2014.12.01

沖縄県の最低峰に登ってみたい(前編)

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沖縄県の最高峰は526メートル、石垣島にある於茂登岳(おもとだけ)。では、沖縄で一番低い山、最低峰はどこなのだろう?探して、登ってみたい(注意:地図上の標高については、表記の問題もあるので、多少の誤差はご容赦ください)!

沖縄で一番低い山はどこだ?

この前、旅行本で「沖縄の最高峰、於茂登岳に登ろう」という記事があった。

なかなか面白い記事で、登ってみたいなあと漠然とは思ったものの、なんせ沖縄は暑い。
そして何より、私は体力にはまったく自信がないのだ。

その時に、ピンと閃いた!

沖縄で一番低い山なら、簡単に登れるんじゃないか、と。


沖縄県の最高峰は、石垣島にある於茂登岳(525.5メートル)

 

まずは、図書館で調べてみよう。

さっそく、沖縄の最低峰の調査を開始!!

まずは、近所の図書館へ。
「沖縄の山」みたいな本があって、まあ簡単に見つかるんじゃないの?
と軽い気持ちで。

さて、色々な本がありますが・・・目に付いた書籍を、片っ端からナナメ読み。

まずは、「沖縄万能地図」琉球新報社。


海邦国体開催記念出版というのが気になるが・・・

残念ながら、沖縄で一番低い山の記載はなし。

次は、「沖縄の風土記」新里図書。

移民の島、石垣島。
奇岩の島、伊計島。
ハブの島、藪地島。
原人の島、古宇利島。

島ごとのキャッチコピーが面白い。
でも、これにも沖縄最低峰の記事はないなあ。

次は、「うちなー観光教本」沖縄県コンベンションビューロー

おしい!
沖縄の高い山ベスト10の記載はあった!
でも、低い山については記載なし。

うーん、だんだん疲れてきたぞ・・・。

その他、関係ありそうな本の数々。

だんだん何を調べてるのか、分からなくなってきた。
途中からは、選ぶ本が迷走を始めてますね(笑)

で、どれだけ調べても「沖縄で一番低い山」の情報が・・・ない。
一番高い山はともかく、低い山はどうでもいい情報なのかも。

どうしよう、いきなりボツネタっぽくなってきた。。

 

国土地理院のHPの、圧倒的なデータ量。

本を調べてもダメだったので、今度は色々な本に付いていた地図に注目。

そうだ、本でダメなら、次は地図だ!
と、極めて普通のことを名案みたいに言って、気分を高揚させてみた(笑)

という訳で、国土地理院のHPで、地図から調べてみることに。


国土交通省国土地理院の地理院地図のHP。

漢字が多すぎて、何のことか分かりにくい!

そして地図も、種類が色々あったり縮尺が細かくあったりと、
どれを調べていいのかよく分からない。

このHPを見ると、山はどうやら三角点の存在が基準になってるようなので、
数あるメニューの中から、基準点配置図を調べてみることに。


基準点成果等閲覧サービス

「基準点成果等閲覧サービス」だって・・・
もう名前を見ただけでイヤになってくる。

三角点って、1等から4等まであるんですね。
勉強になります。
で、1等から4等まで、全ての三角点にチェックを入れてみると・・・

ウソ!?那覇近辺だけで、こんなにあるの!!

この全ての三角形が三角点。
三角の中の「Ⅰ」~「Ⅳ」が、1等から4等を表しています。

これを1個1個表示させて、標高を調べないといけないのか・・・
心が折れそう・・・

ちなみに、調べ方はこんな手順。


地図上の三角形をクリック!


近辺の三角点の一覧が表になって・・・


ご希望の三角点を選ぶと、地図が出て、標高も表示される。

恐ろしいまでに、地道な作業です。
これを沖縄本島だけでも、何百回とやることになりますね。

これなら、最高峰に登った方が楽だったかも・・・
という心の声を黙殺して、コツコツと標高を書き出す作業を続けます。

しかし、それにしても、キリがない。

 

三角点に対する不信感

そして、ここで新たな疑惑が。


泉崎の4等三角点が、標高2.3m(?)

沖縄本島の中だけでも、1mとか2mの、やけに低い三角点がたくさんあるのです。
日本で一番低い山でも、3~4mはあったはずなので、これは怪しい。

「三角点=山の頂上」ではないのかも!?

なんせ思いつきで始めた企画なので、私は山の専門家でもなければ、地理の知識があるわけでもないのです。

イヤな予感を持ちつつ、ここで初めてWikipediaにて「三角点」を調べてみると・・・。

三角点の値は、三角点の置かれた位置の値であり、
標高点もその山の山頂の値とは限らない。

との記載が・・・・。

どうやら、この方法でも沖縄県の最低峰は分からないようだ。。
もっと早く、Wikipediaで調べておけばよかった・・・。

激しく後悔するも、あとの祭り。

 

原点回帰、「山」とは何ぞや!?

