あの鮮魚店にインタビューしてみた

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「テーマのある鮮魚店」といえばピンとくる人も多いのではないでしょうか。そう、今回はあの鮮魚店をご紹介したいと思います。

テーマのある鮮魚店

以前DEEで「宜野湾の34号線はどうしたいのか?」という特集をやったときに「がちまい倶楽部」という刺身屋さんを紹介したことを覚えているでしょうか。宜野湾の「真栄原鮮魚店」は沖縄県内では有名な「テーマのある鮮魚店」なのです。

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霊体整体院?!開設
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セールスババァー大募集
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撮りためた写真フォルダで発見。2004年だった。
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オバマ大統領のいとこ来店決定!

この鮮魚店と全く関係ないテーマは気づいたら新しいテーマに変わっていて、長年私にとっても大きな謎の一つでした。今回なんと取材OKをいただいたので「いったいなぜテーマを掲げているのか」「テーマはどうやって書かれているのか」を明らかにしたいと思います。

 

インタビュー1 鮮魚店のテーマについて

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こちらが真栄原鮮魚店の店主 上地さん。


— こちらのお店は何年くらいやられているのですか?

この店自体は43年くらいかな。親の代からやっていて26年前に継ぎました。



— テーマを張り出されたのはいつくらいからなのですか?また、テーマを始めたきっかけは?

テーマを張り出したのは15年くらい前かな。今は「本日のおすすめ」とかも張り出してるけど。「本日のテーマ」はそれより前から張り出していたよ。魚屋さんが魚のことを書いても面白くないからね。日常に考えてることを張り出した方がいいんじゃないかと思って。



— じゃあ、あれは「日常思ってること」なんですね。

そうそう。思ったり感じたりしたことを。週間に一回の時もあるし、2-3週間に一回の時もある。思いついたときに書いているね。夜ご飯を食べているときに「これだ!」って思うときもあるし、夜中ドライブしてて思いつくこともあるし。



— テーマはいつもどういう感じで考えられているのですか?

いや、どういう感じというか、ただその場で思いついたことを書いているだけで。世間とか気にしていないよ。世間とか気にしたら書けないからさ。だから中には怒ってくる人もいるし、良かったと言ってくれる人もいるし、それはありがたいんだけど。でも一切気にしない。気にしてたら書けないから。ただ気をつけていることは個人を攻撃するような内容は書いていないよ。わかりやすい内容だよね。

 

— 前に甲子園で興南高校が盛り上がったときは「島袋も刺身食べてます」でしたよね。

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あー。食べるでしょ?刺身。多分食べてるだろうって思って。

 

インタビュー2 テーマへの反響など

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― ネットでもずいぶん紹介されていますよね!

そう。車をおりて写真を撮る人は結構いるんだけど、店に入ってきて魚を買ってれる人が少ないんだよね。テーマを書いて反響があっても売上に一切関係ない。もう、ショックが大きすぎるね!

結構取材も来るわけよ。テレビとかラジオとか雑誌とか。こっちはやっぱり期待するんだけど、全然客は来ない(笑)。3週間、4週間前ですかね、内地の結構有名なテレビ番組が取材にきて出たんですよ。これは関西方面でも沖縄でも放送されたので、これは客がくるだろうと思ったら一切来ない(笑)。そんなに甘くないな、と。楽しいんだけどさ。



― じゃあこの記事を出す時はお店に来てください!って宣伝しておきますね。

是非お願いします。これで借金は少しは返せるはず。うちは365日休みなしでやっているけどホントは休みたいし、時間も短縮したい。でも、借金がいっぱいあるから。休めないわけよ、今。書いていいよ!借金のこと。

人生の格言として「病気と借金は隠すな」。なぜそう言うかというとお金もそうだけど病気もさ、隠すと悪化するから。

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自分は「なんだ葉ー(なんだばー)茶」てのを売っているわけ。これはさ、健康にいいんだけど日本一まずいお茶だわけ。でも病気の人はこれを必死こいて飲むわけよ。この絵?僕が描いた共同経営者の似顔絵。

 

インタビュー3  同じような小さな魚屋さんにも夢を与えたい

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今は大型スーパーなんかもあるもんだからやっぱり違うことしないと、独自性を出さないと駄目だと思うわけ。だからうちは色んな商品開発もしているんだよね。

自分たちが最初に始めたのが「もずく丼」で、今また新商品を考えているわけ。魚屋さんが、ただ魚を売るだけじゃなくて、この小さな店でも商品開発して自分で出して、同じような中小の魚屋さんには勇気を与えてもいんじゃないかと。もう今は小さな魚屋は大型店には負けますって流れだから、そのままやってて面白くないさね。

まぁ、とりあえずは僕も長いものには巻かれていきますけどね。

― 今までいいこと言ってたのに(笑)

 

密着 テーマができるまで

最後にテーマを書いている現場も見せてもらったのでご紹介しましょう。

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テーマを書いているのは従業員の宮城さん。真栄原鮮魚店に勤めて10年になるが入ったときからテーマを書いているそう。小学校の時習字を習っていて、テーマ以外のおすすめなども全て書いているのだそうです。

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台紙に向かい文字を書いていく
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さすがに手慣れたもの
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テーマ指示の紙
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完成図

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こうしてできたテーマが店頭に張り出されるわけです。あのテーマの裏側のご紹介でした。

 

みんなでテーマのある鮮魚店に行こう

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(ちなみにお店に書いてある「がちまい倶楽部」は店名ではなく「真栄原鮮魚店」がお店の名前です)

というわけで、沖縄県民にとって謎の一つだった、真栄原鮮魚店さんからお送りしました。真栄原鮮魚店の営業時間は朝10時から夜10時半まで、年中無休で営業していて刺身、にぎり寿司(8個入り300円)、お店の前ではマグロのカマやチキンを売っているそうです(地図はこちら)。

お店の前を通った人は是非中に入って買い物しましょう(ついでにDEEを見ました的な事を言っていただければ)!DEEはこれからも「テーマのある鮮魚店」を応援したいと思います。

 

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上地さん、宮城さんありがとうございました!

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