2011.08.01

昔ながらのかまぼこを作る

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
昔ながらのかまぼこは魚をふんだんに使って作られていた。本来のかまぼこの味を確かめるためいろいろ作ってみました。

内地のかまぼこといえば、板にのって蒸された半円状の板かまぼこが一般的ではないでしょうか?
沖縄のかまぼこの多くは、揚げてあるのが特徴。いろいろな種類のかまぼこが売られている。

平たいチキアギ(チキアゲ)、ちぎり(一口大)、小丸(棒かまぼこ)、カステラ(卵たっぷり)、バクダン(ご飯をかまぼこで包んだもの)バクダン記事はコチラ→ あたらしいカマボコの夜明け

なかでも一般的なものはチキアギチキアゲ)というさつま揚げに似たかまぼこ。鹿児島ではさつま揚げのことをつき揚げと呼ぶらしく、チキアゲが語源ともいわれている。

kamaboko_07.jpg
すごい赤い。

大きい黄色いかまぼこはカステラと呼ばれるもの。卵が多く使われている。イナムドゥチには必ず入っているかまぼこ。
紅白かまぼこは沖縄の年中行事や祝いの席には欠かすことのできないかまぼこ。

kamaboko_08.jpg
バクダンも種類豊富。

昔はグルクンが多く獲れたので、グルクンをふんだんに使ったかまぼこが一般的だったようだ。
現在は漁獲量も減り、価格も上がってしまったため他の魚を使っているところがほとんど。
県内でグルクンを使ってかまぼこを作っているところは数えるほどしかない。

材料を買いに

魚市場へ魚を買いに。刺身以外で買ったことがほとんどないため相場がわからない。
高くてビックリした。

kamaboko_02.jpg
グルクン。かわいい。一匹500円。
kamaboko_01.jpg
イラブチャー。青い。1200円。

ちょっと大きめのグルクンを2匹購入。有名な料理はやはり唐揚げだろうか。
しかし唐揚げ以外で食べるのは初めてかもしれない。

ちょっと小さめのイラブチャー(ブダイ)は1匹購入。県外の人に沖縄の魚は?と聞くとコイツを思い浮かべる人が多いはず。
インパクト充分な青さ。刺身や煮付けで食べられることが多い。ちょっとクセがある。

kamaboko_03.jpgのサムネール画像
オジサン。ヒゲよ!1200円(刺身)。
kamaboko_06.jpg
高くて買えなかったアカミーバイは2400円!買えないよ!

続いてはオジサン。ヒメジ科の魚。下顎から生える2本のヒゲが特徴。顔を正面から見るとオジサンっぽいからということらしい。
ちなみにオバサンというアジ科の魚もいる(メツキノオバサン)。
1匹2500円くらいしたので、半身の刺身を購入。それでも1200円。

買いたくて買えなかったアカミーバイ。一匹2400円!高級魚!これでかまぼこ作ったら美味しいはず。予算オーバーなので諦める。

kamaboko_05.jpg
丸裸のアバサー。1600円。意外と高い。
kamaboko_04.jpg
意外と身がありそうなんだけど...

アバサーも買いたかったのですが意外と高い。しかも身がほとんど無いから2匹買わないとダメだよと。
アバサーを使った記事はコチラ→ アバサーは針千本なのか?

写真を撮り忘れましたが、もう一匹買いました。
ムルーという魚。ハマフエフキです。小さいムルーはよく釣れるらしい。

さて、魚を買ったのはいいのですが、実は魚をさばけない。いや、さばけなくは無いんですが、確実に使える身が無くなってしまう。下手なんです。
ということでプロにお願いしました。

ももたま菜ファミリー

今回ご協力いただいたのは、那覇市小禄にあるももたま菜さんの玉城さんファミリー。
お店が休みの日に、子どもたちの夏休みの自由研究になるかもしれない...!ということで、わざわざ開けていただきました。

kamaboko_21.jpg
長男のお兄ちゃんは部活のため来れず。

kamaboko_68.jpg
」と書かれた提灯が目印。
kamaboko_74.jpg
こじんまりとした店内は居心地抜群です。

kamaboko_69.jpg
フーチバー焼きそば。650円。

個人的にオススメは、麺にフーチバーが練りこまれたフーチバー焼きそば。
あとハンダマのシーザーサラダ。ハンダマが新鮮で美味しい!
自家菜園で作られた野菜やマンゴーも売っていたりします。トマトも美味しい。

kamaboko_71.jpg
いちゃガリガリ...!40円。

糸満どうふの厚揚げは注文をうけてから豆腐を揚げる。かりふわで絶品でした。
あとDEEイチオシのお菓子、いちゃガリガリもメニューにあったり。
詳しくはコチラ→ 「いちゃガリガリ」の硬さを確かめる

kamaboko_72.jpg
普通に出てきます。意外とお酒に合う。
kamaboko_73.jpg
自家製ちんすこう。かなりおいしい。

場所はゆいレール奥武山公園駅から小禄駅向け1分くらいのところにあります。水曜定休
DEEokinawaを見てきたと言ってくれるとうれしいです。
やさしいお父さんとお母さんのお店、ぜひ行ってみてください。Twitterもやってるよ!@momotamana_069

