さようならココストア南上原店

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ファミリーマートに買収されて徐々に沖縄県内でも閉店していっている「ココストア」、南上原店の閉店3日を追ってみた。

ココストアのことを語ろうと思う

沖縄県でコンビニといえば「ローソン」「ファミリーマート」「ココストア」この3つがあげられます。もっと言えばココストアはもともとは「ホットスパー」というコンビニでしたが、ココストアに買収されて2008年にあの赤い店舗がピンクの店舗が切り替わったことを記憶していらっしゃる方も居るかもしれません。

ちなみにネットの情報によれば「ホットスパー」の沖縄の出店は1989年のことだそうで、沖縄最古のコンビニらしいです。みんな「ホッパー」って言ってましたよね。


在りし日のココストア南上原店

焼きたてパン
店内製造のお弁当

で、ココストアですが一番のウリは店内で製造されているパンとお弁当(一部店舗のみ)。これがなかなかうまいのです。僕も会社勤めの時は深夜まで仕事をしてココストアで弁当かパンを買って帰るという日々をおくっていました。

ちゃんぽんは当然うちなーちゃんぽん
焼きそばも沖縄そば

妙に沖縄にローカライズされたラインナップも魅力のひとつだったと思います。

ココストアのチキン「ココチキン」
ココストアのカフェ「ほっとスタイルカフェ」

しかしながら個人的な意見で恐縮ですが「ローソン」「ファミリーマート」の洗練された商品戦略に対してココストアはどこか泥臭い感じの商品展開で他のコンビニでチキンが売れたからか「ココチキン」なる商品が出たり、店内コーヒーが他のコンビニで定着した頃に「ほっとスタイルカフェ」なるものができたり(しかもカフェマシーン)なんとなく後追い感がプンプンするものもありました。

ポーク卵おにぎりの略称は「おっぽー」
ココストアオリジナルパッケージもあった
沖縄フェアのポーク卵パン
メンチカツおにぎり。持てない。

ときおり新製品やフェアで出てくる商品もなんだかよくわからないものが多くてカオスな感じでした。

しかし逆にそれがココストアの立ち位置として定着して、コンビニというより商店(あるいは小さなスーパー)的な不思議な魅力を醸し出して人々を魅了していたのだと思います。


もとココストア琉大東口店

そんなココストアですが2015年にファミリーマートに買収。沖縄県内のココストアも徐々に閉店している場所を見かけることが多くなりました。

そしてある日、ついに恐れていたことが起こりました。僕がずっとお世話になっていたあのココストア南上原店が閉店するというのです。閉店まであと3日…!というわけで本日はココストア南上原店の閉店3日を追ってみたいと思います。

 

閉店まであと3日

と、その前にココストア南上原店について少し触れておこうと思います。

ココストア南上原店は琉球大学にほど近い、中城村南上原にある店舗で大学が近いので学生が多いからなのか、なんだかよく分からないポップが多かったり

レジ前が駄菓子で埋め尽くされていたりとなんだか他の店舗とはちょっと違うノリで中の人が楽しんでやってる感じがものすごい感じられるお店でした。

さて、閉店3日前。壁には「感謝」の文字。

入り口にはラスト3日の意気込みが。11年も続いた店舗だったらしいです。これまでの感謝と有終の美を飾りたいのであと2日来てください!と綴られています。もうちょっとこれだけでぐっときてしまいました。

50%OFF
商品が割引に

在庫処分のためかレトルト食品や日用品などは割引シールが貼られセールに。

雑誌コーナー。空だ。
変なぬいぐるみ

雑誌コーナーなどはすでに空に。代わりに風船などで飾り付けられていました。

11年間ココストア南上原店で不動の1位は「とりちり弁当」だったようで、この日はすでに売り切れ。

 

閉店まであと2日

翌日。朝から妻と子どもと連れだってココストア南上原店にやってきました。

まだ妻とつきあい始めの頃盛り上がった話題のひとつに「ココストアのクイニーアマンがうまい」というのがあって妻もココストアファン。

満杯の駐車場
賑わう店内

この日は朝から駐車場に車が停められないくらいの盛況っぷり。レジで買い物をする人も定員さんに「何時までやってるのか」みたいなことを口々に聞いていてコンビニというよりも個人商店みたいなノリでみんな別れを惜しんでいました。

新たに追加されたポップによればココストア南上原店では売り上げ1位がとりチリ弁当、2位がちゃんぽん、3位が巻きおに(とりチリ)だったようです。

山積みにされるとりチリ弁当。ごはんと目玉焼き、カリカリに焼いたポークとメインは鳥の唐揚げにチリソースと若干のマヨネーズがかかったもの。

巻きおに(とりチリ)は前述の鳥の唐揚げを芯にご飯と海苔を巻いたもの。おにぎりとおにぎらずの中間みたいな食べ物です。一時期ほぼ毎食これ食べてました。

このダイナミックなおにぎりたちもココストアの魅力のひとつだったのですが、「ココストアと共に終了します」の文字。

山積みになったとりチリ弁当をよく見てみると目玉焼きにハート型に切り抜かれた海苔が添えられていました。よく見ないと気づかない、ほんの些細なことですが、このあたりがココストア南上原店が個人商店っぽいところかもしれません。

空になった棚にはなぜか折り紙が。

 

閉店まであと1日

いよいよ本日閉店。

最終日のココストア南上原店は

店頭でガソリンスタンドよろしく焼きたてパンののぼりは振るわ、着ぐるみが出てくるわでなんだかよく分からないお祭り騒ぎに。

昼くらいには店内製造のパンは売り切れ。

とりチリとちゃんぽんもすでに売り切れでもうほとんど総菜もありませんでした。

夜には店内のものはほとんど売れて、開店休業状態に。こうしてココストア南上原店はひっそりと11年の歴史に幕を閉じました。

 

ありがとうココストア南上原店


閉店したココストア南上原店。改装工事中。

ここまで読んで頂いた方にはなんなんですが、ココストアはまだ沖縄に店舗がありまして普通に営業しています。でもココストア南上原店みたいな閉店の仕方をする店舗は多分ないだろうし、個人的にものすごく思い入れがある店舗なのでここでご紹介させて頂きました。

思えば会社勤めでめちゃめちゃ働いていたとき、会社を辞めてDEEokianwaをはじめた時も常にココストア南上原店でなんか買って食べていた気がします。ココストア南上原店は5月13日にファミリーとしてオープンするそうで、そこにはファミチキも銀行ATMもあるし、コーヒーだって気軽に入れられます。でもあのコンビニでもない個人商店でもない不思議な場所はもうないのだなぁと思うとやはり寂しさを覚えずにはいられません。

いままでありがとう。さようなら。

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