2019.12.09

ほのぼのローカルな、うふざとぅぬムーチー祭

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毎年旧暦12月8日に行われる沖縄の伝統行事、鬼餅(ムーチー)。その発祥の地と言われている南城市大里で、ムーチー祭が開催されるというので遊びに行ってきた。

ムーチー発祥の地、大里

12月も中旬に差し掛かり、沖縄もそれなりに冬っぽくなってきました。
沖縄の寒さを表すことばのひとつに、『ムーチービーサ』というのがあります。
これは旧暦12月8日、鬼餅(ムーチー)という沖縄の伝統行事が行われる時期にやってくる冷え込みのことを指します。
なお鬼餅伝説については過去にも何度か取り上げてきましたので、このあたりの記事を参照していただければと思います。
さて、そんな鬼餅伝説の発祥の地とされているのが、沖縄本島南部に位置する大里村、現在の南城市大里です。

その大里にある大里城址公園にて、新暦12月8日である昨日『うふざとぅぬムーチー祭』(現代語に訳すると『大里の餅祭』)が行われました。
なんともローカルでほのぼのとした雰囲気のお祭りだったので、本日はその様子をお届けしたいと思います。

事前にチェックしていた情報によると、お祭の開始時刻は11:30となっていましたが、11:00から一回目のムーチー販売整理券が配布されるということだったので、10分前の10:50頃に会場に到着しました。
会場の大里城址公園は、パークゴルフ場が併設された丘の上にある広々とした公園で、比較的新しめの子ども用遊具も設置されているので、もう少し子どもが小さい頃にはよく遊ばせに来ていました。眼下に中城湾の青い海も望むことができます。

お祭当日はテントが並び、ムーチー作り体験のほか、昔遊び体験や産直野菜の販売、カレーやからあげなどちょっとした食べ物の販売もありました。そして芝生広場のステージでは、沖縄民謡や近隣保育園の子どもたちによる遊戯の余興も行われるとのことです。

ムーチー販売整理券配布のテントを見ると、既に20名ほどの列ができていました。
通常のムーチーは先着150名分とのことで余裕なのですが、危ういのは限定30個という力(ちから)ムーチー。
力ムーチーについては、テントの前にこんな説明書きがありました。

現在では少なくなりましたが、サンニン(月桃)の他にクバの葉(ビロウ=県の天然記念物)で白餅を包んだものを「力ムーチー(チカラムーチー)」と呼びます。昔は子どもが産まれた際に家で作られ、近隣の家々に配られました。
クバの葉で包んだ餅のといえば与那国島の特産品であるクバの葉餅が有名ですが、沖縄本島でも昔はクバの葉で包むことがあったようです。また、子どもの歳の数だけ縄に結び、天井から吊るして健康を祈願したという話も聞いたことがあります。

残り数にドキドキヒヤヒヤしながら行列に並ぶこと数分。
なんと、ラスイチの力ムーチーをゲットできました...!いや、危なかった。
受付の方によると、後から追加分が届く予定です!とおっしゃっていましたが、後ろの方に少し申し訳ない気持ち。
香りをかいでみるとサンニンのような強い香りはなく、本土でこどもの日に食べられている「ちまき」のようなほんのりとした青い香りがしました。

そして整理券を無事ゲットできたムーチーは、1セット5個入りで500円。
12:30頃に蒸し上がるとのことで、しばらく会場内を散策して待つことにしましょう。
 

祭のほのぼのローカルな雰囲気とムーチーマン(仮称)に癒やされる

公園内には至るところにサンニン(月桃)が植栽されています。
葉っぱを少しちぎるといい香り。ウチナーンチュにとっては、サンニンの香り=ムーチーの香りと脳内で結びついている人も多いように感じます。かくいう私もサンニンの香りをかぐと無性にムーチーが食べたくなります。
実を月桃茶として利用したり、繊維で民具を作ったり、虫よけとして利用したりと沖縄では昔から親しまれてきた植物です。

ステージでは南城市副市長の挨拶による開会式を経て、地元の団体による民謡ショーや演舞などが披露されるなど、あったかほのぼのとした雰囲気。
こちらはステージ横に設置されていた、ムーチー家(やー)と呼ばれる茅葺きの小さな小屋。
昔はムーチーの時期になると、大里の一部地域でこのような小屋が建てられ、子どもたちの無病息災を願ったのだそうです。現代でも子どもたちが中に入って遊んでいました。
そしてこのステージでなんといっても特筆すべきだったのが、ステージの司会を努めていたムーチーマン。正式名称はわからないので仮称とさせていただきます。

だいたいこういうゆるキャラといえば、コミカルな動きをして会場を和ませるというのが大きな役割だと思うのですが、このムーチーマン(仮称)といえば、右目部分にマイクを当てつつガチで司会進行を行っていました。なかのひとはおじさんのようです。

ステージ中央で出演者がしゃべっているときには、地面にボディ部分をおろして休めのスタイル。

そしてステージの脇(といっても客席からも丸見えの所)には、なかのひとが入っていないときにボディを支える支柱のようなもの。
ゆるい...。ゆるすぎて好き...。
このムーチーマン(仮称)はムーチー祭り以外でも登場することはあるのでしょうか。今後、個人的に注目していきたいと思います。
 

ほかほか絶品の蒸したてムーチー

そうこうしているうちに、一回目のムーチーが蒸し上がりました。
シンメーナービの上に置かれたバーキ(竹かご)の上で、ほかほかの湯気をたてています。
公園いっぱいに漂うサンニンの香りがたまりません。

アチチアチチとさっそくサンニンの葉を剥いてみると、中から黒糖のムーチーがこんにちは。
甘さ控えめで美味しい!やはり蒸したては最高です。

その頃ステージでは、子どもたち向けにムーチー由来譚の絵本読み聞かせが行われていました。
ムーチーの由来譚といえば、ちょっと子どもに聞かせるのはどうかというバージョンもあるわけですが、このお話は、いわゆる”下の口”は出てこないバージョンでした。そりゃそうだよねー。
 

そういえば、力(ちから)ムーチーの味はどうだったのか

そして翌朝。ラスイチをゲットしていた力(ちから)ムーチーを食べてみることに。

muchi22.jpg

クバの葉を剥いてみると、なんと中でサンニンに包まれたムーチーが入れ子になっていました。
直接包まれていると思っていたので(与那国のクバの葉餅はそうだった)ちょっと驚き。

muchi23.jpg

中身はというと、シルムーチー(白餅)でした。お砂糖を入れていないのか入れていたとしてもごく少量のようで、ほとんど甘さを感じないムーチーでした。ムチャムチャと手にくっついて食べにくかったので、もういちど蒸し直してから食べようと思います。
というわけで南城市の大里城址公園で行われた、『うふざとぅぬムーチー祭』の様子をお届けしました。
こういうローカルでほのぼのとした小さな地域のお祭りって個人的にすごく好きなので、またいろいろ探して遊びに行ってみたいと思います。
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