どうやら「三角点=山」とは限らないようだ。

ついでにWikipediaで「」を参照してみる。

日本国内では、最高峰は富士山(標高3776m)である。
対して最も低い山は日和山(標高3m)であるが、山の定義や地形学的分類により捉え方は様々であり、最も低い山の決定が難しい。

衝撃の事実!
「低い山の決定が難しい」だと!?
いまさら、そんなこと言われても・・・

これで、最低峰を見つけるのは、一からやり直しか。。

そんな嫌な予感を振り払おう、そして再度ゆっくり考えようと、ボーッと地図を眺めていたら、ふと気付いた。

あれ?

地図には「○○山」とか「○○岳」という表記があるわけだから、それを調べればいいんじゃないの?????

その中で、一番標高が低い山が最低峰になるんじゃないの?
ということに。

山の名前と標高が併記しているってのは、この中の「尾西岳」「西銘岳」のイメージ。

三角点とか難しいことは諦めて、さっさと地図で調べてしまえばいいじゃないか!!!
やっと、沖縄の最低峰を探す方法が見つかった!!
これだけで、もう泣けてきたー。

 

沖縄県公文書館へ

なるほど、なるほど。
要は、標高と山の名前の表記があるものを、地図から抜き出していけばいいのか。

そうなると、HPでは不便なので、やっぱり紙ベースの地図を見に行こう。
それも、出来るだけ公式で、縮尺の小さな地図がいいなあ。

という訳で。
いざ、沖縄県公文書館へ


なかなか立派な建物です。


ひょっとして入館料がいるかも… と財布を探したのは秘密です(笑)

中に入って、担当の方に「沖縄県の地図が見たい」と伝えたら、すぐに地図コーナーへ連れて行ってくれました。

そう、これこれ! これだー、こんな地図が見たかったんだ!!

今回は、ここにある地図の中で一番縮尺の小さい、1/25,000地図で調べることにします。
なんと沖縄県の地図だけで、76枚もありました!!

引出番号9の、国土地理院の地形図1/25,000で調べます。

地図番号1は「伊平屋島北部」でした。

そして、またもや地図から「山」の名前と標高を抜き出す、地道な作業。


前岳178.4m


アサ岳218.1m


タンナ岳236m

こんな感じで作業は進みます。地味です。

この伊平屋島から始まり、伊是名島、沖縄本島と続き、最後は尖閣諸島の魚釣島まで。

地図に掲載されている全ての山を抜き出しました。


沖縄県の全ての山を抜き出したメモ

沖縄県の1/25,000地図上には、90弱の山がありました。

 

ついに、沖縄県の最低峰が判明

そして、この調査の結果、沖縄の最低峰が判明。
沖縄県の低い山、ベスト3を発表します。

第三位:伊是名島にある「アーガ山」。標高82.1m。
第二位:伊良部島にある「佐和田世乞御嶽」。標高46.8m。
第一位:沖縄本島の那覇市にある「城岳(じょうがく)」。標高33.8m。


沖縄県の最低峰は、城岳。

場所は、意外や意外。那覇のド真ん中!!
高さにあまりインパクトはないけど、まあそんなもんか。
でもこれなら、根性のない私でも登るのは簡単そうだ(笑)


一応、国土地理院のHP地図でも確認。間違いなく掲載されていました。

注意:HPの三角点での標高は30.9mでしたが、今回は地図を基準にして標高は33.8mとします。


おしくも二位だった、伊良部島の佐和田世乞御嶽。

沖縄の最低峰の、気になるその場所は・・・。
意外なことに、沖縄県庁のすぐ近くでした。
しかも、国際通りからもすぐという好立地。

皆様もぜひ足を運んでみてくださいねー!!

 

 

 

・・・と、ここで終わるわけには行きません。

調べるだけで、疲れ果ててしまいましたが、この最低峰に登るのが、今回の使命なのです。。

ああ、登るのかー。

というわけで、前編はここまで。
後編では、沖縄の最低峰「城岳」の頂上制覇を目指します。

沖縄県庁から城岳まで、どれぐらいの距離なのか!?
城岳の頂上まで、階段を何段ぐらい登るのか!?乞うご期待!!

 

ゲストライター

ゲストライター写真:manabu
manabu
寒いのがイヤ。という理由だけで、暖かい沖縄に移り住んで約2年。
趣味は、甘いものを食べること。
特技は、コップ1杯のお酒で酔っぱらい、どこでも寝ちゃうこと。
今後はDEEではあまり取り上げられない、スポーツネタを記事にしようと画策中。

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