• 沖縄北部だけで買える!?まぼろしの氷菓『ロンロン』の謎にせまる【前編】
2021.05.26

沖縄北部だけで買える!?まぼろしの氷菓『ロンロン』の謎にせまる【前編】

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沖縄県北部の人しか知らない氷菓『ロンロン』をご存じだろうか。なぜ『ロンロン』は沖縄北部の人間しか知らないのか?どこに行けば買えるのか?謎多き氷菓『ロンロン』を徹底的に調べてみたい。

先日、名護市に住む友人から『ロンロン』という氷菓をもらった。

私は沖縄南部に住んで10年になるが、『ロンロン』という名前は初めて聞いたので、ただただビックリ!!

なぜ『ロンロン』は沖縄北部の人間しか知らないのか?どこに行けば買えるのか?
今回は、謎多き氷菓『ロンロン』を徹底的に調べてみたい。

 

『ロンロン』との出会いは突然に!

ある日、名護に住む友人が『これ知ってます?』と、クーラーボックスに入れて『ロンロン』を持ってきてくれた。


これが『ロンロン』だ

何のことかと思ったら、俗に「チューチュー」とか「チューペット」と呼ばれている、あの細長い氷菓である。

「え?知らないですか?名護では子供のころからロンロンを食べてますよ」と言われたのだが、本当に、まったく、知らない。

私が南部に住んでるから知らないだけなんだろうか???
でも、南部に住んでいる友人に聞いても、『ロンロン』を知らない人が多い。

これは調べてみなければ!!!

 

『ロンロン』のパッケージを詳細に見てみる

パッケージを見てみると、本当に謎が多いので、順番にご紹介したい。
さきほども言った通り、中身は「チューチュー」「チューペット」と呼ばれる、あの氷菓である。


中身は、あの氷菓!

味は、オレンジ味とコーヒー味の2種類らしく、名護近辺の昔ながらの駄菓子屋や共同売店で、凍った状態で売られているらしい。

価格はパッケージに表記は無いが、1本30-40円ぐらい(オープン価格)らしい。

ただ、味は2種類あるのだが、パッケージは一緒のもの。つまり、コーヒー味とかオレンジ味の表記がない(笑)
そして、「全糖」「T-3」「ロングロング」などの気になる文言がたくさん!

製造者の住所が名護市東江になっているので、北部でしか流通していないのは、そのあたりが原因かも。


名護市東江で作られているようだ。

北部でしか知られていない理由を考えてみた

では、なぜ北部でしか流通していないのか。
情報が少なすぎるので、色々と考えてみた。

【仮説①】
まず考えられるのは、名護市にある会社で作られているから、
流通もそれにあわせて名護近辺でしか売られていないから。

ただ、そうなると、なぜ南部では販売しないんだ?という疑問は残ります。

次に考えられるのは、販売店の問題。
沖縄2大スーパーである、サンエーにもかねひでにも置いていない。
そしてコンビニにも置いていない。

聞いた話だと、ロンロンを置いているのは、昔ながらの共同売店、商店、駄菓子屋などに限られているみたいだ。

【仮説②】
なにか、そういう昔からの販売店との謎の契約があるのかも・・・!?

・・・などと考えるのは楽しいけど、いつまでたっても答は出ません。
という訳で、今回は『ロンロン』の製造会社の社長に、インタビューをお願いしました!

 

『ロンロン』製造会社の社長にインタビュー!

ロンロンの製造者は、有限会社 渡具知とあります。

パッケージを眺めていても何も分からないので、最初に『ロンロン』をくれた友人から紹介してもらい、有限会社渡具知の、渡具知豊社長にお話を伺いました。


有限会社渡具知の、渡具知社長

―― はじめまして、よろしくお願いします。

はじめまして。
いや、いきなりなんですけど、なんかたまたま今日の朝「沖縄限定アイス・ロンロン」みたいなYouTubeがあがっていましたね(笑)

―― あ、見ました見ました。
『ロンロン』の取材日の朝にあの動画がUPされるなんて、何か仕組まれているのかと・・・(笑)

私も何か仕組まれているのかと思いましたよ(笑)
単純に、あの女の子2人が知り合いの知り合いで、今朝、私のところに情報が届きました。
それをFBでシェアしたんですが、見てもらえたんですね?

