切符ラリーで鉄道旅行気分を味わう

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日本に鉄道が開業して150年。これを記念して、沖縄南部を走っていたケービンの足跡をたどる「切符ラリー」が行われているとのことで参加してきました。

2022年は鉄道開業150年という節目の年だそう。

日本に鉄道が開業したのは1872年10月14日。翌15日から、新橋〜横浜間を旅客列車が走りました。

沖縄には、およそ100年前から戦時中まで「軽便鉄道」と呼ばれる電車が走っていたのです。地元では「ケービン」と呼ばれ、親しまれていたとのこと。

そしてここ沖縄でも、鉄道開業150周年を記念した「切符ラリー」が行われると聞き、参加してみました(イベントの詳細はこちら)。

 

鉄道開業150年記念切符ラリー

ラリーの経由地は4ヶ所。すべて沖縄の南部で、ケービンの走っていた軌跡に由来しているようです。

① 那覇〜与那原 軽便与那原駅舎展示資料館
② がんじゅう駅・南城
③ 南の駅 やえせ
④ 道の駅いとまん

全てをめぐると、沖縄南部を東から西へぐるっと回るルートになります。
普通に考えると、自動車を使うのが楽そうです。与那原駅舎の係員さん曰く、車なら3〜4時間でコンプリートできます、とのことでした。

ですが!(できるだけ)当時のケービンに近い移動がしてみたい!ということで、バス+徒歩でラリーしてみることにしました。

沖縄のバス移動は計画が大事です。

特に初めての場所なら、きちんと調べておかないと、バスの乗り継ぎに失敗して詰むことがあります。

また、個人的な都合で、使える時間が平日の午後のみという制限もありました。これを踏まえて、バスの移動計画を練ります。

バス時刻表とにらめっこした結果、平日の午後だけでは全部回りきれません。
そこで2日に分け、東半分(与那原、南城)と西半分(やえせ、いとまん)にそれぞれ行くことにしました。

 

1日目 東半分(与那原、南城)

まずは1日目。

出発地は那覇市・与儀十字路。各方面へと行くバスが出発するバス停で、那覇バスターミナルや開南と並ぶ、バスの拠点の一つです。


「与儀十字路」バス停は複数あり、那覇警察署の前から乗りました。

ここからバス338番に乗車。約1時間で「斎場御嶽入口」に到着します。
佐敷のあたりから雨が降ってきて不安になりましたが、バスを降りる頃には小雨になっていました。それもすぐに止み、青空が見えるように。天気の変わりやすい沖縄ならではの空模様です。


斎場御嶽入口の降車場

バスを降りると、目の前に建物が2つ並んでいます。 向かって右が「南城市地域物産館」、左が今回の目的地「がんじゅう駅・南城」です。


赤い屋根の建物が2つ。左が「がんじゅう駅・南城」です。

右手の建物は南城市地域物産館。カフェやお土産物屋さんが入っています。
今日の目的地は「がんじゅう駅・南城」なので、左の建物へ入ります。


がんじゅう駅・南城

目的の切符は、入り口のドアを抜けてすぐの左手に、パネルと一緒に置かれていました。


台紙と切符はご自由にお持ちくださいスタイル

無事にラリー用の台紙と1枚目の切符をゲット!
ちなみに台紙は、4つのポイント全てに置いてありました。ですので、どの順番で回ってもOKです。

次の目的地へのバスまでは1時間ほど時間があったので、駅近くの知念岬まで行ってみることにしました。
バスを降りたところから、道の駅を左手にまっすぐ進むと5分ほどで知念岬に到着です。


知念岬からの眺め。まだ夏が残っている感じ。

 


斎場御嶽のバス停も複数あります。与那原に向かうのはコレ。

休憩のあと、今度はバス338番で与那原を目指します。行きに乗ったバスで折り返すわけですね。30分ほどで「与那原町役場入口」に到着、バスを降ります。


与那原町役場入口。国道331号沿いにあります。

道の進行方向に沿って歩き、最初の交差点を左へまがると、すぐに正面に駅舎が見えてきます。331号から駅舎へと向かう道は、かつては港から駅へと続く、いわば「駅前の道」だったとのこと。振り返ると後ろには海が見え、旅情が感じられる道路です。

景色は違っても、かつての旅人が通った道や軌跡が残っているのは嬉しいですね。


かつての駅前通り。正面に見えるのが復旧された与那原駅舎。

通りを抜けて、復旧された与那原駅舎へ。


そこかしこに鉄道モチーフのものが置かれています。

無事に2枚目の切符をゲット。せっかくなので、入場料を払って展示物を見てきました。施設内は撮影不可のため写真はありませんが、かつての与那原やケービンの写真は一見の価値ありです。係員さんにお願いするとタブレットを貸していただけ、着色された写真や当時の様子がわかる資料を見ることもできます。

