2017.01.06

ツリーハウスおじさんに出会った話

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山男おじさんに続き、沖縄の山でツリーハウスおじさんに出会った。今年も良い出会いに恵まれますようにという願いも込めて

ある日、夫がツリーハウスを発見した

2016年のある日、夫がこんなことを言いだしました。

「ここからツリーハウスが見えるぜ!うひょー!」

はいー?

ここというのは我が家のこと。我が家は少し高い丘の上にあるんですが、平地を挟んで目の前にある山の真ん中あたりにツリーハウスが見えるというのです。


図にするとこんな感じです

夫はテンション高くツリーハウスが見えると嬉しそうなのですが、わりと距離もあり私にはわかりません。あの辺りだと教えてもらった場所をよく見てみると、たしかに山の中腹に家っぽい建物が見えますがそれが木の上に建っているのか、土の上に建っているのかはよくわかりません。
しかし、なにより我が家があるのは外れとはいえ沖縄の県庁所在地那覇市。そんなところにツリーハウスのようなメルヘンなものがあるというのでしょうか。

そのときはそのうち探しに行こうぐらいで終わったのですが、後日夫はまたこんなことを言うのです。
「ツリーハウスがライトアップしだした。光っているから夜に近くまで行って場所を特定したぜ!うひょー!」

まじかー!ということで次の日に夫が言う場所まで行ってみると

おわかりでしょうか。
木の上に家があるのを。

本当にツリーハウスがあったのです。
しかも持ち主の人はすごくフレンドリーで急に現れたわたしたちを「おいでおいでー」と敷地に招いてくれます。
あ、これは山男おじさんと同じにおい…。

さて、このツリーハウスはどんな経緯でできたのでしょうか。
木の上の建物は台風で飛ばされないのでしょうか。
おじさんに伺いました。

 

ツリーハウスおじさんに話を聞いた

おじさんは取材はOKだけど顔写真や名前の公表は恥ずかしいのでNG。
なのでツリーハウスおじさんと呼ばせていただくことにします。

-このツリーハウスってご自身で作られたんですか?

そうだよ!仲間と一緒に2週間で作ったんだ

-建設業のようなお仕事なんですか?

うーん、そうではないけど。
でも前にも経験があるからね。ツリーハウスはこれで2つめなんだ。

最初のはね、名護の山の中の土地を知り合いが自由に使っていいっていうから毎週通って。
スコップ1つ持って、山の斜面を削って平地にしたんだ。なだらかな土地だったけど、広くてよ。2千坪ぐらいかな。
そんな風に遊ぶようになって。
それで山の手前に大きな木があったから、木の上に家を作ったら楽しいなと思って。
でも初めてだったから勝手が分からずに、木の上に家を作るというよりは高床式住宅を木に隣接して作ったような感じだった。

-こっちは高床式ではないですよね?

そう。2つめだから、どうやったらちゃんと木の上に建つのか考えて。
これは大ぶりの枝を床の両端に取り込んでいる。まずは木の上に床だけを作って、そこから壁を作ったんです。
床ができたらあとは簡単だよ。

-ツリーハウスにはだれか住んでいるんですか?

いやいや、あそこは住めないよ。僕の家も違うところにある。
ツリーハウスはオブジェなんだ。見ているだけで面白いでしょう。観賞用だね。

-台風で飛ぶことはないんですか?

ツリーハウスを作ってもう5年以上になるけど飛ばないよ。
理由の1つは床と枝が一緒になっていること。2つ目は窓をつけていないこと。
だから風が吹いても木と一緒に家もゆらゆら揺れる。風を逃す仕組みになっているから。

-ツリーハウスにはあがれるんですか?

あがれるよ!1人ずつ行ってきたらいいさ!

 

ツリーハウスにあがらせてもらった

先ほどのお話ででてきたように、ツリーハウスは基本的に観賞用。中でのんびりするようには作られていません。
なので、のぼる階段などはなく、わりと簡易的に付けられたはしごのみ。

のぼるの怖っ!

