2019.02.04

【大人の社会見学】沖縄県立博物館・美術館バックヤードツアー

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沖縄県立博物館・美術館(おきみゅー)で行われている美術館ミュージアムツアーに参加してバックヤードを見学してきた

那覇市おもろまちにある沖縄県立博物館・美術館。
2007年11月1日に開館して、10年目の2017年には愛称が「OkiMu(おきみゅー)」になったり、マスコットキャラクターに「おきみゅーちゃん」が決まったりしました。

さて、その県立博物館・美術館では、バックヤードが見学できるツアーを年に何回かやっています。
今回は、美術館の方を見学できるミュージアムツアーに参加してきたのでそのレポートです。

写真を載せてはいけないものもたくさんあるので、モザイク多めでお届けします。

 

歩こうバックヤード

参加は幼児からOK(小学生以下は保護者同伴)の事前申し込み制。1ヶ月前から当日まで予約でき、先着12名に達した段階で受付終了です。
参加料は無料ですが、最後にコレクションギャラリーに行くので、コレクションギャラリーの当日観覧券が必要です。

美術館のミュージアムツアーは朝10:30から。わたしが参加した回は年齢バラバラな男女8名ほどが集まっていました。お友達と一緒というよりも、ひとりで参加されている方が多かったです。

バックヤードに入る前にまずは靴をスリッパに履き替えます。

学芸員さんが扉をセキュリティカードで開けてくれます。
何時頃、誰が扉を開けたのかが逐一管理室に送信されるそうです。

扉を開けたらすぐに粘着シートが貼ってあるマット。
スリッパの余計なゴミはここで落とします。

内部へ。

 

ビデオ学習

見学の前にまずは10分ほどのビデオで座学があります。

沖縄県立博物館・美術館のように博物館と美術館が一緒になった施設は全国的にみても珍しいそうです。
沖縄県立博物館は戦後すぐに石川(現在のうるま市)に「沖縄陳列館」という名称で開館し、それから首里に場所を移したり名前が変わったりしながら約70年の歴史。
一方の美術館は2007年の開館でできたので今年2019年で12年目。

一般的には「みせる(展示、公開)」をしていますが、その他にも「まもる(収集、保存修復)」「しらべる(調査、研究)」「つたえる(教育普及)」の役割があります。
今回のツアーは教育普及として行なっているそうです。

美術館が開館から10年あまりでコレクションした数は5000点。
沖縄および沖縄を取り巻くアジア諸国の現代美術を中心に収集しているそうです。

現時点でもっとも美術館の目玉作品である作品は、藤田嗣治(レオナール・フジタ)の『孫』だそうです。
しかし本物は現在フランスの美術館に貸し出し中。夏頃には沖縄に戻ってきます。

唐突ですがクイズ。
美術館は、食べ物、飲み物、生花が持ち込めません。なぜ?

答えは虫を入れないため。

美術館には美術品を保存する役割もあるため、虫やカビは大敵。広い館内に蚊1匹、蜘蛛1匹いないように対策が取られています。
ときどきお客さんと一緒に外から入ってきてしまうときもありますが、そんなときは展示交流員のお姉さまたちが虫取り網を持って捕獲し事務所に報告がいくんだとか。ある意味、虫にとっては地獄、虫嫌いの人にとっては天国のような場所なのかもしれません。

博物館、美術館どちらも沖縄の宝がたくさんある場所。約束を守ってみんなで宝を守りたいですね。

ちなみに座学のビデオ最後の締めは「Don't think,feel」でした。ブルースリー!

 

お宝が眠る部屋へ

それでは実際にバックヤードを歩きます。

こちらはトラックヤード。外からトラックで美術品が到着する場所です。
外からの虫対策で毎日夜中に2時間燻蒸が行われています。
もちろん実際に美術品を載せたトラックは扉を開けた状態で燻蒸されるのですが、万が一のことがないか確認できるように生贄の虫が虫かごに入っているとか。OH!

