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大分県の郷土料理「りゅうきゅう」を求めて
沖縄県外の「琉球」を探す旅。以前紹介した高知県の「りゅうきゅう(ハスイモの茎)」に続き、今回は大分県の「りゅうきゅう(魚介のタレ漬け)」を探訪してきました。
こんどは大分で「りゅうきゅう」を探す
以前の記事で、高知県で流通している郷土野菜「りゅうきゅう」を紹介したことを覚えていらっしゃるでしょうか。
高知県の「りゅうきゅう」はハスイモの茎のことで、ゆでて酢味噌和えにしたり味噌汁に入れたりして食べるおいしい季節ものの野菜でした。
その後、同じく「りゅうきゅう」と呼ばれる料理が大分県にもあると知ってずっと気になっていたのですが、あれから数年経ち、大分県を旅行する機会があったのでこんどは大分の「りゅうきゅう」を探訪してみることにしました。
別府の「地獄めぐり」楽しかったです
もう最初にネタバレしてしまいますが、大分県の「りゅうきゅう」は、旬の魚介を醤油ベースの特製のタレで和えた食べ物のこと。
歴史・由来・関連
行事瀬戸内海に面し、豊富な魚介類に恵まれる大分県では、アジやタイ、太刀魚、イワシ、サバなど四季折々のさまざまな魚介が水揚げされる。「りゅうきゅう」は、地元でとれた新鮮な魚を、醤油、酒、みりん、ごま、しょうがでつくるタレと和えていただく、大分県の代表的な郷土料理。一種の保存食として地元に浸透していった。「りゅうきゅう」という名については諸説ある。大分の漁師が、沖縄(琉球)の漁師につくり方を教わり、地元に持ち帰ったことから「りゅうきゅう」と呼ばれるようになったといわれる説や、ごま和えにする料理を「利休和え」と呼ぶことから派生したという説がある。漁師たちにとってのまかない飯、また保存食として、南部の沿岸地域から大分県全域に広まった。(農林水産省ウェブサイトより)
高知の「りゅうきゅう」は野菜でしたが、大分の「りゅうきゅう」は魚でした。
モノは違えど、沖縄(琉球)から伝わったから(※諸説あり)という由来の部分では共通しています。
伝承元の地名をそのままネーミングしてしまうとは、ヤマト(本土)の人にとって琉球はよっぽどインパクトが強かったのだろうと推測されます。
というわけでマイファーストりゅうきゅうと出会うべく、大分県別府市内のレストランへ。
しっかり下調べをして「りゅうきゅう」を提供しているはずのお店だったのですが、なんと品切れ...!
早いときは午前中でなくなってしまうときもあるほどの人気メニューなんだそうです。
くー!りゅうきゅうを甘く見ていた!
「じゃいいです...」と店を出ていく勇気もなくメニューを眺めていると、他の定食類にも小鉢で「りゅうきゅう」が付いてくるではありませんか。これは嬉しい予想外。それならばと注文した関アジフライ定食がこちらです。
豪華!
左上にのっている小鉢がようやく会えたりゅうきゅう。マイファースト大分りゅうきゅうです。
関アジ、関サバが名物のレストランだったので、使われていたお魚はアジとサバのようでした。甘めのタレで軽く漬けにしてあるようで、臭みも全くなくめちゃくちゃおいしかったです。白ごまとネギの薬味の風味がまたたまりません。
白ごはんにもお酒のアテにも最高なやつ
ひとくちひとくち味わって食べたのですが、いかんせん小鉢サイズゆえ一瞬でなくなってしまいました。もっと食べたい!
おみやげコーナーには「りゅうきゅうたれ」なるものが販売されていました。好きなお刺身をサッと和えるだけでりゅうきゅうが作れてしまう素敵なたれ。
スーパーの鮮魚コーナーのりゅうきゅうもいいぞ
旅行の楽しみといえば地元スーパーマーケットの商品チェック。
大分県内で何店舗で見かけた「マルショク」というスーパーの鮮魚コーナーをチェックしてみると、ありましたありました。
地元スーパーだけあって特に説明書き等もなく、いたってレギュラーメンバーの顔して冷蔵ケース内に並んでいました。
原材料名を見ると、魚介類、わさび、ネギ、ごま。あとは増粘剤などの添加物だけなので、これは味付けはされていない素のりゅうきゅうであるもよう。
お醤油コーナーに並んでいた「りゅうきゅうのたれ」を別途購入しました。先に出てきたレストランのおみやげショップで売られていたたれとはまた違うメーカー、フンドーキン製です。
りゅうきゅうのたれの原材料は、しょうゆ、みりん、砂糖などを中心に、発酵調味料、魚醤調味料なども入っているようです。九州といえばそもそもしょうゆ自体が甘めの土地なので、こちらのたれも甘めな感じの味付けになっています。
りゅうきゅうをごはんにぶっかけた「りゅうきゅう丼」なんかおいしいに決まってる!
というわけでお刺身パーティー開催です。
ちなみにりゅうきゅうと宴を供にするのは、これまた大分県産の「かぼすブリトロ」。しあわせすぎる。
りゅうきゅうのたれをかけて
あえる!
スーパーのお刺身とあなどるなかれ。ネギ、ごま、わさびと甘めのタレ、ぷりぷりの魚介があいまってこれまためちゃくちゃおいしかったです。お刺身はサーモン、マグロ、ブリ、あとはアジも入っていた気がします。たれはたっぷりいっちゃうのがおすすめ。甘めの絶妙な味わいなので、たっぷりかけても全然しょっぱくはなりませんでした。
白飯も一緒に買ってくるんだったと激しく後悔したことは言うまでもありません。
最後は居酒屋で気合の入ったりゅうきゅうを
旅の最後の夕飯でも狙うはりゅうきゅう。鬼リサーチして狙いを定めた、りゅうきゅうを提供している居酒屋へ。
こういうホワイトボードに書いてあるメニューはもう間違いない気がする
開店と同時に滑り込み、本日のお刺身に書かれていた「りゅうきゅう」をすかさず注文します。
ほどなくして運ばれてきたこちらが、今回の大分旅行最後のりゅうきゅうです。
優勝です、大優勝です
大根のツマの上に、ぶつ切りの刺身がごろごろ。そしてネギとごま、かいわれを添えて。入っている魚の種類は日によって変わるでのでしょうが、こちらのりゅうきゅうにはタコが入っていてテンションあがりました。漬けにされているのであとはなんの魚かいまいちよく分かりませんでしたが、全部おいしかったことだけは間違いありません。
やっぱり薬味がいい仕事しとるんだわ
というわけで数年後しの願いを叶えるべく、大分県でりゅうきゅう三昧してきました。
定食に付いてくる小鉢のりゅうきゅう、スーパーの鮮魚コーナーのりゅうきゅう、居酒屋のりゅうきゅう。
もうどれもこれもおいしかったです。イエス、りゅうきゅう=おいしい。
残ったりゅうきゅうのたれを大事に持ち帰って、琉球でもりゅうきゅうを楽しみたいと思います。
これで無事、高知県と大分県の「りゅうきゅう」を制覇できたので、さらに他の地域でも「りゅうきゅう」が存在しないか引き続き調査してみたいと思います(もしかしたら海外にあったりして...)。
以上、大分県からお届けしました!