白ブリーフでつくる「与那覇岳」

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皆様は「山パン」をご存知だろうか。今回は「山パン」に心打たれた著者が、「与那覇岳」をつくるまでのドキュメンタリーである。

「高いところから落ちる人間は惨めだ。
 しかし、高いところまで登れない人間はもっと惨めだ」―― 中嶋正宏

突然だが、でぃー読者の皆様は「山パン」というサイトを御存知だろうか。

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"山パンとは、ピュアな男子の必須アイテム「白いブリーフ」に山のペイントを施し、ごろりとなって山をつくるプロジェクト。荒ぶる山々をセルフで(あるいは同志に)撮影してもらい、Google Mapsにピンさして、勇姿をお披露目いただきます。国籍年齢性別性癖一切不問。いつでも誰でも投稿OK。ときにイベントを行ない、量産化に励むこともあります。"

いろいろギリギリなサイトである。このWebが一般化した2010年に、こんなアイディアだけのサイトが存在していいのだろうか?

 

 

いや断然アリである。

むしろこのテンションとアイディア、超うらやましいよ!

無論でぃーも積極的にこの流れに乗らなければ!

というわけで、今回は「山パン」がテーマである。

とりあえず材料を準備

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いつもの100均ストアから白ブリーフと、サインペンを購入。きょうび、白ブリーフを買うのは意外に恥ずかしい。散々悶えた挙句、頑張って買ってきた。

沖縄にはあまり高い山が無い(最も高い山は石垣市の於茂登岳の標高526mである)。必然的にあまり有名な山が無いのだが、今回はいつものヤンバルへの愛も含めて沖縄本島の最高峰である国頭村の「与那覇岳」(よなはたけ)を山パンで再現したい。

白ブリーフへの植林作業

まずはイメージを作るために、「与那覇岳」をイメージ検索してみた。

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まぁ普通に緑一色である。しかし、緑一色でブリーフを塗りつぶすのは華がない。
ここは手描きで木を一本一本植林していこう。

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というわけで一本一本白いブリーフに木を書いていく。
…書いていて思ったがこれだと全然沖縄の山っぽくない。

沖縄らしさを演出する

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このままではこの森が沖縄なのか、他の地域の山なのか判別できない。そこで植林したブリーフに沖縄らしいものを書き加えていく。

1.ヒカゲヘゴを追加してみる


(wkipediaより)

ヒカゲヘゴはヤンバルに生えている、超巨大なシダ植物である(日本では最大のシダ植物らしい)。森ではヒカゲヘゴをよく見るので、やはり与那覇岳にも書き入れておく必要があるだろう。

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(上らへんのくるくるしたやつです)

サインペンのみでこんな複雑な形表現できるか!とか思ったが、描いてみたらそこそこそれっぽいものが描けた。

2.ヤンバルクイナを描き足してみる

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沖縄の森林といえばやはりヤンバルクイナだろう。
個体数の激減により、現在では野生のヤンバルクイナを見る機会は殆どないが、北部の森に入ると今も鳴き声などを聞くことができるらしい。
ヤンバルの森の象徴であるヤンバルクイナを白いブリーフに描いていく。

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…ヘンな生き物になってしまった。くちばしを描くつもりだったのだが、思いのほかインクが乗ってしまい、ペリカンみたいに。
まぁ、ヤンバルの森にいるくちばしの赤い鳥はたいがいヤンバルクイナである。…きっと。

3.リュウキュウヤマガメを描き足してみる

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こちらもヤンバルクイナ同様、国の天然記念物指定されている。沖縄のリクガメである。
私は一度、ヤンバルの森でこの亀を偶然見たことがあり、今回描き入れることにした。

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…亀?
流石に色が4色しか無いとキツイ。なんとなくぼんやりした亀になってしまった。

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ここまで描いていちおうの完成である。だいぶ山っぽくなってきたのではないだろうか?
他にもヤンバルテナガコガネやイボイモリ、ノグチゲラなどヤンバルの森には沢山の貴重な生物がいるのだが、自分の絵心の無さに愕然としたので
とりあえずこれで撮影をすることにした。

与那覇岳にチャレンジ

さて、撮影作業にうつるわけだが私は一人暮らしのため、なんとか一人でうまく撮る方法を探さねばならない。
すでに時間も深夜だし、なにより私だっていい大人である。流石にこの撮影のために人を呼べない(否、呼びたくない)。

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そこで、一眼レフをセルフタイマーに設定し、シャッターが下りるうまいタイミングで山のポーズをとることにした。

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(1テイク目の写真)

できあがった結果がこれ。なんかまだ白い部分が結構見える(特に頭頂部分)。山のポーズもまだぎこちない。
これではヤンバルの森は表現できていないのではないか。

ここから試行錯誤が始まった。

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まず写真をもとに頭頂部分など白く見える部分に木を書き足して調整をしていく。ポーズも写真を確認して、山に見えるように調整を重ねていく。

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(20テイク目。中央から左よりに。ポーズは少し落ち着いてきた)

そして、ついにその瞬間は訪れた…!

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(何テイク目か忘れた。手の位置がおかしいがV字は完璧!これがベストショットということで。)

ようやく満足できる1枚を撮影することができた。
この居住まいはまさに「与那覇岳」。2時間撮影に費やした甲斐があったというものである。

 

 

そしてここまで読んでいただいた皆様、この記事、まさかのオチなしである。

私自身もこの記事を着陸させようと壁紙にしてみたり、ヤンバルの自然を考える一助にしてみたりしたが、どうにもこうにも収まりが悪い。

気分を悪くされた方は、昨日の感動記事を読んで心を洗って欲しい。

山パンに投稿しました

というわけで苦労して撮影した「与那覇岳」、早速山パンに投稿したところ、

「さすが沖縄最高峰、すばらしい勇姿でございます。」
「沖縄に同志ができて、一同大変喜んでおります。今後とも、宜しくお願いいたします。」

という即レスを頂いた。

「キラウェア火山」や「富士山」など世界各国の名峰が並ぶ「山パン」サイトに沖縄本島最高峰である「与那覇岳」が肩を並べて掲載される日もそう遠くない。気になる方は山パンをチェックして欲しい。

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