2018.02.19

聖クララ教会、最後の修道院見学会

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与那原の丘の上にたつ、聖クララ教会。普段は一般公開していないという修道院の見学会に参加してきました。

与那原の丘の上にたつ聖クララ教会

沖縄にある貴重な建築物のひとつ、与那原町にある聖クララ教会(与那原カトリック教会)
以前の特集『沖縄建築百景(南部編 vol.1)』で、建築された経緯や構造などを詳しくご紹介しております。

先日そのクララ教会で、今回で最後の開催となる新春文化コンサートが開催されました。
沖縄県建築士会島尻支部が建物の周知を目的に12年前から始めたコンサートなのだそうで、聖クララ教会60周年の節目を迎える今年でその目的を果たし、終了するとのこと。コンサート開始前には建築士による修道院見学会も同時に行われ、地元の人や建築に興味のある人など、多くの人々が訪れていました。コンサートが終了するのと同時に修道院の一般公開も終了するので、ひとまず今回が最後の公開となるそう。
本日は、その貴重な見学会の様子をお届けしたいと思います。

クララ教会は与那原交差点の南側の丘の上にたつ、こぢんまりとした教会。
私は西原町に住んでいるので交差点を通るときによく見上げてはいたのですが、実際に訪れるのはこれが初めて。与那原町役場側が正面入口となっています。

修道院としてはクララ修道院以外に、与那原第一修道院、与那原第二修道院が併設されていることを初めて知りました。もちろんどの修道院も、現在も使用され続けています。

クララ修道院の敷地に足を踏み入れてまず驚くのは、その楚々とした美しさ。花壇の花々は丁寧に手入れされ、もちろん建物の中にもチリひとつ落ちていません。広い庭の片隅にある真っ白なマリア像の前で、シスターがひとり静かに祈りを捧げる姿がありました。

修道院を左側からまわるように敷地を進んでいくと見えてくるのが、花ブロックとステンドグラスが印象的な聖クララ教会。国道側から見えている建物です。

新春コンサートが開催される聖堂のステージにはグランドピアノなどが準備されていました。
リズミカルに配置されたモザイク調のステンドグラスが、モダンな美しさを醸し出しています。
 

いざ、修道院エリアへ

聖堂からさらに奥へと進むと、いよいよ普段は一般公開されていない修道院エリアです。
修道院とは、キリスト教において修道士がイエス・キリストの精神に倣って祈りと労働のうちに共同生活(修道生活)をするための施設。いわば、修道士たちの生活の場所です。

当時の設計図(おそらく)も展示されていました。貴重な資料です。

奥の建物は広い庭を囲むように回廊状となっており、そのうちL字形二面に個室が並んでおり、一面に図書室や食堂、地下にランドリーとシャワールームが配置されています。

左側一面に並んだ木製の壁、カーテンがかかっている部分が個室の入口になります。
日当たりの良い廊下にはローチェアとテーブルがたくさん並べられており、ここで読書や編み物をするのも気持ちよさそうです。

一室だけ個室が公開されていたので拝見。
ビジネスホテルのような感じで、机がひとつにベッドがひとつ、あとはクローゼットがあるのみの、いたってシンプルな構造でした。

こちらは談話室か応接室でしょうか。教会に畳間があるなんてなんだか新鮮ですが、マリア像や十字架が置かれていることで、やはりここは教会の中なんだと気付かされます。堅牢そうな窓枠もあまり巷では見かけないタイプでとても素敵です。

建設工事中や創立当時の建物内部の写真も展示されていました。
昔の洗濯機がかっこいい!(右側シート、左下の写真)

普段見ることのできない施設だけにみんな興味津々。
あちこちから感嘆の声やシャッターを切る音が聞こえてきました。
 

地下のシャワー室もまた素晴らしい

こういった標識のひとつひとつも、手作りでとてもかわいらしい雰囲気。

扉の奥には地下へと続く階段が。鉄筋のような無骨な手すりが今の時代は逆に新鮮に見えます。

地下に降りていくと洗濯機が並んだランドリールームが現れました。
地面のリズミカルな模様は、なんと滑り止めだそう。地下だしコンクリート造の建物なので、きっと冬場はとても寒いのだろうなと想像できます。

面白かったのは壁に取り付けられたスケール。
身長計?いえいえ、実はこれは地下にある貯水槽の水量を示しているのだそう。雨水を利用してトイレや洗濯などの生活用水をまかなっているそうです。メモリをチェックして、もし長雨などでオーバーフローしそうになったらメモリをチェックしてシスターたちが放水するのだとか。梅雨の時期などは大変でしょうが、自然を利用した素晴らしい仕組みです。

階段を挟んでランドリールームの反対側にあるのはシャワー室。作りは古いですが、隅々まできれいに清掃・整理整頓されていて、とても気持ちよく使えそうでした。黄色と水色のタイルも配色もなんだかかわいらしく感じます。
 

沖縄の宝よ、いつまでも

というわけで聖クララ教会の修道院を見学させていただいたのですが、建築物としての素晴らしさはもちろんのこと、部屋の隅々までがシスターたちの美意識で満たされていた気がします。ものを大切に扱うことの大切さ、掃除や整理整頓の大切さ。修道院という空間を通じて、そんなことまで教わった気がします。

clara22.jpg

沖縄の宝といっても過言ではない貴重な建物、聖クララ教会。
これからも、いつまでも、与那原の緑の丘の上からそっと人々の暮らしを見守ってくれていることでしょう。

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