調理開始

調理はももたま菜のお父さんにお願いしました。

kamaboko_09.jpg
魚4種類4000円。できれば刺身や煮付けで食べたい。
 

kamaboko_10.jpg
魚がさばけるようになりたいと思った。
kamaboko_12.jpg
1本1本骨を抜く。細かい骨が多いので大変。
kamaboko_14.jpg
独特の匂いが...
kamaboko_16.jpg
外は青いが身は白い。尻尾がキレイ。

kamaboko_15.jpg
歯というかくちばしというか...

kamaboko_18.jpg
キレイにさばかれた魚たち。

kamaboko_20.jpg
自分がさばいていたら見せれる写真では無かったはず。

すり身を作る

同じ大きさのかまぼこにするため、さばいた魚を同じ重さに揃える。

kamaboko_27.jpg
グルクンは約一匹。
kamaboko_26.jpg
ムルーもほぼ一匹。

何基準で118gになったかは忘れた。きっと最初に計ったのが118gだったのだろう。

kamaboko_28.jpg
オジサンは半身より少なめ。
kamaboko_29.jpg
イラブチャーは半身と1/2。
kamaboko_30.jpg
少し細かく切って
kamaboko_31.jpg
フードプロセッサーへ。

普通のかまぼこは、皮は混ぜないものが多い。
今回は昔ながらのかまぼこということで、皮も一緒に混ぜる。きっと魚の風味が出るはず!

kamaboko_32.jpg
あまり細かくしすぎたらダメっぽい。

kamaboko_33.jpg

できるだけ魚だけで作りたいので、つなぎは少なめに。
入れたものは、塩2つまみ片栗粉小さじ2卵白1/2
市販されているかまぼこは、つなぎが多かったり、いろいろ使っていたりするのでふっくらしている。

kamaboko_34.jpg
本気でやると前腕と上腕がプルプルしてくる。

さぁ子どもたち、お手伝いの時間だよ。

kamaboko_35.jpg
初めて使うすりこぎ。
kamaboko_36.jpg
結構疲れる作業をお手伝い。

kamaboko_37.jpg
わいわい家族で作業。

親の仕事風景を見る機会は少ないと思う。こうして子どもたちは一つ一つ覚えていくのだなぁと思った光景でした。

美味しいものを予想する

魚によって粘りがぜんぜん違うのがおもしろい。
グルクンとムルーは粘りがでてまとめやすいのだが、イラブチャーとオジサンは粘りが少なくまとめにくい。
魚とつなぎの量は一緒にしてあるので、魚の脂の違いだろうか。

kamaboko_43.jpg
それぞれ色が違うのもおもしろい。

kamaboko_41.jpg
グルクンは少し黒っぽい。酸化しただけ?
kamaboko_39.jpg
ムルーは白っぽい。かなり柔らかい。
kamaboko_40.jpg
オジサンは赤い皮が残っていてキレイ。
kamaboko_42.jpg
イラブチャーはうっすらピンク。皮はまだ青い。

kamaboko_44.jpg
Q.どれが美味しいでしょうか?

子ども達の予想(美味しいと思う順)

長女 ももえちゃん 1.オジサン 2.グルクン 3.イラブチャー 4.ムルー
次男 かつき君   1.オジサン 2.イラブチャー 3.ムルー 4.グルクン
次女 ありさちゃん 1.オジサン 2.ムルー 3.イラブチャー 4.グルクン

なんと子どもたち全員が一番美味しいと思うのはオジサンと予想。
きっと赤い皮が美味しそうに見えたのだと思う。

大人たちの予想(4名)

全員 1.グルクン 2.ムルー 3.オジサン 4.イラブチャー

グルクンのかまぼこが売っていて美味しいのも知っている。イラブチャーもちょっとクセがあるのも知っている。大人ってズルい。

揚げる

小判型に整えていよいよ揚げていく。
まとめにくかったイラブチャーとオジサンが揚げている途中でバラバラにならないか不安。

kamaboko_45.jpg
揚げたら皮はどうなるのか。

kamaboko_46.jpg
小判型に成形して。
kamaboko_47.jpg
投入!業務用のフライヤーの安心感よ!
kamaboko_48.jpg
2,3分で揚がる。
kamaboko_49.jpg
浮き上がってきたらそろそろ取り出すタイミング。

