2012.06.12

突撃!コザのパッチショップ

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音楽のまちであると同時に服飾のまちでもあるコザ。中央パークアベニューで48年間あまり刺しゅうワッペンの店として営業を続ける『PATCH SHOP TIGER EMB(タイガーエンブ)』さんに突撃取材してきました。

「音楽のまち」として知られている沖縄市のコザ。
しかし、コザにはインド人経営のテーラーやブティック、刺しゅう、パッチ(ワッペン)ショップなども数多く立ち並び、別名「服飾のまち」とも言えます。

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模型屋っぽい外観の刺しゅう店
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すぐ隣にも狭小間口の渋い店が

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そんなコザの中心部、中央パークアベニューにある刺しゅうワッペンのお店を訪ねてきました。
 

PATCH=刺しゅう

通りでひときわ目立っていた『PATCH SHOP TIGER EMB(タイガーエンブ)』さん。黄色いトラの看板が目印です。

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それではおじゃまします。

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店内に入るなり目に飛び込んでくる、刺しゅうワッペンの数々!

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ずらずらずらずらずらずらずらずら
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ずらずらずらずらずらずらずらずら

これだけあると圧倒されてしまいます。
しかもひとつひとつ見ていくと、とても繊細なデザインが刺しゅうされていることにさらに驚かされます。

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文字もイラストもなんでもござれ。

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軍のかっこいいエンブレムからほのぼの亀さんまでバラエティ豊か。
 

オーナーの安里さんにお話を伺いました

せっかくなので、2代目オーナーの安里さんにいろいろとお話を伺ってみました。

まず気になるのは店内の壁に飾られているワッペンの数。
数年前に数えた時に3,000枚を超えていたそうなので、現在は5,000〜6,000枚以上あるかもしれないが詳しい数は分からないとのこと。
たしかにこれを数えようと思うと一大事になりそうです...。

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こちらのお店「PATCH SHOP TIGER」は1964年2月の創業。ご両親が経営されていた初代から数えて48年あまり続く老舗です。
コンピューターミシンで刺しゅうされているため、ここまで繊細なデザインが表現できるんだそう。

デザインはデジタルデータでの持ち込みかとおもいきや、なんと基本的に全て紙。
デジタルデータの場合はいちどプリントアウトしてからになるそう。
この元デザインをもとに、まずはに店内で専用のデザインデータを起こします。
刺しゅうにしたときにきれいに見えるようにいろいろと調整していくのだそうです。細かいものだと、このデザイン起こしだけで3〜4日かかってしまうものもあるとか。

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ヘリの刺しゅう。
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戦闘機の刺しゅう。

売上の約9割は米軍、自衛隊などの軍関係。
そのなかでも航空隊が主だそうで、フライトスーツの胸と腕に、名札とエンブレムをセットでつけることが多いのだとか。

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刺しゅうの配色・キャラクター・エンブレムの種類で、所属の航空隊を表しているのだそう。
海外遠征やフェスティバルなどのイベントごとにもよく作られるそうです。

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エンブレムだけでこんなに種類が。

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軍関係以外、残り1割の民間からの受注で多いのはボーイスカウトなどの団体。
キャンプやジャンボリー、ウォークラリーなどのイベントごとにワッペンを作ることが多いのだそう。
その他では、サッカー・野球などのスポーツチームやサークルや企業などからの発注もあるそうです。

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バッグの持ち手につけて名札がわりにも。
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パッチホルダーなるものもあります。

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これら刺しゅうのひと針ひと針は、0.Xmmの世界。
だからこそ細かいデザインもクリアに再現可能なのですね。

10cm前後の大きさだと、ロット数50枚〜で1枚あたり1,000〜1,500円が相場。データ代込み。
どうしてもという場合は20〜30枚からでも相談にのってくれるそうです。

ちなみにDEEのロゴマークだと、5cm前後の大きさで500円ぐらいでできるとのことでした。
つ、作りたいかも...!
 

刺しゅうに歴史あり

刺しゅうの歴史についても伺ってみました。

戦後の経済復興として本土から様々な業種の指導者がやってきて技術を伝えたものが、ここコザのまちで嘉手納基地の米兵相手の商売として根付いて広がっていったと言われているのだそう。

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コザのテーラーは技術が高く、安くいいものが作れると評判で、アメリカの軍人が本国アメリカへ帰る前にスーツを仕立てていくのが流行ったそうです。その名入れなどでも刺しゅう店は活躍したのでしょうね。

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沖縄っぽいのもあり。
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定番の I ♡ シリーズ
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「あなたは甘い尻を賭ける」???
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弱そうな FIGHTER MONKEY

店内をすみずみまでじっくり見ていくと、実用的なものに混じってへんてこな刺しゅうやかわいい刺しゅうも。
既成のデザインは1枚から買えるので、手持ちの服やカバンなどをオサレにカスタムすることも可能。

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店の外にアウトレット品が入った段ボール発見。

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リッチさんはできあがった商品を受け取ることなくアメリカに帰ってしまったのでしょうか...。

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マイコー!

というわけで初めてのぞいてみたコザの刺しゅうの世界。
歴史と技術がぎゅっと詰まっていました。
お店をのぞいてみるだけでもかなり楽しいので、是非いちど訪れてみてくださいね。

突然の取材依頼を快く承諾してくださったオーナーの安里さん、ありがとうございました!

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PATCH SHOP TIGER EMB
有限会社タイガーエンブ

〒904-0004 沖縄県沖縄市中央4丁目10番3号
TEL/FAX:098-937-8234
http://www.tiger-emb.net/shop/

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