2011.06.03

【大人の社会見学】うちかびが出来るまで

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沖縄で唯一、うちなーむん100%のうちかび(打ち紙)を作る工場があると聞いたので行って来ました。

昭和製紙さん

訪れたのはうるま市田場にある「昭和製紙」さん。
創業40数年になる老舗の紙製造会社です。


どーんと工場。めちゃくちゃ広い敷地です。

昭和製紙ではすべて沖縄県内各地から出た古紙をリサイクルし利用した、100%うちなーむんのトイレットペーパーや板チリ紙、そしてうちかびを製造されています。

ちなみに沖縄で紙を製造している会社は昭和製紙さんのみ。
ということでこちらで製造されるうちかびやトイレットペーパーは「沖縄で唯一の100%のうちなーむん紙製品」と言えるのです。

まずはトイレットペーパーが出来るまで

まずは主力製品であるトイレットペーパーの製造過程から見ていきたいと思います。

工場の奥には各地から回収された紙の山。

チラシやパンフレットなどさまざまな紙が集められています。

紙は「地球釜」と呼ばれる丸い回転する釜で水とともに煮ます。

地球釜には1回で紙16t、水30tが入るそうです。

現役時代の小錦は285kg(wikipediaより)で考えると、小錦161人分が入るということでしょうか。
驚きの容量です。
ここで煮ると紙は溶けてドロドロの状態になります。

その後、いくつかの行程を踏み

行程早送り中(漂白したり、すいたり、乾燥させたり・・・)

次にお目見えしたのが

大きな巻物のようなもの。

工場内ではこの巻物を「ジャンボロール」と呼んでいるそうです。
そのままやん。

上質の布に見えます
でも簡単にちぎれます

工場内に転がされるジャンボロール。
1つ350kgほどあるそうです。

大きさはともかく形はそのままトイレットペーパーです。
しかしジャンボロール。
こんなのを使うと家計が破綻します。その前にトイレも詰まりまくりです。

ということで通常の大きさのトイレットペーパーを作りましょう。

ちょっと長いけど見慣れたアイツ

トイレットペーパーの芯ですね。

まずは芯にダブルとシングルそれぞれを巻き替えます。

ダブルは2枚を重ねて巻きます
シングルはそのまま

細くなりました。

芯のなしの場合は鉄の棒に巻いて、後から鉄を引き抜くそうです。

ちなみにトイレットペーパーの香りは芯に香料をつけるそう。
つまり芯なしのトイレットペーパーはすべて無香料なんですって!奥様気付いてました!?

細くなったロールはカッターでパツンパツンと切り

残念ながら見学時は止まっていました。

トイレットペーパーの完成です。

おおおー!

出荷待ちのトイレットペーパーたち

板チリ紙の場合

板チリ紙はロール状ではなく平たく重ねて置かれ、機械で豆腐のように「さいの目切り」されるそうです。

許されるなら。
ああ、許されるなら。

この上にダイブしたい。

 

続いてうちかびの制作過程を見てみましょう。

でもまずはうちかびのお勉強

うちかびとはあの世のお金ですね。
旧盆やシーミーのときなどにご先祖さまに送金します。

ウチカビは中国から伝来したものなので、通貨単位は "元(グヮン)" と呼ばれます。(『お彼岸に中野さんのお宅にお邪魔してきた』より)
5枚一組になっており、お金の型がエンボス加工されています。

うちかびの製造過程

うちかびはジャンボロールになる前に色づけされています。

ゴロゴロと転がるお金のもと。

5枚重ねなのでトイレットペーパーのダブルの要領で5ロールをセット

写真に写り込んでいる人はDEEokinawaのmycoちゃんですね。

折り重ねます。

このとき不要な耳の部分はカットされます。

カットされた端はものすごい速さでゴミ箱に吐き出されます。

子どもの頃に描いたロケットの炎ってこんなんだった!

そしてあの部分を

プレス!

まさかやー!

こんなアナログな方法なの!?と驚きを隠せません。

出てきました

おばさまたちのよってじっくり検品され

ベテラン銀行員がお金を数えるときのような手つきで札の間に空気を入れます。

このひと手間加えることでうちかびが燃えやすくなるので、ツウの間では評判が良いそうです。
燃え残ったらご先祖さまに申し訳ないですもんね。

そしてようやく完成!

ご満悦そうなおばさま

札束じゃー!札束じゃー!

ちなみにうちかびは工場生産が始まる前までは各家庭で紙を重ね型を押していたそうです。

昭和製紙の営業部長が作成した手作りの型。
これをひとつづつプレスするのは大変だったでしょうね。

昭和製紙さん


ということで主力のトイレットペーパーをはじめ、板チリ紙、うちかびを製造する昭和製紙さんの工場見学レポートでした。

工場見学は県内各地の小学校の社会見学を受け入れているほか、一般でも問い合わせれば見学可能だそうです。
今回紹介した以外にももっと詳しく紙のこと、リサイクルのことを知ることができます。
ぜひ行ってみてくださいね。

昭和製紙株式会社
住所:沖縄県うるま市字田場708-1
TEL:098-973-4125
FAX:098-973-3554
サイト:http://www.syouwa-seishi.co.jp

ゆるキャラもいるんだぜ!

トイパーくん

おしまい。




いいや、終わるわけにはいきません。

ちょっと巻き戻し


はいココ

このお方。みなさんお気づきになられたでしょうか。
そう。パッション屋良さんですね!

mycoにトンガリをチェックされるパッション屋良さん。

何をしているのか、お答えしましょう。

QAB琉球朝日放送で毎週土曜日24時30分から放送しているテレビ番組『ゲラ×ゲラ流(すたいる)』。
なんと明日(6/4)の放送回に DEEokinawaから miooon と myco が出演してしまいます。
MCはキャンキャン&パッション屋良さん!

ロケ中のひとこま。

テレビコマーシャルにも写りこんでしまっている私たち。

一緒にテレビに出ちゃた昭和製紙の見学案内担当の城間さん。

各製造過程のことをおもしろおかしく教えていただいたのですが、「テレビに出た感想は?」と聞くとそれまでの饒舌ぶりを失い「ひゃ!」と声にならない声が。
たしかに急にあの役を振られたらたまりませんよね。

放送中ではうちかび工場がどのように紹介されるのか。
DEEokinawaと城間さんはどのように登場するのか。
いろいろと恥ずかしいですが観てやってください。笑ってやってください。
ちなみに、恐ろしいことに私たちは今週だけでなく来週の放送分にも出演します。
DEEokinawaよ、一体どこへ行く・・・。

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