おまけのつまみ

kamaboko_22.jpg
下味をつける。しかし青い。

残った頭と骨は、下味をつけてカラッと唐揚げに!

kamaboko_23.jpg
粉をまぶして。
kamaboko_24.jpg
ジュワー!絶対美味しいはず。

kamaboko_25.jpg
発掘された化石っぽい。

盛りつける

揚がったかまぼこ。
皮の色はあまり変わっていない。オジサンは赤い皮がしっかり残っている。イラブチャーは青くはないがうっすら緑色に。
ムルーとグルクンは特に変化なし。

kamaboko_51.jpg
揚げた時より縮んでる。

kamaboko_54.jpg
グルクン100%かまぼこ。

kamaboko_53.jpg
ムルー100%かまぼこ。

kamaboko_75.jpg
オジサン100%かまぼこ。刺身で買ったので単品。

kamaboko_52.jpg
イラブチャー100%かまぼこ。

プロの料理人のお父さんは、これだけの盛りつけだけでは物足りなかったのでしょう。

kamaboko_55.jpg
切り分けて...

盛りつけた!
kamaboko_56.jpg
ムルーかまぼこ盛り。全部食べられます。

もうひとつ作ってみたかった一品。
100%グルクン魚肉ソーセージ

kamaboko_57.jpg
つなぎは使わず塩のみ。
kamaboko_58.jpg
オーブンで蒸した。

グルクンの半身に塩をまぶしてすっただけのグルクン100%の魚肉ソーセージ。
揚げるのと蒸すのでは味に違いがでるのだろうか。

kamaboko_59.jpg
焼いても美味しそう!

試食

kamaboko_60.jpg
魚づくし。

かまぼこの素材の味を評価するので醤油などはつけずに食べてもらう。

kamaboko_61.jpg
まずはグルクンから。
kamaboko_64.jpg
他のかまぼこも食べて。

kamaboko_63.jpg
考える。

kamaboko_65.jpg
魚肉ソーセージが人気。

kamaboko_67.jpg
完食。

骨の唐揚げもすべて完食。

結果

1.イラブチャー

まさかのイラブチャーが満場一致で1位!
味、香り、食感、どれも申し分ない美味しさ。クセもなく普通のかまぼこに近い味。

2.グルクン

今回のメイン、昔ながらのグルクンかまぼこは2位。まあ無難な結果だろうか。
食感は硬い。歯ごたえがスゴい。久米島の昔ながらのグルクンかまぼこに近い味と食感だそうだ。
混じりっけのないグルクンの味。生姜醤油をつけて食べると美味しさ倍増。

3.ムルー

3位はムルー。子どもたちと女性2人が選んだ。
もそもそした食感。時間が経った白身魚フライの食感といえばわかりやすいだろうか。魚の味が強く嫌いではない。
口の中の水分が持って行かれる。もそもそ...

4.オジサン

子どもたちが一番美味しい!と予想したオジサンは最下位。男性2人に不評だった。
味は悪くない。鯛めしの鯛っぽい味。しかしとにかく口当たりが悪い。ムルーよりももそもそしている。のどが渇くし...
子どもたちの感想はしつこい

グルクン魚肉ソーセージ

全員に人気だったグルクン魚肉ソーセージ。揚げたかまぼこと違いやさしい味がする。
生姜醤油をつけるとお酒の肴にぴったり。魚嫌いでもこれなら食べられるかも!?

今までかまぼこは買って食べたことしか無かった。実際に作ってみると大変な手間がかかる。
昔ながらのグルクン100%でかまぼこを作るのはとても難しいのだなと思った。
小骨が多く下処理に時間もかかり、値上がりもしているので、グルクンのみで作っていては採算をとるのが難しいのだろう。

kamaboko_66.jpg
全部美味しくいただきました。

ちなみにももたま菜さんにかまぼこはメニューにありません。
今回の100%かまぼこ、食べたいと思った方は予約したら作ってくれるかも!?

ももたま菜ファミリーのみなさん、ありがとうございました。
また何かやることがあったらよろしくお願いします!

月間ベストワースト記事投票実施中

関連する記事

フォローしたらいいことあるかもよ

DEEokinawaの新着記事や裏話、面白写真などが毎日届くかもしれません。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

Copyright©DEEokinawa All Rights Reserved.
このウェブサイトに掲載のイラスト・写真・文章の無断転載を禁じます。すべての著作権はDEEokinawaに帰属します。

ページのトップへ