トラックヤードは前後に扉。一方が開いたら一方は閉じ、外気が美術館の内部に直接入らないようになっています。

また美術品は上げ下ろしの振動が影響するらしく、昇降機でなるべく平衡を保ったまま運べるようになっています。

外から来た美術品は収蔵庫へ行く前にまずは一時保管庫へ。急激な温度変化や湿度変化に対応させるために、ここでやんわりと慣らすそうです(返却時も同じ)。


扉を開けて見せてくれましたが、残念ながらセキュリティの関係でここではお見せできません。
見たい方はバックヤードツアーにご参加を

内部の扉は杉材だったり、壁は調湿ボードだったりと工夫されているそう。

ちなみに美術館で火事があった場合に水をかけると美術品がおじゃんに。
なので消火設備はスプリンクラーではなく窒素ガスだそうです。

では5000点のお宝が眠る収蔵庫へ。

(ここも写真ではお見せできないので想像してください。)

厚い扉を開けて...。
まぁ、お宝なのでそんなに気軽に入れるわけもなく、外から少し覗くだけなんですが。
しかも覗けたのは収蔵庫の前室。
本物のお宝はその後ろの扉の奥に眠っているそうです。

こんな風に眠っているそうです。

 

バックヤード見せまくり


エレベーター

振動が少ないようにワイヤーで吊るされているのではなく油圧で動くエレベーター。稼働費が高いので普段は人は乗れないらしい。


温度や湿度を管理している部屋

一日に4回も係りの人がチェックをして異常がないか監視しているとか。

いろいろ見せてもらったのですが、どの扉を開けるにもセキュリティーカードが必要だったり、扉が大きかったり、壁がどこも白かったりで、方向音痴のわたしは途中から「見失ったらもう二度と出られないやつ」と本気で思っていました。

 

美術品を修復するということ

さて、こちらは美術品修復士の梶原さん。修復担当は1人しかいないため、全美術品の修繕をひとりで担っておられます。

現在、沖縄の出身の洋画家である大城皓也さんの作品が一気に美術館に到着。それまでの保管環境があまりよくなかったこともあり、大きな修繕待ちの作品がわんさかと並べられておりました。

絵の端っこ部分は虫が喰ってボロボロになっている
こちらも虫喰い

全部で100点以上の絵があるそうです。どこまでやるかによっても違ってきますが、長いもので1点半年ほど修繕の時間がかかるのだとか。でも数年後には企画展を予定しているそうです。すごい。


こちらは大城皓也さんの修繕済みのレプリカ

修繕済みでも絵の具が剥げた白い線が見てとれます。
美術品の修繕には塗り直しと維持の2パターンあって、県立美術館が行なっているのは維持。

この作品に関して言えば、戦前の大城皓也さんの作品はすべて戦火で焼かれて残っていないと思われたものが、戦前に東京に運ばれ保管されていたそうです。白い線は東京に運ぶときに、絵を丸めて傷ついた跡。傷を塗り直して元どおりにすることも可能ですが、絵の具が剥落した絵の歴史を含めて残す、これ以上の劣化をしないようにする、というのが県立美術館が行なう修繕方法だそうです。

絵の汚れを落とす時につかった綿。汚れのみを落とす薬剤を何度もテストをしてから
修繕用のニカワも絵の状態によって使い分ける

修復士の梶原さんの話が職人すぎてめちゃくちゃ面白かったです。いつかもっと聞いてみたいなあ。

最後は実際の展示を見ておしまい。
いつもは好きなものはじっくり見て、あんまりと思うものはすぐに立ち去る見方をしてしまうのですが、今回のツアーで美術品に関わる人や展示されるまでの過程を聞いてから展示物を見ると、サッと立ち去るのがもったいないような気がしていつもよりもじーっと見ている時間が長くなりました。そして普段なら思わないその絵の良さを気付けたり。

ということで美術館のバックヤードツアーレポートでした。
次のバックヤードツアーは美術館はまだ未定ですが、博物館が2/23(土)、3/23(土)の14時から。博物館の方にもいつか参加してみたいです。

 

旧正月はおきみゅーに行こう!2019

最後におきみゅーからのお知らせです。
きたる2/5(火)の旧正月から2/11(月・祝)までおきみゅーでは旧正月にちなんださまざまなイベントをやるそうです。

最古の鐘がつけたり、イナムドゥチが食べられたり。凧も作れるし、書道パフォーマンスも見れます。
詳しくは「【2.5(火)~11(月・祝) 開催】旧正月はおきみゅーに行こう!2019」をご確認ください。

沖縄県立博物館・美術館(おきみゅー)

https://okimu.jp
沖縄県那覇市おもろまち3丁目1番1号
休館:月曜日

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