2024.01.25

【連載】ハブでも分かる!?遺老説伝 Vol.64 黄金の瓜子-2

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1740年代に琉球王国の歴史書として編纂された『球陽』の外巻である『遺老説伝(いろうせつでん)』。首里政府が各地に命を出して集めたとされるその内容を、漫画でゆるく描き下してみるという連載です。

ハブでも分かる!?遺老説伝

『ハブでも分かる!?遺老説伝』とは

『遺老説伝(いろうせつでん)』は1743年から1745年にかけて琉球王国の正史として編纂された『球陽(きゅうよう)』の外巻で、各地の御嶽や行事の由来、珍しい出来事などを首里政府が各地に命令を出して集めたものとされています。

当連載『ハブでも分かる!?遺老説伝』は、"ハブでも分かる" をコンセプトに、原文(漢文)をそのまま読み解くには難解すぎる『遺老説伝』を、沖縄出身の漫画家・吉元あきこが漫画で描き下してみる、という試みです。ただ、本当にハブでも分かるかどうかはハブのみぞ知るので悪しからず。

*当連載の内容はすべて史実というわけではなく、フィクションが大いに含まれていますのでご了承ください。

第64回『黄金の瓜子-2』

前回のお話はこちら

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黄金の瓜子

それから夫婦は、伊敷泊(いしきとまり)について、子孫繁昌、食物豊ジョウ(しよくもつほうじょう)をお祈りいたしました。
お祈りのまだ終らぬうちに、たちまち白い壷が、波に浮んでゆらぎ、ゆらぎやってきました。
不思議なものだーと思った白樽が、すぐさま、着物を端折(はしお)ってそれを取ろうと水にはいりますと、どうしたのか、今度は波の下に沈んで見えなくなりました。
妻はー是非、これを手に入れたいものだーと思いましたので、屋久留川にゆき、身を洗い清めて、清潔(せいけつ)な着物をつけて引っ返し、前の浜辺に立ち、袖をひろげて白壼のかかるのをまっていました。
いくらもたたぬうちに、白壺がひとりでに袖にかかりましたので、大層、喜んだ妻が、その壷のふたをひらいて中を見ますと、三種の麦の種(たね)と、粟の種と、豆の種が二種はいっていました。
麦は、小麦、葉多嘉麦(はだか)大麦で、粟は、佐久和(さくわ)・餅也(もちや)・和佐(わさ)それに豆は小豆(あづき)とよばれるものでした。

『琉球民話集 全巻 球陽外巻遺老説伝口語訳』 P130-131より
琉球史料研究会編(1963年)

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