2011.12.19

モンパノキはスゴい

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モンパノキという木をご存知だろうか?沖縄の海岸で見られるこの木は結構スゴイんです。

モンパノキってなんぞや

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この木を見たことがあるでしょうか?沖縄では海岸の砂浜や砂礫地でよく見ることがあります。

これはモンパノキ(紋羽の木)。沖縄の方言でハマスーキ
奄美以南に自生する常緑低木〜小高木。樹高は大きいもので10mくらいになります。
春から夏に、密生した小さく白い花が咲く。果実は5mmくらいの球状が団子状に固まった実をつける(たぶん食べられない)。

潮害や塩害に強く、防風、防砂林として植栽されることが多い。

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葉は枝先に集まる。
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幹のあちこちから生えてくる。

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葉っぱの大きさは5cmから20cmくらい。
アロエほどではないが多肉。

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葉の表裏には細かい産毛が生えている。
見た感じ雨とか水分を弾きそうだが、まったく弾かない。むしろ吸収してしまう。

葉っぱが食べられるのでスゴい

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群生した葉の中心部分が新芽。

モンパノキの葉は食べることができる。
特に新芽は柔らかく、天ぷらにすると美味しい(味の感想には個人差があります)。
今回もももたま菜さんに調理をお願いしました。毎度助かります。

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衣をつけて
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サッと揚げる

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揚げたてのモンパノキはホクホクした食感。味は薄目で苦味は少ない。

少しだけ葉っぱがスゴい

多肉なモンパノキの葉。普通の葉より水分を多く含んでいる。
海岸に生えているモンパノキの葉を使って、海遊びで使えるコネタ。

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多肉な葉を割って、中の水分で水中ゴーグルの曇り止めに使える。
石垣島の海人に教えてもらった小技。
唾を塗るよりも効果が高く長持ちする気がする。曇り止めを塗るより地球に優しい。

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曇り止めを忘れたり、唾を塗るのが嫌な人はモンパノキを探して葉を1枚どうぞ(取りすぎないでくださいね)。

幹がスゴい。

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モンパノキは木材としても優秀なのだ。
乾燥させて水分を抜くと軽くて柔らかい。変形も少なく薄く加工しても割れない。

そこでモンパノキの特製を活かして作られたのが、ミーカガン

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競泳用ゴーグルの先駆け。

ミーカガンとは、明治17年(1884年!)に玉城保太郎によって考案された水中メガネ。現在ある水中メガネの原型といわれている。

ミーカガンのゴムは米軍車輌のタイヤのゴムを再利用。
ゴムを使う前はアダンやクバの繊維から紐を作って使っていたらしいです。

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ユウナ。ハート型の葉。黄色っぽい花を咲かせる。

モンパノキでミーカガンを作る前は、オオハマボウ(沖縄の方言ではユウナ)で作られていたそう。
ちなみにこの葉も食べることができる(味には個人差があります)。

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油分(樹液?)が多いらしく、作業中は手がベタベタツヤツヤになるそうだ。

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ミーカガンは使う人の顔に合わせて加工できる。
目の周りの骨格の他、漁法や潜水深度に合わせて形を変えて彫ってもらえる。
かつては使う人一人一人の型紙まであったとか。

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両眼を繋ぐ鼻ベルトは紐。
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紐をクルクルと捻れば調整できる。便利!

最近はアクセサリーとしてミーカガンを首もとに付けている人も増えてきたそうです(特にサバニ愛好家)。

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来年の春先まで改装するそうです。
monpa_15.jpgのサムネール画像
ロゴマークがミーカガン。

と、今回モンパノキやミーカガンのお話を伺ったのは、糸満 海人工房資料館(NPOハマスーキ)の上原謙 理事長。
突然の訪問にも熱く丁寧に教えてくださいました。

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興味深い話が尽きない。

「現在は森林法で勝手に伐採してはダメなので材料モンパノキの入手が困難。
今年は台風が沢山きて、その後に落ちたのをかき集めたのでラッキーだった!」

「本島も海際は護岸コンクリートが増え、植林したモンパしか残っていない所が多くなった。
離島も、自然に自生したのであっても、簡単には分けて貰えないからねー。」

モンパノキもスゴイけど、上原さんがスゴい

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「生で食べれるよ。ほれ。」と。

「モンパノキの葉は、沖縄では昔から薬草として飲まれていた。解毒 風邪とか流感でお腹くだした時に。モンパノキの葉を味噌汁(糸満なので魚汁)に入れて食す。」

「最初はどれくらい摂取していいものか分からず、たくさん飲めば効くはずと思って沢山摂ったらお腹下したのはその日の夜に治ったけど、たぶん取り過ぎたんだはず、その後便秘なった!」

「その次からは丼一杯分(葉っぱ4~5枚)がちょうどいいと分かった。もともとカツオと味噌とお湯といて飲む習慣があるのでそれに入れたり、別に鍋で炊いたりしてもOKよ」

と、上原さんの話が尽きません。
モンパノキ以外にも、海人文化についての話が興味深くて面白かったのですが、残念ながら時間切れ。
次回(来年)は、ミーカガンなどの海人文化について紹介できればと思います。

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