2017.05.17

沖縄の街路樹でサマープディング

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そこらへんで見かける街路樹の花や実でおいしいオヤツができちゃうの?

こんにちはAYAです。実は私、入院しています。


24時間点滴が15日間

仕事を休んで付添していたダンナに「なんかほしいのある?」と聞かれて「DEEの原稿書きたい!甘いものが欲しい!」と答えたところ、ダンナがぶつくさ言いながら病室を出ていきました。なんかちょっと悪い予感が・・・・・・

 

なぜサマープディング?

はーい ダンナでーす! ここからはAYAにかわり、いろいろやってみますね。

ところでみなさん、『Masterキートン』という名作マンガをご存知ですか? 20年ほど前にはやった考古学マンガです。博物館関係者はキートンに影響された40代がけっこう多いんですよ。どのエピソードがいいか話すだけで夜が明けてしまうこともあります。

そんなキートンの子どもの頃の思い出のおやつがサマープディング。サマープディングはキートンの母の出身地・イギリスの夏の定番のお菓子。容器にパンを貼り付け、そのなかにラズベリーを注いで冷やし固めたデザートなんですが、いつかは作ってみたいと思っていたんですよね。ブレーキも入院したことだし、ここはひとつ・・・・・・


『Masterキートン』博物館で働いていると「本当に砂漠は背広着ていくといいですか?」と聞かれることがあります。元ネタはこの本!

 

食材を探そう!

今回はDEEの記事なので、沖縄の街路樹になっている実を中心に食材にします。嫌われ者のシマグワに沖縄のモブ・ガジュマル、農業害草のムラサキカタバミなど、本当にそこらへんで普通に見られる植物の実と花を使います。

その1:シマグワの実

シマグワ 黒く熟したものは甘いけれど実が崩れやすいので、今回はちょっと赤いものを中心に採りました。

かつては絹糸を作るカイコのエサにするため、シマグワを育てる桑畑がありました。今では、ところ構わず生えまくるため、邪魔者として伐採されまくっています。

レア度★1 鳥が実を食べ、フンに入った種から芽が出て増えるため、そこらじゅうに生えまくる。
味★4 傷みやすいのでお店では売れないが、かなりおいしい

その2:ガジュマル

ガジュマル 経験上、夜にガジュマルを揺らしてコウモリが出てきたら、おいしい実を付けている率が高いと思います。

キジムナーのいる木。中南部では特によく見られます。

レア度★1 絞め殺し植物の異名をとる。コンクリートの隙間からでも生長できるため、街中で目にすることが多い。
味★2~4 木や実のなる部位によってびっくりするほど味が変わる。水の多い場所になったガジュマルの実はおいしい。ガジュマルはイチジクに近い仲間なので、おいしいものは小型イチジクそのものの味

その3:ムラサキカタバミ


ムラサキカタバミ

戦前に沖縄に入ってきた外来種。田畑に生える害草として嫌われていました。

レア度★1 芝生に何食わぬ顔して生えている。かつて、この草が生えている田畑の所有者は罰金を払わされた。それでも全滅させられないぐらい強い植物。
味★2 酸味が強いが苦くはないぐらい。子どもの頃食べた経験がある人は多い。シュウ酸が少し強いため、毎日すごい量食べると結石ができるかもしれない。

その4:アカバナ(ハイビスカス)


アカバナ

沖縄の代表植物のように植えられていますが、実はハワイなどが原産の外来種です。沖縄ではあまり在来の草花が評価されていないのが悲しい所です。民家の花は一声かけること、公園から採るときは咲き終わって地面に落ちる前の花びらを抜き取るといいと思います。花の傷みはジャムになるとほとんど気になりません。

レア度★2 学校や街路樹、花壇に植えられまくっている。できれば観光客が来る中心市街地には、安易な南国イメージのアカバナやヤシではなく、沖縄在来の植物を植えてほしいが・・・・・・
味★2 葉や花は、熱を加えたらとろみがでる。復帰前に米軍車両にはねられ、アバラを何本も折ったおばあちゃんが病院にも行けず、ハイビスカスの葉を煎じて飲んでいたらそのうち治ったという話がある。

 


鈴なりのカンヒザクラのサクランボ。酒に漬けるとえぐみが消えるのに、熱では消えなかった。なぜ?

