2024.01.10

沖縄の家庭料理チムシンジが食べられる食堂があった

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家庭料理ゆえにずっと食べる機会のなかった沖縄料理チムシンジ。初めて食べたそれは、驚くほどたっぷりの具材が入った美味しくて身体があたたまる絶品の汁物だった。

ああ、憧れのチムシンジ

沖縄在住18年ともなるともうだいたいの沖縄料理は食べてきたと思っているのですが、ずっと気になりつつこれまで一度も食べる機会のなかった沖縄料理がありました。それが、チムシンジです。

ちむしんじとは、肝(チム)煎じ(シンジ)、つまり豚の肝(レバー)が入った汁物のこと。
沖縄の汁物といえば具だくさんの沖縄風味噌汁をはじめ、イナムドゥチ、ソーキ汁、てびち汁、中味汁、山羊汁、イカスミ汁、牛汁などバリエーション豊富ですが、なぜかチムシンジだけは食堂などで見かけることがなく、主に家庭の食卓でのみ食されてきた料理のようです。それゆえに、親類にウチナーンチュがいない私にとってはかなり遠い存在。おそらくそれは観光で沖縄に来られる方々にとっても同じことで、何度も沖縄を訪れているリピーターの方でもチムシンジだけは食べたことがないという方も多いのではないでしょうか。

そんなあなたに朗報です。なんと、そのチムシンジが食べられる食堂があったのです。

こちら、沖縄本島南部の八重瀬(やえせ)町にある『ゆかり食堂』
サトウキビ畑に囲まれたのどかな地域で営業しているTHEうちなー食堂です。

こぢんまりとした店内はテーブル席と座敷席に分かれており、ぜんぶあわせて20席前後でしょうか。この日は開店すぐの時間帯に訪れたので先客はいませんでしたが、お昼近くなると常連らしきお客さんが続々と訪れる繁盛ぶりで相席になることも多いようです。

この雑多にものが飾られた実家感がたまりませんね。

壁には地元新聞のローカルニュースが貼られていたり、

ビールやコーラなどの飲料缶で作った手作りとおぼしきオブジェも素敵です。
それではメューを拝見。

イラストが添えられたかわいいメニュー。汁物カテゴリーには燦然と輝く「ちむしんじ 850円」の文字が。そう、キミにきめてた。
ちなみにいちばん上に「ヤギ」というカテゴリーがあることからも分かるように、他のブログなどを見てもゆかり食堂はヤギ汁が美味しいと有名なお店のようです。ただこの日はお正月後のタイミングだったからかヤギ汁とヤギそばはが品切れ中でヤギ刺しのみ提供中でした。

定食メニューも豊富です。そば定食、ゆし定食の選べる一品の豊富さよ。

はじめまして、チムシンジ

しばらくして運ばれてきたのがこちらです。

いや、でかい!

チムシンジが入った丼は子ども用のヘルメットサイズ。
そこにごはん、サラダ、小鉢、薬味としてフーチバーとおろしにんにくがついてきました。

肝煎じという言葉の響きから勝手にすまし汁を想像していたのですが、ゆかり食堂のチムシンジは味噌汁スタイルでした。
たっぷりの野菜と薄切りの豚レバーが見てとれます。ウチナーンチュのみなさまのご家庭のチムシンジと比べていかがでしょうか?

お箸で持ち上げてみて改めて具の多さに驚き。確認できたたけでも豚レバー・キャベツ・冬瓜・ほうれん草・ネギ・にんじん・たまねぎ・ニラ・昆布・切りこんにゃくという10種類の具が入っています。
そのお味はというと、野菜のだしがたっぷりと染み出したやさしい味噌汁に、独特な食感と風味のあるレバーがあわさっておなかの中からあたたまる美味しさ。本来淡白なはずの冬瓜に少しクセを感じたのですが、レバーの風味がたっぷり染み込んでいるからなのかもしれません。まさに栄養たっぷり。
この日は朝から雨だったので少し冷えていたのですが、食べ進めるうちにポカポカになりました。
とにかく量が多いので途中で少し味に飽きてきたときには、フーチバーとにんにくで味変を。パンチのある味わいが楽しめます。そっとズボンのボタンを外しつつ。


辰年のはじまりにちむしんじからタツノオトシゴが出てきて縁起良し

というわけで初めてのチムシンジ、美味しくいただきました。
沖縄料理にもタコライスやチャンプルーなどいろいろありますが、最近は年齢的なものか「汁物」に沖縄らしさを感じて好きになってきました。他にもチムシンジを食べられるお店をご存知でしたらぜひコメントやX/Twitterなどで教えてくださいませ。

ちなみに私は普段わりと低血圧&貧血気味で朝がものすごく苦手なのですが、レバーをたっぷり食べたからか翌朝はめちゃくちゃシャン!と起きられました。体力が落ちている時の栄養補給にも良いのではないでしょうか。

本日は以上です!

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