2011.07.22

【大人の社会科見学】麩久寿 〜伝統の味を守り続けて〜

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沖縄の食卓にはかかせない丸くて長いくるま麩。伝統の味を守り続けている麩久寿さんで工場見学をしてきました。

第4回をむかえた【大人の社会科見学】は、沖縄の伝統食材、を取り上げたいと思います。
今回、突然の取材申し込みにも関わらず快く許可してくださったのは、株式会社 麩久寿(ふくじゅ)。
CMでもおなじみ。沖縄県在住の人で知らない人は少ないのではないでしょうか。

※以前は工場見学を受け入れていたそうですが、衛生管理、安全面の問題から現在は受け付けていません。
(今回は「一人でも多くの方に、こだわって作っている麸を知っていただけるなら」ということで特別に許可いただきました)

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麩久寿は糸満市西崎にあります。

麩久寿の前身は沖縄製麸という会社。現在は沖縄製粉の関連会社。
会社のこだわりは、沖縄の伝統食の一端を担うお麸が持つ本来の味や歯ごたえを守り、それを伝え作り続けること。

スーパーなどで見かける麩久寿の麸は、他の麸と比べて少し高いが、それは、ウチナンチュが大好きな独特の食感のもととなるグルテンの配分量へのこだわりや徹底した温度管理などの手間ひまをかけて作られる為である。
他の麸より少し値段が高いのにはちゃんとした理由があるのですねぇ。

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いろいろな種類の麸を作っている。
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なんと以前は無印良品用にも作っていたそうです!

小麦粉を洗う

小麦粉を洗うと聞いてパッと思い浮かびませんよね。
麸の原料である小麦粉を大量の水で洗うと、グルテンとでん粉に分けられます。
抽出したグルテンから麸を作るのですが、ここに麩久寿のこだわりがあります。

いかにグルテンとでん粉を黄金比率で分けきるかが鍵。
使用した小麦粉全量の半分しかグルテンは抽出されない。

グルテンが少ない麸は、調理中にちぎれやすかったり、炒めたときにベチャベチャになったり、歯ごたえが無い麸になってしまう。
焼き上がりの色が黒っぽい麸は、でん粉量が多いためだそう。
麩久寿の麸は、グルテンの配合を下げること無く焼き上げているので、とてもキレイな焼き色をしています。

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大量に積まれた小麦粉。その名は赤瓦!

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簡単にいえば巨大な洗濯機。
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小麦粉を投入。

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その名もグルテンミキサー!

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水で小麦粉を洗う。

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洗っていくうちにグルテンが固まっていく。

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これがグルテン。

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抜かれた水は浄化槽へ。
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水を入れて再び洗っていく。

小麦粉を洗うときに使用する水の量は約8トン!
この工程を5時間かけて6回ほど繰り返しグルテンを抽出し次の工程へ。

グルテンを抽出するときにでる副産物のでん粉。沖縄では欠かすことのできないひらうこー(平御香)の原料になったり、家畜の飼料になったり、ダンボールの接着で使用するでん粉糊などで利用される。また大量に使われた水は、沖縄の美しい自然環境への配慮のもと、浄化槽に貯めてph値を調整したのち、うわ水だけ流されます。

再び小麦粉を混ぜて練る

隣の作業室へ移動。普段入ることができない場所に入れていただいた。しかし暑い!

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室温は30度以上。温度管理が重要。すでに汗だく。

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グルテンに混ぜ粉をまぶして混ぜる。
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すごい弾力。ゴムっぽい。
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まぶす小麦粉の量が均一になるように計る。
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2本の包丁が回転しながらグルテンを混ぜる。

グルテンだけでは麸は作れないので、ここで「混ぜ粉」と呼ばれる別の種類の小麦粉を混ぜていく。
ここで再び小麦粉を混ぜることで、サクサクッとした良い歯ごたえの麸が出来上がる。
この時も、配分の黄金比率を尊守!
混ぜる小麦粉の量が多すぎると、水に溶けやすい麸になってしまう。浸して絞ったときに流れでてしまうらしい。

練り機〜寝かせる

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人力ではこねるのが大変なので、「練り機」の登場。

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ポコッ。 つきたてのお餅みたい。
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徹底した温度管理。仕上がりに大きく関わる。
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しっかりと空気を抜いていく。
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力のいる作業。室内は暑いので大変!
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空気を抜いたグルテンを型に入れる。
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形を整えて寝かせる。

裁断

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寝かせた生地をプレス。

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プレスされた生地を裁断機へ。

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均一の大きさに切られて出てくる。
 

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かまぼこっぽい。いや、ちくわぶっぽい。

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並べて
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次の工程へ。

写真にある赤と黄色のチップで、数を数えながら並べていく。
ここで数えた数と焼きあがって出てきた数が違った場合、グルテンと混ぜ粉の配分が違っていたかも?最初の洗いが不十分だったかも?など原因を探して確かめなければならない。そのためのチップです。

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15cmくらいのグルテンが
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ビヨーンと1m以上伸びる!

