沖縄のタピオカ第0次ブームのレシピを再現してみる

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タピオカが空前のブームだ。しかし、タピオカは戦前から沖縄では育てられていたのをご存じだろうか。昔のレシピを元に沖縄のタピオカ料理を作りたい。

タピオカ第3次ブーム到来

みなさーーーん!タピオカ、飲んでますかー?

最近、猫も杓子もタピオカタピオカでものすごいタピオカブームですよね。県内でもタピオカドリンクのお店には長蛇の列ができ、コンビニでもタピオカミルクティーを中心とした商品が多く見られれます。

なんでも今回のブームは第3次ブーム到来なのだそうで、最初は1992年頃のココナッツミルクに入った白いタピオカがブームに。そして第2次は2008年頃に黒いタピオカが入ったミルクティーが流行り、2018年頃から再度それがブームになっているということです。

と、解説しているサイトが多いのだけど沖縄では第2次のタピオカブームはもっと早かった気がします。僕は一番最初に2000年のマキシーで黒いタピオカミルクティーを飲んだことを覚えていて、そのあたりが走りだったのではないかと。誰か沖縄のタピオカミルクティーの流行について覚えている人がいたら教えて下さい。

さて、そんなタピオカですがキャッサバという芋のデンプンを加工したものです。

そして、沖縄ではキャッサバは「キーウム」と呼ばれ、戦前は沢山育てられていたのをご存じでしょうか。戦時中も畑の隅っこにはだいたいキーウムが育てられて、そのデンプン(タピオカ)は貴重な食糧源として重宝されていたそうです。つまり日本中でタピオカがブームになる前から沖縄では粛々とタピオカを食べてきたという訳なのです。


サツマイモのデンプン、いもくずもそうだが、沖縄はデンプンの種類も多い気がする

今はあまり作る人は居ないようですが、それでもスーパーには普通にタピオカ粉が販売されていたりもします。そう。実のところ沖縄はタピオカ天国なのです。

そこで用意したのは沖縄タイムス社が1979年に発行した『おばあさんが伝える味』という本。この本は沢山のおばあさんから昔ながらのレシピを聞き取りまとめた本で、前にルクジューだったり恩納タコだったりを作ったりもしました。

本を開いてみると…

天ぷら、カステラ、ふちゃぎ、ようかんなどタピオカを使って作られたお菓子のレシピがいくつか見つかりました。どれも興味深いのですが、とりあえずぱっとできそうなタピオカ天ぷらを今日は作ってみたいと思います。

これがタピオカ第0次ブームの料理だ

タピオカ天ぷらの材料は上記のとおり。タピオカ粉、芋、砂糖です。おばぁのレシピではタピオカ750グラム、芋1500グラム、砂糖500グラムと書かれていたのですが明らかにとんでもない分量が出来上がりそうなので、4分の1くらいの量で作ります。

まずは分量をざっくりと量ります。はじめて袋から出してみたタピオカ粉ですが、片栗粉となんら変わらない白い粉です。

芋はふかすのが面倒臭いのでスーパーの焼き芋を買ってきました。こういうときにはオールシーズン焼き芋が売っている沖縄は素敵です。皮をとってほぐした焼き芋と砂糖をタピオカ粉に混ぜ合わせます。

水を入れて耳たぶくらいの固さにするように、と書かれていたのですが焼き芋の水分が結構あったのか水なしで耳たぶくらいにまとまりました。

適当な大きさにまとめます。

あとは熱した油で

揚げればできあがりです。どうです?ミルクティーに入れる黒いタピオカを作るよりも(どうやって作るのか知らないけど)はるかに簡単にできるのではないでしょうか。

こちらが出来上がったタピオカ天ぷら。全くインスタ映えしないビジュアルにしあがりましたが、すごくいい匂いがします。

 

タピオカ天ぷらはうまいのか

さて、実際に食べてみたいと思うのですが、ここまでレシピを見た人の中には「これってウムクジ天ぷらじゃないの?」と思う人もいるかもしれません。そう。だいたい作り方はウムクジ天ぷらと同じでタピオカ粉を使うのか、サツマイモのデンプンであるいもくずを使うのかの違いしかないんですよね。

というわけで味を比べて見るべく、ウムクジ天ぷらも買ってきました(紫色のもの)。ユニオンのお惣菜で買ってきたやつです。

もしも県外に住まわれて、ウムクジ天ぷらを食べたことがないという人にウムクジ天ぷらの味を説明するのは難しいのですが、中華料理屋で出てくるあんこの入った胡麻団子とかが近い味なんじゃないかと思います。ユニオンのやつは中が餅みたいになってて、もちもち感もすごいです。

ウムクジ天ぷらの味も確かめられたので、いよいよタピオカ天ぷらも食べてみます。

外が結構サクサクになっていて、中はものすごくもっちりしています。このもっちり感はタピオカがなせる技でしょうか?そして、脳天がとろけそうなくらい甘いです。買ってきた焼き芋もかなり甘いやつだったのでもっと砂糖は控えめでもよかったかもしれません。

しかし、普通にうまいです。みんなタピオカミルクティーなんて飲まないで、タピオカ天ぷらを食べればいいのに...!

 

第4次タピオカブームはタピオカ天ぷらが来る(たぶん)


冷えたら割とカチカチになった。熱いうちがやっぱりうまい

というわけで、沖縄に伝承されるタピオカ料理を本を元に再現してみました。他にあった「キーウム羊かん」あたりも「子供たちのために小豆の代わりに干しぶどうを入れている」と書かれていたり、かなりぶっとんでいるので、また折をみて作ってみたいと思います。

このタピオカブームに乗っかって、これらのタピオカをつかった郷土料理が再び注目されるようになって、それが第4次タピオカブームとかになったらいいのになぁとちょっと思います。

それでは本日は以上です。

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