降りるのはもっと怖そう!

下では2歳になった息子が自分ものぼりたいというように怒っていましたが、無理無理。あと3年ぐらい待ってくれ。

床を突き破って、壁から出る枝。
この作りこそがツリーハウスを支えているそうです。

山の中の木の上からなので見晴らしがめっちゃいい。
ここを賃貸すると結構なお家賃がしそうなぐらいの眺めです。
1ルームで階段ははしご、バストイレ水道なし。なにより窓もありませんが。

夕焼けとツリーハウス。
ツリーハウスおじさんが言います。
「クリスマス時期はツリーハウスをイルミネーションしているから夜来てもきれいなんだよ」

そうだった。それで場所がわかったんだった。
取材当時はクリスマスの1週間前。ツリーハウスおじさんによると「来るクリスマスに向けて、まだまだイルミネーションを増やしている途中!」ということだったので、再訪はクリスマスの夜に来させてください、とお願いをしてその日は帰りました。

 

クリスマスイブにイルミネーションを見に行く

そしてクリスマスイブです。
街がやんやと浮かれている中、わたしたち家族が向かったのは山の中のツリーハウス。
どれぐらいツリーハウスはイルミネーションで輝いているのでしょうか。

ぴっかー!

予想以上!
周りが暗いこともあって、めちゃめちゃ輝いています。


写真ではわかりづらいですが、半円に並ぶ星の中心にはプレゼントを抱えたサンタがメリークリスマスと言っていました

そしてはしごをあがってツリーハウスの中へ

ぎゃー!ぎゃー!めっちゃきれい!!

人は予想を超えて驚くと「きゃー」なんて言えません。「ぎゃー!」です。
ツリーハウスの中の電球のきらめきと、窓の外からの夜景のダブルパンチでめっちゃきれいなのです。

ツリーハウスおじさんの演出なのか、ツリーハウスの中にラジカセがありエレクトリカルパレードの曲が流れています。
♪タンタカタンタン タンタカタカタカ

この日は強風でツリーハウスはときおりグラーッと揺れるし、下からは夫に抱っこされた息子の「あがるー!おかーさん!あがるー!」とぐずっている声も聞こえます。いつもなら暗い&高い&揺れるなんて恐ろしすぎるし、息子がぐずったら早く帰ってあげなくちゃと思うのですが、そんな現実が目の前のキラキラ過ぎる光景とエレクトリカルパレードによってすごく遠くのことのように思えるのです。

♪タンタカタンタン タンタカタカタカ
ああ、きれい。素敵。クリスマスだわ。

あれ?これ夢?わたしは白昼夢を見ているのかしら..?夜だけど。

 

夢から覚めました

なんか燃えてるわ。

ふと窓から下を見るとツリーハウスおじさんの作業小屋の前であがる大きな炎。そしてツリーハウスの真下に息子を抱いた夫がこちらを見ていました。
うん。あの炎なんやろね。すぐ降りようね。

炎の正体は、ツリーハウスおじさんの焚き火。
屋根の上の貯水タンクの古いのを焚き火缶代わりに使って、暖をとりながら宴会をされていました。
話している間にもビールを手にツリーハウスおじさんの仲間が来ます。これからみんなでクリスマス会をするそうです。

ツリーハウスおじさんは言ってました。
「ツリーハウスは観賞用」だと。
焚き火のまわりにいくつか置かれたイスからはどこからでもばっちりツリーハウスが見えそうです。
なるほどなるほど。

ツリーハウスおじさんは笑って言うのです。
「いつでも来たらいいよ。ツリーハウスがもたらしてくれた新しい出会いがとても嬉しいよ。いつか一緒に飲もうね。ツリーハウスのところって言えば伝わる運転代行知ってるから(笑)」

ああ、神様にまた会ってしまった。

ということで今日は、なんだか全部が夢のようなでも現実の、そんなツリーハウスおじさんに出会ったお話でした。

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