- DEEokinawaトップ
- 特集
- 幻の料理、カニ豆腐を作ってみる
幻の料理、カニ豆腐を作ってみる
皆さんは戦前に沖縄で作られていたカニ豆腐(カニウブルー)という料理をご存じだろうか。今回はカニ豆腐をカニから作ってみる、そんな試みの話である。
「カニ豆腐」という料理がその昔あったらしい
さて、DEE読者の方で「カニ豆腐」(カニウブルー)という料理をご存じの方はいらっしゃるでしょうか?中華料理とかによくある、カニの身をあんかけにして豆腐にのせるアレじゃありません。カニ豆腐とはカニの身を細かく砕いて、それを絞ったものを煮詰めた料理だそうで、戦前沖縄で作られていた料理なのだそうです。
この料理、聞き取り調査や市町村誌などでは確認ができるけど、現在は作られていないようです。

(モクズガニがうじゃうじゃ)
というわけで
今回は実際にカニ豆腐をつくってみる
という企画でございます。

(杵を持ってるのは川副さんの友達の小学生)
今回この企画を立ててくれたのは沖縄市郷土博物館の川副裕一郎さん。まぁ何となくわかるかと思うのですが、オキナワウスカワマイマイを捕ってくれたK先輩です。川副さんは僕の大学時代の研究室の先輩で一緒にカニに注意しに行ったり、ヤシガニを探しに行ったりと色々DEEの記事でもお世話になっています。
今回はカニ豆腐のためにカニを捕まえて、食べられる状態にしておいてくれました。
-

- 1.こんな川に蟹網を仕掛けて
-

- 2.カニを捕まえるらしい
-

- 3.こちらは泥抜き中のカニ
-

- 4.カボチャを与えて中身をキレイに
さらに、「昔ながらのやり方を再現したい」的なお願いをしたので
-

- 石臼。沖縄消防本部に貸して頂いた
-

- こちらは杵。わざわざ木から削ってくれたらしい。
石臼を借りてきて、さらにたて杵(方言名ではアジンというらしい)を木材から削り出すというめっさ手のかかることまでしてくれました(すみません!すみません!)。
カニ豆腐の作り方
それではカニ豆腐の作り方を見ていきましょう。因みに割とグロ注意ですので、つぶれたカニとかが駄目な方はここから先、気をつけてください。

まず石臼にカニを入れて
-

- 杵で一撃
-

- つぶれたカニ
杵と臼でカニをすりつぶします。

カニのエラを取ってます。このエラは琉球大学医学部に持って行って寄生虫がいるかどうかを鑑定してもらうのだそうです。

つぶれたカニたち。

さらに石臼ですりつぶしていきます。

昔ながらの製法だと、そのまま細かく石臼でカニを砕いていくようなのですが、我々はここで文明の力を。カニと同じくらいの量の水を加えてミキサーを使ってさらに細かく砕いていきます。

すりつぶしたカニをサラシの上に。

そしてつぶしたカニから汁だけを絞りとります。これがものすごく手間がかかる作業で、カニを濃縮した汁が出てくるんですがなかなか絞りきれない…。なんかちょっとドモホルンリンクルのCMを思い出しました。

このカニ濃縮液に醤油と砂糖で味付け。火にかけます。

そうすると熱でカニ汁が凝固して、そぼろみたいなものに。これが「カニ豆腐」らしいです(しかし、みんな実物を見たことがないので本当にそうかわからない…)。
カニ豆腐はうまいのか
それではカニ豆腐をよそって、さっそく食べてみましょう。

見た目は豆腐と言うよりそぼろみたいな感じ。

食べてる全然写真がないのですが、カニ豆腐の気になる味は、カニみそを5倍くらいに濃縮したようなものすごい濃厚なカニ味。
これ普通にうまいわ。
しかし、これ開始から3時間くらいは経ってたので、かなり手がかかってます。活きの良いカニが採れなくなったことや、料理にものすごく手間がかかるあたりが今カニ豆腐が料理として残っていない原因なのかもしれません。
ザリガニ豆腐も作ってみる
カニ豆腐を作るにあたって、川副さんが「これってDEE的にもっと面白い方がいいんじゃない?」と気を利かせてくれまして

アメリカザリガニも捕まえてくれました。というわけでアメリカザリガニ豆腐も作ってみることにします。
-

- ザリガニinミキサー
-

- とりあえず細かくします

もう臼は面倒臭いのではじめからミキサーで粉砕します。

なんかキレイなピンク色の液体が出てきました。

そして完成したのがアメリカザリガニ豆腐。味はこちらも美味!カニ豆腐よりもエビっぽい感じでこれはこれでうまかったです。人によっては「こちらの方がカニ豆腐よりうまい」という人も。

皆さんもザリガニが沢山入ったら是非アメリカザリガニ豆腐を!
カニ豆腐は普通に美味だった
そんなわけで「カニ豆腐を作ってみた」とい記事でしたがいかがだったでしょうか?僕はカニ豆腐という料理自体が初耳だったので、どんなものなのか全然把握していないまま、挑んだんですが普通に美味であり、割とオチに困っております。

なので、今回カニ豆腐を企画してくれた川副さんの博物館の企画展をご紹介して特集を締めたいと思います。
現在沖縄市の郷土博物館では「ヨロイをまとった生き物~沖縄のカニ・エビ・オカヤドカリ~」と銘打って12月9日まで沖縄県に生息するカニ・エビ・オオヤドカリなどの特別展示を行っておりますよ!沖縄にお住まいの方は是非足を運んでみてください!
沖縄市郷土博物館
沖縄県沖縄市上地2-19-6 文化センター3F
休館日:月曜日・祝日
入館料:無料










