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なぜ「金ちゃんヌードル」は、沖縄でこんなに売れているのか?【後篇】
沖縄唯一の「金ちゃんヌードル」の代理店
前回は、金ちゃんヌードルのメーカーである徳島製粉の田中社長にインタビューすることが出来ました。
簡単にまとめると、メーカーである徳島製粉の考える「金ちゃんヌードルが沖縄で売れるワケ」は、
絶大な信頼を置く代理店と、味と、麺の質と、二重カップとフタ。
(ぜんぜん簡単にまとまってませんが・・・)
やはりメーカーだけあって、品質的な答えが多かったように思います。
そして、その徳島製粉さんが絶大な信頼を置いていたのが、今回お伺いする、沖縄唯一の金ちゃんヌードルの販売代理店「許田商会(きょだしょうかい)」さん。
というわけで今回はさっそくアポを取り、許田商会のある浦添市は西洲へ向かいます。
さて、ここでクイズ。
沖縄の難読地名にも出てくる「西洲」。みなさんは、読めますか??
「西」で始まるのに、あ行?
正解は「いりじま」と読みます。
車のナビで「に」を探しても出てこないという、ひとり沖縄ナビあるある。
沖縄では、東を「あがり」、西を「いり」と読むことがあるんです。
この読み方は、太陽があがる(日の出)方向が東、太陽が入る(日の入り)方向が西ということから来ています。
この西洲(いりじま)や東浜(あがりはま)、東江(あがりえ)なんていう地名がそれ。沖縄でナビを使う時、地名に東や西がついてたら、注意が必要です!!
さて。
そんなこんなで、西洲にある許田商会に到着。
立派な本社です。
今回の取材では、田中社長が教えてくれなかった、金ちゃんヌードルの月間売上数を教えてもらいたい!
これが本日の最重要ミッション!!!!
金ちゃんヌードルは、月にどれだけ売れているのか!?
今回は、許田商会の取締役部長の仲井間さんに、お話を伺いました。
顔出しは残念ながらNGということですので、お会いした印象を一言で表すと、明るくて話上手な方でした。
許田商会取締役部長の仲井間さん
ではさっそくお話をうかがっていきましょう。
- まず最初にお伺いしたいんですけど、沖縄で「金ちゃんヌードル」は、月にどれぐらい売れているんですか?
うん。細かい数字は教えられないんだけど、ざっと月に30~35万個かな。季節による変動はあるけど、だいたいそんな数だね。
- へえ〜、やっぱり、それだけの数が売れているんですね!!毎月、沖縄県民の4人に1人が1個食べている計算になりますね。
(本日の最重要ミッション完了!!わーいわーい!!!!)←心の声
倉庫内の「金ちゃんヌードル」。この量が数日分だそうです。
うん、なるね。すごい数字だね。
- 沖縄で金ちゃんヌードルが、こんなに売れる理由は何でしょう??
それが…分からないんだよね(笑)
許田商会さんの事務所です
- 徳島製粉の田中社長は「飽きのこない味」が理由じゃないか?とおっしゃってましたが…
でも、それが沖縄だけで売れている理由にはならないでしょ?
- 確かに。でも許田商会の先代の社長が「この味を変えるな」と言ったとか。
この味が沖縄県民に受けるという判断は正しかったと思うよ。
でも、それも、沖縄だけで売れている理由にはならないから。
- なるほど…。
だから、金ちゃんヌードルが沖縄で売れる理由は…分からないなあ(笑)
- 困りましたね…。
うん。困ったね(笑)
金ちゃんヌードルをいただきました!
子供のころから食べ継がれてきた味
- 許田商会さんが金ちゃんヌードルを扱いはじめてから、もう40年以上になるんですよね?
そうだね、40年以上になるよ。
- じゃあ、仲井間さんも、子供のころは「金ちゃんヌードル」を食べて育ったんですか?