他にもカンヒザクラのサクランボが候補に挙がり、ちょっと実験してみました。熱でえぐみが抜けなかったため、今回はサマープディングに入れていません。また、アカギやイヌビワ、ヤマモモは時期が合わなかったので今回は見送りです。

 

挑戦 サマープディング!

それではサマープディングを作っていきます。

下ごしらえ

ガジュマルの実はヘタを取り、クワの実は柄を切り落とします。クワの柄は実の中心部から伸びているので、見える部分を切り取るしかありません。

ムラサキカタバミとアカバナは花の付け根のがく(緑の部分)を取り除きました。そのあと、それぞれオリゴ糖に浸して2時間置きました

 

ボウルにパンを敷き詰める

砂糖と実がなじんでいるスキに、パンを敷き詰めます。ボウルに隙間なくパンを敷き詰めます。この辺はクックパッドとかにやたら詳しいのがあります。

 

ボウルにパンを敷き詰める

オリゴ糖ごと花や果物を煮詰めていきます。基本は実が固いものからなんですが、ガジュマルとクワの実ってどっちが固いのかな?今回はガジュマル、クワ、花の順番で煮詰めました。ガジュマルとクワは沸騰するとアクが出て来るので取り除きます。


写真の泡のようなものがアク


花も投入

のんびりやっているとソースが出来上がります。ちょっと味を引き締めるために酸味が欲しいので、シークワサー果汁を入れました。


シークワサー果汁

この辺はジャムと変わりないです。

仕上げにミント。DEEだからヨモギも考えたが、キートンに敬意を表してミントを。

 

ボウルにソースを投入!

冷めないうちにソースをボウルに投入!
という段になってちょっと問題発生。本来、ソースがもうちょっとシャバシャバじゃないと、パンに沁み込まないんです。もしかしてアカバナのトロトロが強すぎたの? ボウルとパンの隙間に余ったソースを流し込むにも、ソース足りないし・・・・・・仕方ないので無視することにしました。


本来のパンプディングはパンの生地にもソースがしみ込んでいないと・・・・・・ちなみにこれは仕事場の新人歓迎に作ったイチゴとブドウのパンプディング

 

重しをして冷ます

あとはソースを包むようにパンを折りたたみ、重しを入れて冷ますだけ。今回は一晩冷蔵庫で寝かせました。

 

そして試食

色はついてないけどプディング
半分に

今回の試食はやんばるたろうさんとAYAにお願いしました。半分に切った後、たろうさんにプディングを渡してAYAの病院へ!

午後7時、「スパイ大作戦」を観ているAYAにさっそく試食してもらいました。30時間ぶりにDEE原稿と甘味の約束を果たしたぜ! サマープディングを一目見て「なにまん?」と聞かれたことは伏せておきます。

試食したところ、ソースにブランデーなどの酒入りかと思うぐらい濃い後味を感じたそうです。ミントか花かシークワサーか、何が原因かはよくわかりませんでした。不味くはないけれど、量を食べるものじゃないよね・・・・・・という、労力に対してあまりに淡白な感想です。ガジュマルなんて初めて食べた!みたいな乙女っぽい感想が欲しい所ですが、今までの彼女との食歴からすると、ガジュマルなんてモブなんだ・・・・・・

たろうさん、AYAにかわって気の利いたコメントをお願いします!

どうも。試食要員のやんばるたろうです。
前回さらっとカラスの試食をさせられそうになって戦々恐々としていたのですが、まさかあの『Masterキートン』で出てきてたサマープティングが食べられるとは。僕、マスターって言われたいが故に大学院まで行ったようなところ、ありますからね。

前情報が全く無い状態で食べたんですが、普通にうまいですねこれ。食感にイチジクみたいな種をプチプチ食べてる感じがあるんですが、これがガジュマルなんですね。ジャムにミントってよく合いますね。おいしかったです!そんなに量食べるものじゃないですけど。

というわけで、今回は身近な植物の花や実でサマープディングに挑戦しました。普段目にするものが食材だと分かった途端、採集民族の血が沸騰します。ぜひお試しください!

 

ゲストライター

AYA
プロフィール:生まれも育ちも沖縄本島。県民に多い苗字ベスト3入りする苗字だったのに、九州出身の旦那をもったばかりにイチイチ説明が面倒くさい。殺人事件が起こるドラマが好きでしゃべる機械キャラ萌え。
 

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