―― もちろん見ましたよ。私もFBでイイネしておきました(笑)

ありがとうございます。


【ちゅらさんぽ動画】沖縄限定アイス

 

『ロンロン』の誕生秘話!

―― まずお伺いしたいのが、『ロンロン』が誕生するまでの経緯なんですが・・・

弊社は、1957年に名護市でナゴ・ラッキージュース製造所として創業しました。
ジュース以外にシャスターコーラの製造販売もしていました。

―― いきなり、ザ・沖縄な名前が(笑)
ラッキージュースやシャスターコーラって、懐かしい名前ですね。

懐かしいし、有名ですよね。
ウチはもともとはジュースやコーラの製造所として創業したんですが、
その後、1973年に称号を丸山冷菓と改称して、いろんな氷菓の販売をスタートしました。

その中で1983年に、沖縄明治乳業(以下、沖縄明治)と共同開発した氷菓として『ロンロン』が誕生しました。

―― なるほど。『ロンロン』は、沖縄明治さんとの共同開発商品だったんですね。

そうです。
その当時の事情から話をしますと・・・

「チューチュー」という商品がありますよね?
あれは当時は、沖縄森永乳業さんが販売していました。

で、これに対抗すべく沖縄明治さんで何か同じような商品を作りたいという話が、私の父親である先代の社長のところに来たようでして。

沖縄明治さんとウチで一緒に共同開発したのが、『ロンロン』の始まりです。


『ロンロン』は沖縄明治乳業との共同開発商品!

 

『ロンロン』の名前の由来

―― なるほど。そんな歴史があるんですね。

当時、『ロンロン』のライバルは、沖縄森永の「チューチュー」でした。 その「チューチュー」の内容量が80㏄だったんですね。

ならば、『ロンロン』は少し内容量を増やして90㏄にして、中折れしないタイプで、ちょっと長いからロングロングで、ということにしたんです(笑)

ライバルより大きくすれば売れるという、当時の判断なのでしょうね。

パッケージのデザインもキリンにして、首が長いに引っかけてロングロングにしました。
これを略したのが、『ロンロン』という名前の由来です。

パッケージに「なが~いアイスロングロング!!」とあり、キリンの首が書いてあるのですが、それがロングを表しています。


キリンの首がロングロング!

 

キリンの島ゾウリ伝説

あと、このキリンのデザインに関してですが、キリンが島ゾウリを履いているという伝説があります。

―― キリンが島ゾウリを??

パッケージのキリンの絵の足元を見てもらうと、よく分かると思います。
足が蹄(ヒヅメ)みたいになってるんですが、キリンが島ゾウリを履いてるようにも見えますよね?


蹄か?島ゾウリか?

―― 確かに島ゾウリにも見えますね。これは意図してやったんですか?

いや、まったく意図していません(笑)
人から「島ゾウリみたいですね」と、言われて初めて気付きまして。
否定しちゃうと面白くないんで、あくまで伝説ということで話に含みを持たせています(笑)

 

謎の数字「T-3」とは何か?

―― あと、パッケージデザイン的なことでいうと「T-3」という表示がありますよね?

ああ、あれね。あれは魔法のような言葉でして。

ウチが「渡具知」なので、渡具知の頭文字で「T」。

で、『ロンロン』は、沖縄明治さんにほぼ全部を卸す商品でした。
渡具知で沖縄明治さん向けに作られた3番目の商品、ということで「T-3」。

本来は裏に小さく書くべきものを、表に大々的に書いちゃった、ということなんです(笑)


大々的に書いちゃった「T-3」

―― 書いちゃった、ということはミスだったんですか?

いや、当時は何も考えてなかったんだと思います。

先代社長の親父に聞いたら、そのデザインは昔からだと。
大事なのは包装デザインではない、中身なんだ!ぐらいの考えだったみたいです。

まあ、それが許される時代だったんでしょうね。

親父から「そんなとこ、気にならんだろ?」と言われたから「いや、気になるだろ」と返事しておきました(笑)

―― 当時、沖縄明治さんと渡具知さんとでは『ロンロン』と呼ばずに「T-3」と呼んでいたのですか?

いえ、当時から沖縄明治さんもウチも、『ロンロン』と呼んでいます(笑)
逆に「T-3」なんて誰も呼んでいません。

あくまで社内的に使う記号を、何かの間違いで大々的に表に書いちゃった。
それだけのことです(笑)

 

「ロンロン」には防腐剤が使われていない!