そうだよ。家族みんなで食べてたなあ。いまじゃ、ウチの子どもも食べてるし。
- なるほど、代々「金ちゃんヌードル」が受け継がれていくわけですね(笑)。
そうだね。代々、食べ継がれてきた味、とは言えるかも知れない。まあ、母が買ってきたものを食べてただけとも言うけどね。
- でも、母親が買ってきたっていうのは、重要かもしれませんね。私は出身が関西なんで、金ちゃんヌードルの存在は知っていました。CMもやってましたし。でも、子どものころは食べてないんですよね。なぜなら、母親がカップヌードルしか買ってこないから(笑)。
なるほど。
- そう考えると、カップ麺が出てきた時期に、沖縄では他社のカップ麺より安くて美味しいということで、沖縄中の母親たちが「金ちゃんヌードル」を子供たちに食べさせてた。
で、その子供たちも「金ちゃんヌードル」を食べて育ってきたわけだから、大人になった今でも食べ続けている、というのは言えそうですね。
で、それは、さらに子供たちに受け継がれていく、と。
強引だね(笑)。
- でも、あながち間違いではないと思うんですが・・・金ちゃんヌードルは、沖縄県民のソウルフードみたいなものになっているのでは?
まあ子供のころから食べているのは本当だし。ソウルフードとは、上手いこというね。
- ありがとうございます。我ながら、ちょっと強引な気もしますが(笑)。
じゃあ、それが結論だね。
- それでよろしいですか? 本日はありがとうございました。
許田商会さんで扱っている商品。金ちゃんヌードル以外にもたくさんあります。
結論は…
なぜ「金ちゃんヌードル」が沖縄で売れているのか?
その答えは…
沖縄でカップ麺が売り始められた1970年代。
その時に、沖縄県民の好む味として「金ちゃんヌードル」が存在した。
それが沖縄県民に受け入れられ、長い間沖縄でのシェアNo1のカップ麺として、売れ続けた。
そしてそれを食べて育った子供たちが、大きくなっても「金ちゃんヌードル」を食べ続け、また自分の子どもたちにも食べさせている。
というのが、沖縄で売れている理由。固く言うと、こんな感じになるんじゃないでしょうか。
でも、もっとシンプルに言えば、「沖縄では、みんな子供のころから食べているから」でいいんじゃないでしょうか?
それに、子供のころの懐かしい味の記憶は、特別なものですから。
もはや「金ちゃんヌードル」は、沖縄のソウルフードだと、言い切っても良いと思います。
個人的には。
メーカーは、「金ちゃんヌードル」の味と品質に自信を持ち、
販売代理店は、「金ちゃんヌードル」がとにかく長年食べ続けてもらえるよう努力をしてきた。
その積み重ねが、販売から40年以上も経ったいまでも、沖縄で金ちゃんヌードルが売れている理由のようです。
どうしても気になる!
そして最後に、どうしても調べておきたいことがあります。
徳島製粉の社長が言っていた「お湯を入れて10分以上たってものびない麺」というのが、
気になって気になって仕方ないのです(笑)。
というわけで最後に実験してみます。
またもや、DEEokinawa編集部にて。
本来は「熱湯3分でOK」
今回は、お湯を入れて15分の麺を食べたいと思います。
タイマーでしっかり計測。
お湯を入れて15分の麺が、これだ!!
お湯がなくなってる…。
おそるおそる、ずるずるずる。
お、意外といける!!
たしかにのびてはいるけど、普通に食べられるレベル。
やっぱり小麦粉が良いんでしょうね!
というわけで、徳島製粉の田中社長の言葉は本当だということが証明されました。
最後はふたたび、あの言葉を。
というわけで前後篇でお送りした金ちゃんヌードルの秘密、いかがだったでしょうか。
最後はふたたび、徳島製粉の田中社長から沖縄の金ちゃんヌードルファンへの感謝の言葉でしめたいと思います。
沖縄からはよく「金ちゃんヌードルのファンです」という手紙やメールが来るよ。本当にありがたい。沖縄の金ちゃんヌードルファンに、こちらこそありがとうという気持ちを伝えてください。
沖縄のみなさん、これからも「金ちゃんヌードル」を食べていきましょうね!