 

2日目(やえせ、糸満)

日を改めて2日目。残りの2駅(やえせ、糸満)を回ります。

出発は1日目と同じく与儀十字路。バス50番に乗って、具志頭にある「道の駅やえせ」を目指します。40分ほどで「具志頭」バス停に到着しました。 自動車で寄ったことはあるのですが、バスで来たのは初めてです。

「具志頭」は「ぐしちゃん」と読むんですが、初見では悩みますよね。


具志頭バス停。空模様が怪しくなってきてます。

バスを降りると目の前にあるのが「南の駅やえせ」です。列車に乗ってホームに着いたような、ケービンに乗っているような気分でした。
さっそく駅に向かいます。


2017年にできた施設で、中も外もとても綺麗です。

「八重瀬町観光拠点施設」が売店と案内所になっています。 入ってすぐの右手に、パネルと切符を発見!

3枚目。あと1枚っ! 集まっていく台紙を見るのは達成感があって楽しいです。

ところで道の駅やえせといえば、駐車場にあるこの木。 「勝利のV字ガジュマル」と命名されています。


元気が出そう

ガジュマルにラリーの無事を祈って、いよいよ最後の「道の駅いとまん」へ。
バスの到着まで1時間ほどあるので、バス停の周りを歩いてみます。

バスの本数が少ないため、必然的にゆっくりした旅になるのですが、それがまたいいのです。


住宅地の中にあります

バス通りから一本、海側に行った道に見どころがあります。 川が流れていて、川沿いに東に進むと……


自然にできた地形、自然が作った橋!

こんな橋がかかっています。「ハナンダー」と呼ばれるこの橋。本来は洞穴だったものが、自然の力でこんな形になったとのこと。沖縄の自然の豊かさにしばし見惚れてしまいます。

このハナンダー、上を渡れてるんですよね。今も地元の皆さんの通行路になっているとのことで、自分も渡らせていただくことに。


橋を渡ってみました。

立派な橋です。小高くなっているおかげで周囲を見渡すことができ、風が抜けるので心地いい場所です。道の駅やえせから5分ほどの場所にあるので、近くに行った際はぜひ!

さて、ハナンダーを離れて、バス82番で糸満に向かいます。40分ほどで糸満に到着です。

計画では「糸満市役所入口」バス停で降りて、国道331号の橋を徒歩で渡る予定だったのですが、ここでふと気づきました。331号って歩いていいの?
慌てていて「渡れないかも!」と思い、一つ手前の「糸満市場入口」で下車しました。そこから港をぐるっと大回りして糸満に向かったのです。


ヤカラー通りを歩いていると、大粒の雨が降ってきました。

市場の北にある「ヤカラー通り」を経由して道の駅いとまんを目指します。
ところで「ヤカラー」って「輩」だとばかり思っていたら「勇者」の意なんですね。失礼しました……。

大回りして北側につき、国道331号を見上げたら。


歩道、ついてた!

後で調べたところ、国道331号の糸満市場から豊崎方面へ抜ける部分には歩道がついていて渡れることがわかりました。が、この時はすっかり勘違いして遠回りしてしまいました。雨もけっこう強くなっていたのに……下調べ、だいじ。

ともあれ、ゴールはもう少し。 道路沿いに歩いて、道の駅いとまんを目指します。


うまんちゅ広場&道の駅いとまんに到着!

30分ほどで到着!
南から歩いてくると、最初に目に入るのは「うまんちゅ市場」で、道の駅は裏手にあります。


ラリーの最終目的地、道の駅いとまん。

ついに到着。
バスを降りてからの徒歩が長かったので、道の駅いとまんの文字が見えた時には軽い感動が。
建物に入って正面左手の受付に、パネルが展示されていました。

コンプリート!
最後の一枚を台紙につけるときはドキドキしました。

バスと徒歩だけで4駅を無事に回れました。

のんびりバスに揺られながら、車窓から見える景色はケービンの利用者も見たかもしれない……なんて思いつつ、旅する気分が満喫できました。

ラリーは切符がなくなるまで(先着500名)行われているそうなので、気になる方はお早めに。
あ、バス旅では、時刻はもちろんバス停の名前と位置を地図などで調べておくのがおすすめです(交差点の4箇所に同じ名前のバス停があることがわりとあります)!

ゲストライター

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蒼記みなみ
静岡生まれの那覇在住、生業はゲーム開発とシナリオ執筆。沖縄の景色にある「蒼」が大好きで、徒歩とバスで蒼を探し回っています。
サイト:TaleFacrory(https://www.tale-factory.com
 
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