人とイノシシとの戦いの跡を見に行く

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沖縄県北部では戦前から農作物を荒らす、イノシシとそれを防ごうとする村の人々で熾烈な攻防戦が広げられていたという。 今回はその跡を見に行ってみた。

大宜味村の山奥へ

大宜味村の屋古(やこ)集落から山の上に登る道をひたすら行くと、そこには猪垣(いがき)を見ることができる遊歩道がある。方言で「ヤマシシ」などと呼ばれるリュウキュウイノシシは食料としてではなく、どちらかと言えば農作物を食い荒らす害獣としての性格が強かったらしい。

人々はイノシシを落とす穴を掘ったり、イノシシが山から村へ下りてこないように石を積んで垣をつくってイノシシから村を守っていたのだそうな。
石を積んで作った石垣のことを「猪垣」という。その猪垣がこの遊歩道からはかなり良い状態で確認できるらしい。早速行ってみよう。

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遊歩道入口。イノシシの石像が!!

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案内板。見所が紹介されている。

急勾配の遊歩道をひたすら歩く

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とりあえず、道なりに遊歩道を歩くのだがこの遊歩道がものすごい急勾配なのである。しかも風景も変わらず、あるのはハブ注意の看板と、マングースを捕まえるための罠、そしてひたすら続く上り坂のみである…。

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なんかの研究してるみたい
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あとはひたすら同じ風景

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マングースの罠も普通に道端に置いてあった

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ハブ注意!

猪垣発見!

私は何度か名護で猪垣を見たことがあるのだが、30分ほど歩いたところで「ひょっとしたら見逃したのでは…」と不安になってきた。あと、道がえんえん続きすぎてリアルに遭難した気分である。

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と、目の前に明らかに人工物の石積みが見えてきた!

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これが猪垣である。しばらく歩くと猪垣の説明看板もあった。
それによればこの猪垣は1787年に修復工事に関する記載があり、それ以前からずっと戦前まで補修を重ねて現存しているようである。
歩いても歩いても猪垣に切れ目がない。一体どこまで続いているのだろう…

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延々と伸びている猪垣。

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これを作った人たちは相当な労力だったのだろう

なんか高いところまできた

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猪垣に沿って歩いて行くとちょっとだけ開けたところに出た。標高284m、660m地点だそうな。
一旦休憩しようと思い、案内板を見たら、

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この時点でかなり疲労困憊していた。

あと1.9kmもあるのかよ!死んじゃう!死んじゃうよ!!

ビビって逃げ帰る

ここで600m戻るのもしんどいし、かと言ってあと1.9km歩くのも嫌である。
しかし猪垣がどこまで続いているかも気になる…。
せっかくなのでもう少しだけいってみようかな、と思った矢先

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写真を凝視してください。

なんかいる。

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拡大しました。

ハブ!?
帰ってから冷静に考えるとこのヘビ、ハブっぽくないのだがこの時の私は軽く走馬灯が一巡半くらいまわっていた。
結局、これで心が折れて、もときた600mの道を一歩一歩ものすごい慎重に歩いて逃げ帰ったのだった。

次回は色々考えてリベンジしたい

家に帰ってから写真を整理してふと気づいたのだが、あのまま1.6km進んだところで、車に戻るにはさらにものすごい時間をかけて入り口に戻らければならない。あのまま進んでも地獄だったわけである。
あと、マジヘビ怖い。「ハブ注意」って具体的にどうすればいいのか。

次は色々装備も用意して、ハブが活動してない季節にリベンジしてみたい。

遊歩道入り口


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