ヒヌカンにスマートスピーカーを搭載した話

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沖縄の家庭で祭祀されているヒヌカンは、各所にいる神様へアクセスするための端末としての役割も持っているという。それってスマートスピーカーみたいなものじゃないのだろうか。という考えから端を発したエイプリルフールの制作日記です。

さて、昨日はエイプリルフールでしたね。我々DEEokinawaでは声で操作するヒヌカン、「Smart Hinukan」を開発した、というネタをお送りいたしました。

終わったネタについて語るのはあまり本意ではないのですが、4月1日にネタを更新して、翌日も僕の記事というスケジュールだったのでちょっとズルをして、本日は「Smart Hinukan」のメイキングについてご説明したいと思います。

まずは完成形からご覧下さい。

起動すると旧暦と一日十五日までの日数を教えてくれる、ヒヌカンを御願する時の唱え言(グイス)を教えてくれるという機能をスマートスピーカーに持たせたものです。

ヒヌカンはスマートスピーカーみたいなものじゃないだろうか

さて、まずはヒヌカンについて。ヒヌカンは沖縄の家庭で祀られている火の神様で上の写真みたいな感じのものです。家内安全や健康祈願、屋敷のお祈りなどがされるだけでなく、遙拝所としての機能も有しており、ヒヌカンを通して遠くにいる神様にもアクセスできるらしいです。

つまりヒヌカンは端末であり、各所にいる神様へアクセスするための手段であるということです。…つまりヒヌカンはスマートスピーカーみたいなモノなんじゃないでしょうか。

なんかヒヌカンに形も似てるし。

というわけでヒヌカンにスマートスピーカーを載せる、みたいなアイディアをずっと温めていたのですが、エイプリルフールのネタも特に思いつかなかったのでこのネタを使おうと思ったわけです(というのが決まったのはエイプリルフールの4日前でした)。

 

スマートスピーカーに旧暦やグイスをしゃべらせる

まずはスマートスピーカー(Google Home)に任意の言葉をしゃべらせる試みからスタートです。

とりあえず何をしたいかですが、

・一日十五日をリマインドしてくれる
・ヒヌカンの唱え言(グイス)を教えてくる

を目指したいと思います。ヒヌカンは旧暦一日十五日には御願をしないといけないらしいのですが、旧暦のカレンダーとかがないとスケジュールが把握しづらいと思うのです。スマートスピーカーが旧暦を教えてくれればいいのですが、残念ながらそういう機能はまだない模様。

もう一点はヒヌカンに御願をする時の唱え言。ヒヌカンには一日十五日の御願を始めとして、屋敷の御願、旅立ちの安全祈願など色々なケースで唱え言が異なっています。まぁこのあたりは自分で決めても問題無い気もするのですが、だいたいの例文的なものをしゃべってくれると便利なのでは(あるいはスマートスピーカーがしゃべることによって御願になれば)と思いました。

全く知識ゼロからのスタートですが、方法を検索したところ「Actions on Goolge」というやつを使えばなんとかなるらしいとのこと。なんだActions on Goolgeって。

というところからスタートして(技術的なことは端折るけど)起動したら旧暦と一日十五日までの日付をしゃべる(ヒヌカンは旧暦の一日十五日に御願をしないといけないので)、「さようなら」というウチナーグチ「またやーさい」に反応して、会話を終了するみたいな実装を行う事ができました。

旧暦をしゃべる的な部分だけ外部にプログラムを置きました。実装していてアレなんですがGoogleHomeは六曜はちゃんと読んでくれるのですが、十干十二支については漢字だとちゃんと読み上げられません。そのあたりは出力をひらがなにして調整しています。

会話についてはあらかじめ用意されてるDialogFlowというやつを設定することで、色んな発話を聞き分けて処理してくれます。高機能!

ヒヌカンへの唱え言(グイス)についてはヒヌカンについてまとめられている書籍を参考にしました。

本来は御願の日付だったり、自分の生まれ年や性別だったりがグイスに含まれるのですがそのあたりは割愛しました。グイスについては家庭によっても異なるようです。このあたりは単純に「○○と言われる」→「○○と返す」という設定だけなので簡単です。

ここまでで出来上がったプロトタイプが下の動画です。


結構誤認識も多かった

その後テスト用アプリの名前を「ひぬかん」に変更したら全く認識されなくなったり(Googlehomeが「ヒヌカン」と聞き取っていた。ひらがなとカナカナは違う?)、アプリの名前を「ヒヌカン」にしたら怒られたり(汎用的な固有名詞は登録できないらしい)。色々ハマリどころはありましたが、なんとなく機能は実装できたかと思います。

 

スマートスピーカーを香炉の中に格納する

中身はできたので、スマートスピーカーをヒヌカンの香炉に格納したいと思います。

ホームセンターでヒヌカン用の香炉とタイル用のドリルの歯を購入して

お客様工作室で香炉に電源用のコードが通る穴を開けます。

香炉が割と肉厚で全然穴があかなくて焦った(さらに工作室にいたおばさんに「何をやってるのか?」的なことを聞かれて返答に困った)のですが、なんとか穴を開けることには成功。しかし、全然コードが通るまでの大きさにはならずにエイプリルフールのサイトを作りながら、穴を広げていきます。

ひとりで深夜にゴリゴリと穴を広げていく…気分は巌窟王でしたが、最終的に電源コードをつけたまま香炉にスマートスピーカーを入れるスペースが無いことが判明。

結局香炉にティッシュペーパーを詰めて…

スマートスピーカーを上に載せるという単純な作りにしました。

 

結構実用的なものができあがった


この写真の時は電源コードがついてない

というわけでヒヌカンにスマートスピーカーを搭載したメイキングでしたが、なんだかんだで割と実用的なものができあがったと思うんです。スマートスピーカーなのでキッチンで3分測ったり、好きな音楽を流すこともできます。

エイプリルフールの終わりにも書きましたが、唯一の欠点は線香が使えないところでしょうか。致命的。

しかし、機能的には例えば湯飲みの水が減ったらヒヌカンが警告を出してくれるとか、御願に必要なヒラウコウの数を教えてくれるとか、色々機能的にはバージョンアップしていけると思うのです。いかがでしょうか。皆さん。ヒヌカンの未来はきっと明るいんじゃないでしょうか。

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