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島ぞうりとはいったい何なのか 沖縄月星株式会社さんに聞いてみた
沖縄で愛用されるビーチサンダル「島ぞうり」。そもそも島ぞうりとは何なのか。島ぞうりを販売している沖縄月星株式会社さんに聞いてみた。
そもそも島ぞうりとは何なのだろうか
沖縄県民履き物といえば「島ぞうり」。いわゆるビーチサンダルですが、沖縄ではスーパーなどでも通年販売されており、おとなもこどもも、おねーさんも誰もがひとつは持っているんじゃないでしょうか。
僕も学生時代は主に島ぞうりを履いており、ゴムがすり減って底に穴が空いたら次の島ぞうりを買う、という生活をしていました。
さて、沖縄では誰もが知っている島ぞうりですが、ビーチサンダル=島ぞうりというわけでも無いようです。そもそも島ぞうりとはいったい何なのでしょうか?
今回は「元祖 島ぞうり SKYWAY」という商品を販売している沖縄月星株式会社にて島ぞうりとはいったい何なのかについてお話をうかがってきました。
ずっと県民の足を守ってきた島ぞうり
今回お話をうかがったのは沖縄月星株式会社 専務取締役 営業本部長の與那原良光さん。よろしくお願いします!
― 本日はよろしくお願いします。まずは島ぞうりの歴史についておうかがいしたいのですが。
島ぞうりについて発祥はよく分かっていないのですが、元々は戦後にあちこちに散らばった瓦礫などから足を守るために古いタイヤを使って作られたサンダルがルーツであると言われています。
我々の年代50代、60代くらいが子供の頃にはすでに今の形の島ぞうりがありました。色は赤、青、黄色の三色で女性は赤、男性は青か黄色を履いていたイメージでしたね。僕も小さい頃は島ぞうりをずっと履いていましたよ。なかなか靴なんて買えない時代だったんです。
― その頃から「島ぞうり」と呼ばれていたのでしょうか?
そのころは「しまさばぐゎー」「さばぐゎー」と言ってましたね。会話のニュアンス的には島ぞうりという感じの言葉はありました。
― 御社ではどのような経緯で島ぞうりを販売するようになったのでしょうか
弊社ですが、もともとは松本商会という履き物を扱う会社だったんです。1950年の創業で、お店は国際通りの第一勧銀(現みずほ銀行)の隣にありました。
当時、安謝で島ぞうりを作っていた人がいたんですが、事業がうまくいかずに失敗してしまったんですよね。それを僕らが引き継いで始めたという経緯があります。1960年代くらいからでしょうか。最初は商品名など何も書いていない「サンダル」という形で販売していました。
そして13年くらい前ですかね。我々が最初に「島ぞうり」という文字を袋に入れて販売しました。色も当初3色だったのを、色々試作していってオリジナルカラーを作っていったんですよ。今は13色くらいありますね。
島ぞうりのいま
― 商品に「元祖」と入ってますが、これはなぜですか?
当初は僕たちが沖縄で唯一の生産、卸で販売していた島ぞうりですが、徐々に各社が同じような商品を出してきたんですよね。ですのでこちらは「元祖」と入れています。
彫刻された島ぞうり
僕らの商品はインドネシアで生産しているんですよ。こだわりはゴムの配合です。ほどよく柔らかくて、彫刻などの加工もしやすいです。最近出回っている島ぞうりの中には彫刻などの加工がうまくできないものもあるので、そういった商品と棲み分けするためにも「元祖 島ぞうり SKYWAY」というブランドで販売を行うようになったんです。
今は国産で島ぞうりを作っている所もあるのですが、島ぞうりの上の白いゴムが国産だとなかなか作れないんですよ。
― 先ほど彫刻の話がでました。島ぞうりの彫刻は昔からおこなわれていたんでしょうか?
彫るのはここ10年くらいでしょうか。ただ、昔は線香を使って僕らは自分の名前を彫ってましたよ。
ここ5年前くらいかプリント島ぞうりというのも作っています。大手のスーパーさんから島ぞうりに龍神マブヤーをプリントして欲しいという依頼がありまして、それが始まりですね。
― 島ぞうりの売り上げは年々上がってるのでしょうか
年々売れてますね。先にも出ましたが島ぞうりは加工ができるじゃないですか。なので学校の授業なんかでも使われているようになったりもしているらしいです。他にも諸説ありますが島ぞうりは鼻緒を指で挟んで歩くので、幼児の足のアーチ作りにすごく良いということで幼稚園なんかでも履かれるようになっているみたいです。
― 島ぞうり、今は沢山色がありますが色によって売れ筋はありますか
赤・青、黄色の基本カラーはもちろんですが、全体的に売れているイメージですね。最近は白黒だったり黒黒だったりと白系、黒系も売れています。
島ぞうりのこれから
― 島ぞうり、これからの展開はありますか?
そうですね。今は新しいカラーバリエーションを色々と試作している段階です。
セレクトショップに並んでいそうなオシャレな島ぞうり
新しい色は作れはするのですが、発注のロットが大きいのでなかなか沢山のバリエーションは作れないんです。とりあえず試作を重ねてこれから色々とやっていきたいですね。
こちらも試作品の厚底島ぞうり
他にもネットショップも現在はやっていないので、いずれはインターネットでも事業をやって島ぞうりを全国に広めていきたいと思っています。
― ありがとうございました!島ぞうりって結局何なのでしょうか?
そうですね。安いし可愛いし、健康にもよい。安いので無くなっても壊れてもそこまでショックじゃ無い(笑)。島ぞうりってビーチサンダルであって、そうじゃない。沖縄の生活に根付いた履き物だと思います。
これからも島ぞうり
というわけで本日は沖縄月星株式会社より島ぞうりについてのお話をうかがいました。島ぞうりはワンコインで買える手軽な履き物ですが戦後からずっと様々な人の足を守ってきた沖縄県民のソウルシューズなのだぁと思いました。
色々と新しい展開もありそうなので、これからも新しい島ぞうりの誕生を見守りたいと思います。沖縄月星株式会社さんの「元祖 島ぞうり SKYWAY」は県内スーパー、流通センターなどで購入が可能です。また100足くらいの大きなロットであれば沖縄月星株式会社さんから直接卸値で購入することもできますよ。
沖縄月星株式会社さん、取材にご協力頂いてありがとうございました!
取材協力:
沖縄月星株式会社
沖縄県豊見城市字与根510番地1
098-840-2121
http://www.okinawatsukihoshi.com