしょうか。

始発は6時ちょうどなので、やや早めに来ています。

おはようございます。もうね。早く改札を通ってゆっくり家で眠りたいです。

最終確認作業
発券機はまだ使用できなかった。

プレオープン当日の始発ギリギリまで確認作業などが行われているようです。きっと改札を一番に通りたいという酔狂な人々がずらっと並んでいるんじゃないのか…そう思っていたんですが那覇空港駅には僕以外には誰もお客さん的な人は見当たりませんでした。


ライバルとか心配しすぎだったのか

6時が近づくと、作業をしていた人達も続々と帰っていきほとんど人がいなくなりました。

そしてついに誰も並ぶことなく、発券機が使えるようになりました。このタイミングを…逃さない!

まだ誰も居なかったので、余裕をぶっこいて名前と生年月日、電話番号を発券機に入力してオキカを発行します。個人情報を登録した記名式オキカは紛失時に再発行ができるようです。

無事オキカをゲットしました。この時点でも人はおらず。事前に小禄駅に行ったのはなんだったのでしょうか。

いよいよ改札を通ります。

ドキドキ…!

「ピッ」という音とともに…

一番に改札を抜けることに成功しました!

やったー!

 

そして伝説へ…。

その後那覇空港駅ではオキカ始動のセレモニーが行われ、川上好久副知事が改札をオキカで通るというデモンストレーションを行ったりしたらしいですが


セレモニーの様子。よく見たらみんなのかりゆしウェアもオキカ柄だ。

皆さん!オキカで改札を一番最初に通ったのは、わたくしやんばるたろうでございます!いずれ試験に出るかもしれないのでお忘れなきよう!

というわけで10月20日に始動したオキカ。始動前から「オキカは死んだ」とか散々な言われようですが、個人的には今後普及が進んでもっと生活が便利になればなぁと思っています。オキカは現在ゆいレール各駅の発券機で購入できますので、興味のある方は手元に1枚持っておくとよいと思います。

 

 

…とまぁ、ここまで原稿を書きましてこのまま筆を置こうと思ったんですが、この原稿を書いている今現在、僕は衝撃的な事実に気づいたのです。

それは…。

「反対側の首里駅の方が始発が12分早い」という事実です。

…それでも多分10位以内くらいには入ってると思うんです。もしも「俺の方が先に改札をくぐった!」という方がいらっしゃいましたら是非とも編集部にご一報くださいませ。枕を濡らします。

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