話は変わりますけど、普通の「チューチュー」って凍っていない状態で売られていますよね?

―― そうですね。凍らすのは自宅でやる液体タイプで売られていますね。

でも『ロンロン』は凍ったまま流通させているんです。

―― なぜなんですか?

そもそも防腐剤を入れていないんですよ。

それが、「志高く」なのか。
当時の会社に防腐剤の知識がなかったのか。そのあたりは今となっては分かりませんが(笑)

まあ、現代風に言うと「体に良い」ということになりますかね。
健康に気を使うというのは、昔から我が社のポリシーなんですよ。

ただ、防腐剤を使わないから、商品を凍ったまま流通させないといけないんです。
これが色々と悩ましいところでもあります。

流通が冷凍状態(冷凍車)でしかできないので、物流を含めて取り扱いが難しいんです。


防腐剤を使わないから冷凍で流通!

 

防腐剤と流通の問題

―― 単純に考えると、液体の状態で『ロンロン』を流通させれば、もっと知名度を高めるのは可能だと思うのですが。

それはおっしゃる通りです。
理論的には、防腐防カビ剤を入れて『ロンロン』を常温で流通させることは可能なんです。

―― なぜやらないんですか?

私の信念として、やりたくない。
やはり防腐剤を入れるのは、体に良いことではない。
なので、わが社の経営理念・ポリシーに反します。

今後も、ウチが防腐剤の入った『ロンロン』を販売することはしません。

―― もし他社から防腐剤入りで作ってくれという話があったらどうしますか?

あくまで仮定の話ですが・・・

OEMで防腐剤を入れて生産してください、販売は責任をもってやります!!
という会社がありましたら、ぜひウチにお声がけください!!という気持ちですね。

他社の名前で売ってくれるというなら、防腐剤はご自由に!
ただ、製造はウチに任せてくださいね!という感じです(笑)

―― なるほど。難しいところですね(笑)

 

『ロンロン』に書いてある「全糖」の意味

あと、パッケージに「全糖」って書いてありますよね。

―― はい。ありますね。

「全糖」とか「無糖」とかいう言葉があると思うんですけど、「全糖」って要は「すべて砂糖でできていますよ」ということなんです。

当時は今ほど「砂糖=悪」ではないので、白糖をふんだんに使っていますよ、ということです。

つまり、何が言いたいかと言うと、チクロやサッカリンといった科学的な甘味料は使っていませんよ、という意味です。

当時としては天然由来というか自然なものを使った食品という意味で「全糖」を使っていました。

ただ、当時はそれで健康に良いとか言えたんでしょうけど、いまでは白糖=健康というイメージはないですよね。
しかも白糖だけでなく色素もがっつり入っていますんで、食べたら舌がオレンジになったりはしますね。


この「全糖」の文字にも深い意味が!

―― そういえば、チクロは発ガン性を指摘されて、日本では50年ほど前に使用禁止になりましたよね。
沖縄でも、チクロを使っていた飲料メーカーが次々に倒産したという話を聞いたことがあります。
『ロンロン』は、チクロを使っていなかったから生き残ったとも言えそうですね。

健康っていう基準を、現代のモノサシで考えちゃうと、
色素に玄米などを使ってより健康志向な『ロンロン』を作って販売する、となっちゃいますけどね。

―― 難しいところですね。健康という概念そのものが、時代と共に変わってきているんですね。

そうなんですよ。
時代にあわせて、『ロンロン』の内容を見直してパッケージも変えて、健康志向の商品に変えていくというのも、
ひとつの考え方ではあるんでしょうけれど・・・
私個人としては、それはあまりワクワクはしないですね!

 

後編に続く

『ロンロン』の基本的なことをお伺いするだけで、ものすごく長くなってしまいました。
まだまだインタビューは続くのですが、今回はここまで。

後編では、そもそもの大きな疑問である、『ロンロン』はどこで買えるのか?、なぜ北部だけで有名なのか?
沖縄で売られている最南端のお店はどこなのか? などついてインタビューしています。

お楽しみに!!

 

取材協力:有限会社 渡具知
〒905-0021沖縄県名護市東江二丁目8-43号
http://www.ryukyuyakuzen.com/

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