2011.04.27

カニステルでフルコース

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フルーツ大国沖縄において、かなりマイナーな存在の黄色い果実カニステル。それもそのはず、完熟にならないと非常に不味いうえ、当たりの果実は数個に1個、数十個に1個とも言われている。そんなカニステルを今回はフレンチのフルコース仕立てにしてみました。果たしてそのお味やいかに。

先日糸満にある『JAファーマーズマーケット うまんちゅ市場』へ立ち寄った際に、ふと目に止まったものがありました。

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それはカニステル。
フルーツ大国の沖縄にあって、サンエーやかねひでなどの一般スーパーではなかなか見かけることは無いほど、かなりマイナーな存在です。

Wikipediaによると、

特徴:
カニステルは10mほどに成長する小高木である。
緑白色の花を咲かせ、7cmほどの長さの黄色がかったオレンジ色の果実を実らせる。果実は食用になる。

果実:
果実はエッグフルーツ、クダモノタマゴとも呼ばれる。
果実は甘く、粉質で水分が少なく、ゆで卵の黄身や蒸し芋のようなほくほくした食感がある。

一般的なフルーツの芳香や酸味、ジューシーさがなく、食べると口の中の水分を吸うため喉が渇く。
食べ頃を判別するのが難しく、完熟にならないと非常に不味である。当たりの果実が数個に1個、または数十個に1個しかないといわれるほど味にバラつきがある果実である。完熟状態になるとマダラ模様の黒いシミが浮き上がり、果皮が弾ける。

カニステルは栽培されている台湾や沖縄でもほとんど市場に並ばないマイナーな果実である。近年まで栽培しても売り物にならなかったことから、「蟹捨てる」、「金捨てる」など沖縄の農家の間で揶揄を込めた駄洒落で呼ばれることがあった。

・・・なにもそこまで言わなくてもいいんじゃない?と思わず不憫になるほどの扱い。

しかし、そんな食えないやつならばDEEのネタにしない手はありません。
というわけで今回はカニステルを美味しく食べることに挑戦してみます。

 

そのまま食べると

店頭で売られているときはまだ果皮が固い状態。
しばらく常温で保管し、完熟を待ちます。表面に亀裂が入り、手で触って全体がムニュムニュと柔らかくなったら食べごろ。

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果皮は薄いので手でも簡単に割れます。真ん中に柿のような細長い黒い種がふたつ。
まずはそのまま味見。

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「・・・!」

なんでしょう、このなんともいえない味。
たしかに卵の黄身のようでもあり、かぼちゃのようでもあり、芋のようでもあるのですが、どうにもこうにも後口が悪い。
これ以上置くと確実に腐るというほど超完熟なのに確実に口の中で主張するエグ味。
まぁ、すすんで二口目にいこうとは思えない味でした。

ではそんなカニステルを美味しくいただくため、そしてどうせならばうんとおしゃれに、フレンチのフルコース仕立てにしてみましょう。

 

前菜

まずは前菜。

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冷蔵庫をのぞくと生ハムとクリームチーズがあったので、つぶしたカニステルの果肉にクリームチーズを混ぜディップ状にし、生ハムで巻くことにしました。

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『カニステルとクリームチーズの生ハム巻き』完成。

 

スープ

お次はスープ。

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かぼちゃのスープを作る容量でまずは玉ねぎをバターで炒め、ミキサーに玉ねぎ・カニステル・水・牛乳を入れ攪拌します。

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小鍋に移したらコンソメと塩こしょうを加え、しばらく煮込みます。

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『カニステルのポタージュスープ』完成。

 

サラダ

続いてサラダ。

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これもかぼちゃサラダをイメージして、つぶしたカニステルの果肉に、ツナ・マヨネーズ・茹でたマカロニ・塩こしょうを加えてよく混ぜあわせます。上にきざんだパセリをのせて彩りと味のアクセントに。

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『カニステルとツナのマカロニサラダ』完成。

 

メインディッシュ

いよいよメインディッシュ。

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サラダ油をひいてよく熱したフライパンに、二つに切って表面に塩こしょうをふったカニステルを入れ、両面こんがりと焼き色がつくまでよくソテーします。ローズマリーをぱらっと加えて風味づけ。

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『カニステルのソテー ローズマリー風味』完成。
ソースは市販のステーキソースを利用しました。

 

デザート

忘れちゃいけないデザート。

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市販のバニラアイスに、つぶしたカニステル果肉を入れよく混ぜ合わせます。冷凍庫で冷やし、30分ごとに何度か攪拌します。

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『カニステルバニラアイス』完成。

以上、フルコースの料理が出揃いました!

 

黄色いフルコース

全部並べてみると、やたらと黄色い食卓。
ではいざ実食。

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前菜:『カニステルとクリームチーズの生ハム巻き』
口に入れてしばらくは生ハムの強い塩気でカニステルの存在を感じないが、しばらくするとカニステルの青臭い風味がひろがってくる。生ハムとクリームチーズという鉄板な組み合わせにカニステルが加わることで、味のバランスがいっきに崩壊している。もっとクリームチーズの割合を増やせば多少美味しく食べられたのかもしれない。
おすすめ度:★☆☆☆☆

スープ:『カニステルのポタージュスープ』
炒めた玉ねぎと牛乳のやさしい甘さに相反してパンチのあるカニステル風味。温かいうちはまだいいが、冷めるとよりいっそう厳しいものがある。見た目は完全にかぼちゃスープなだけに頭が混乱する。
おすすめ度:★☆☆☆☆

サラダ:『カニステルとツナのマカロニサラダ』
マヨネーズをたっぷりめに入れるとわりとカニステルの風味は消える。味の濃いツナが嬉しい。やはりカニステルが混ぜ込んである違和感は感じるが、そこそこおすすめできる味。
おすすめ度:★★★☆☆

メインディッシュ:『カニステルのソテー ローズマリー風味』
油でソテーすることで、意外やカニステルの青臭さがかなり消え、エグ味に隠れた甘味が引き出されている。少しパサパサしているが、まるでかぼちゃステーキのよう。味の濃いステーキソースをたっぷり絡めて食べると美味しい。
おすすめ度:★★★★☆

デザート:『カニステルバニラアイス』
香りはバニラアイスそのものだが、食べてみるとカニステルの主張が激しくがっかりする。ブルーシールアイスにある『ウベ』に少し似ている気がする。芋好きな人には受け入れられるかもしれない。
おすすめ度:★★☆☆☆

 

まとめ

カニステルのフルコースから導き出した結論。

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"どう調理しようがカニステルの風味は消えない。"

あれ?美味しく食べるというテーマのはずが、いかにカニステルの風味が消せるかというテーマに変わっている気が...。
今回のメインディッシュ『カニステルのソテー ローズマリー風味』のように、完熟したものに火を通せばクセはけっこう消える気がします。お試しあれ。

で、そもそもなぜカニステルをフレンチ仕立てにしたかって?
ほらほら、あの人。確か日本人とフランス人のハーフでしたよね。

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滝川カニステル。

・・・ごめんなさい、言いたかっただけです。(ハッ!ダジャレ落ちはワーストの予感!)

 

今月の記事はカニステルでおしまい。
ベストワーストアンケートを本日(4/27)の23時まで受け付けているのでご参加宜しくお願いします。
そして明日はベストワースト記事の発表です。

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