焼き

いよいよ焼きへ。
麩久寿のくるま麸は直火焼き。たくさんの遠赤外線バーナーを使い200℃から230℃で約15分、じっくりと焼かれる。

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機械が焼き棒に油を塗る。

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伸ばしながら均一に巻きつけていく。
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まさに職人技!

巻きつけている焼き棒。なんと260℃くらいあるとのこと!
慣れるまでは何度も火傷をしながら何年もかけ練習し、職人技を習得していくのだ。

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キレイに巻かれて焼き釜の中へ。

職人技をご覧ください!

ただ巻きつけているだけではない。
焼きあがった時、棒から外しやすくするために、くっつかないように滑らせて巻きつけている。
左手の動きに注目して欲しい。
伸ばしながら均等の厚みになるよう調整しながら巻きつけている。まさに熟練のなせるわざ。

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直火で焼ける特注の機械。

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釜の中も見せていただいた。

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膨らんでる!こんがりきつね色。

麸が焼かれる様子

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約1.5mに焼きあがった麸。
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焼きあがった麸を規定の長さにカット。

焼き上がった麸を裁断

できたてホヤホヤの麸を食べさせていただいた。
温かくサクサクしたできたての麸は、ほんのり甘く美味しかったです。
ここでしか食べることができない贅沢!

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カットされた麸は2階の検品室へ。

その他の麸

麩久寿では、丸くて長いくるま麸だけを作っているわけではありません。

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圧縮麸を作る機械。
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圧縮された麸は輸送に便利。

圧縮麸は焼きあがったくるま麸に蒸気をあて、プレスして乾燥。
大きさはくるま麸の3分の1になるので輸送や保存に便利です。おみやげにも人気。
水で戻せば大きさはくるま麸と一緒。

黄金麸はウコンの主成分クルクミンを混ぜた麸。
ウコンの苦味が無く美味しいですよ。

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衛生管理の徹底された独立した作業室。外から撮影。
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給食用の麸。その名も湿麩。

麸を水に浸し、脱水して密封した給食用の湿麩。
給食では大量に使うので、「水で戻す手間が無いものを」という要望に応えてできた商品。
給食用の麸は県内シェアほぼ100パーセント。ほぼ、というのは消費期限が10日と短いので離島などで使用するのは難しいそうだ。

作業室に入る前はエアーで全身を洗ってから。室内全体もオゾン殺菌できたり、戻す水も殺菌装置にかけたものを使用。
給食用なので衛生管理は更に徹底されている。
味と安全を両立させるために、かなりの年月をかけた試行錯誤のもと、この商品は生まれたのです。
子供への食育を思えばこそのこだわりなのです。

また、この便利な湿麩はバイキングを扱う料理店などでも大変好評だそう。

検品〜袋詰め

1階で焼きあげられた麸は、2階へ運ばれて検品。

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切れ端も無駄なく商品になる。
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ここでは女性がメイン。
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パック詰めは手作業。
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これはJAファーマーズ用。
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最後は異物混入チェックの機械に通して出荷。
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ほんの少しの金属でも検知することができる。
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ふんわり麸〜粉。切れ端などを粉砕してできあがる。
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業務用麸〜粉。

焦げた油が付着していないか人の目で丁寧にチェックした後、機械を使って包装・賞味期限の印字・最終的な異物混入チェックなどを経て出荷されていきます。

出荷

こうして出来上がった麸は県内のみならず、日本全国、またハワイやロサンゼルスなど海外にまでに出荷されていきます。
海外在住の沖縄県人会の人の中には、圧縮麸ではなく、丸いくるま麸ではないとイヤだ!という人が多いらしく、輸送費はかさみますが昔ながらの麸が食べたい人がいるなら、ということで送っているそうです。

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出荷待ちの麸。

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これだけ積まれていると強度はどれくらいなのか飛び込んでみたかった。

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全国的に有名な某お弁当チェーン店用の麸。
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せっかくなので買ってきて食べました。フーチャンプルー弁当。

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1階から到着した麸。

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ドドーン!麸の壁。

糸満のJAファーマーズで売ってました

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焼きあがって裁断された切れ端は「天使の麸」という名称で売られています。
天使の麸...そういえばtarouが「天使のはね」で天使の羽は作れるかってやっていましたね(ネタ振りじゃないよ!)

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無印良品の沖縄麸の箱が再利用されていた。レアモノ。

大切にします。沖縄の味。

廉価品が出回る昨今、市場で戦っていくのは厳しいそうだ。
しかし消費者のみなさんに、昔ながらの本物の麸を食べてもらいたいという思いのもと、絶対の自信とこだわりを持って作られている麸。食べ比べてもらえば違いがわかるはず。

この記事を読んで麩久寿の麸へのこだわりを知ってもらい、そして麸を手にしてもらえたら幸いです。

今日は麸を使った料理を食べてみてはいかがでしょう。

ふくじいとの工場見学はこちらから→ 株式会社 麩久寿
ふくじいとはなんぞや?という方はこちら→ 沖縄ゆるキャラ辞典 ふくじい

プレゼントいただきました!

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20パックもいただきました!

読者プレゼントとして麸をいただきました。
が!普通にプレゼントしようと思ったのですが、せっかくなので一つの企画として後日詳細を発表します。

お楽しみに!ふふふ。

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