【沖縄県知事選2026】他の候補予定者は何を訴えているのか

告示日がせまる沖縄県知事選。ニュースにあまり取り上げられていない5名の立候補予定者は何を政策として訴えているのか聞いてきました。

編集部註:
8月18日、高良さんが立候補を辞退するとの報道がありました。この記事の取材日は8月13日なのでそのまま立候補予定者としてお聞きした内容をそのまま掲載しています。

沖縄県知事選の告示日(8月27日)が、間近にせまり報道やSNSで選挙の話題が多くなってきました。

立憲民主党などが支援し、3期目を目指す現職の玉城デニーさん、自由民主党、日本維新の会、国民民主党、参政党、公明党県本部などが支援する元那覇市副市長の古謝玄太さん、さらには元郵政民営化担当相の下地幹郎さんも立候補を表明しており激しい戦いが予想されます。

8月17日には琉球新報、沖縄テレビ放送、ラジオ沖縄共催で3氏を交えた公開討論会が行われ、25日にも沖縄タイムスのタイムスホールでも3氏の公開討論会が行われる予定だそうです。

 

しかし、今回の沖縄県知事選の立候補予定者は8名。
残る5名の立候補予定者の事を私たちはほとんど知らないのではないでしょうか。

8月13日、5名の立候補予定者が天久のガストに集合しました。選挙について説明会はあるものの、細かく説明があるわけではなくノウハウがどれだけあるかが鍵。選挙ポスターも自分で貼る必要があるので人手も必要です。

そこで、5名は連絡を取り合って(ライングループで連絡を取っているそう)、ポスターの手配だったり、お互いのノウハウの共有を行って共同で作業できることは協力しながらおこなっているそうです。


ポスターの手配だったり、情報共有だったり

タイムスの3氏公開討論会にあわせて、5名でも公開討論会を行おうみたいな予定もあるのだとか。

さて、せっかく立候補予定者5名が集まっているこの場。
立候補予定者がどのような人なのか知りたくないですか?それぞれどんな人なのかお話をうかがってきたのでご紹介したいと思います(届け出順)。

 

比嘉隆(ひが・たかし)さん

無所属・新人。1977年7月24日生まれ。宜野湾市出身。沖縄国際大卒。磁気探査会代表。22年宜野湾市議会選、24年沖縄県議会選、24年宜野湾市長選、26年衆議院選に出馬
@uchina_Starter

―― 県知事選に立候補を表明した経緯を教えて下さい

私が県知事選になることでコロナワクチンを中止するためにです。

―― 政策はどのようなものがありますか?

・コロナワクチン中止
・ワクチン後遺症対策部を沖縄県につくる
・ワクチン被害者に毎月10万円支給する
・ワクチン被害者を救済する制度を作る

ですね。政策については、あまり深く掘り下げずに、まずはこの「4本柱」で行こうと思ってます。一番上(コロナワクチン中止)が最重点政策です。他の政策については多くは語りません。それ自体が私のメッセージです。

―― 定期的に出馬をされていますよね

表現の仕方は変えていますが、内容は一貫して「コロナワクチンの中止」を訴え続けています。1回目の時は「子供にワクチンを打たせない」というのがメインでした。

 

屋良朝助(やら・ちょうすけ)さん

無所属・新人。1952年1月14日生まれ。那覇市出身。那覇高校卒。政治団体「琉球独立党」代表。06年沖縄県知事選、08年沖縄県議会選、那覇市長選、17年那覇市議選に出馬
琉球独立党

―― 県知事選に立候補を表明した経緯を教えて下さい

これはね、30年以上前に遡るんです。僕が高校生(那覇高校)の時、本屋で山里永吉さんの本に出会った。彼は琉球政府立博物館の館長も務めた人で、沖縄の歴史を深く研究していた。当時の沖縄の高校生の9割は「昔の日本があって、沖縄はその田舎で、いつの間にか日本になった」と思ってた。でも事実は逆。琉球から日本に北上していった歴史があるというのを知ったんです。

僕は1972年、復帰の年に成人式を迎えた。当時、沖縄三越で働いてたけど、那覇市役所に行って「成人式の謝辞(スピーチ)をやりたい」と直談判した。役所が用意した原稿があったけど、僕は自分の言葉で「沖縄は独立すべきだ」とぶちまけた。それが翌日の新聞やニュースで大きく報じられました。

1971年、日本復帰の1年前に野底武彦さんという人が中心となって「琉球独立党」が結成された。琉球独立党はナナサンマル以降くらいから活動がなくなっていくんだけど、解散宣言はしていなかった。そこで僕が引き継いで活動を再開しているんです。

―― 政策はどのようなものがありますか?

これまで沖縄問題は「アメリカ・日本・沖縄」の3者だった。これに「中国」を入れた「四者条約(四国条約)」を提言しています。四者条約の目玉は、沖縄から基地を撤去させる代わりに、資源を交渉材料にすること。尖閣の海底油田や西表島の銅山。これらを100%自分たちのものにするんじゃなくて、中国やアメリカ、日本に「提供する」という交渉をする。尖閣諸島は「元々琉球のものだ」と主張する。その上で、資源を分け合うことで平和を担保するということです。

中国には「台湾に武力侵攻しない」と約束させ、アメリカには「台湾に最新兵器を置かない」と約束させる。そして琉球は「非武装の自治共和国」になる。これが最も現実的な解決策ということですね。

もちろんいきなり国として完全に分離するのではなく、まずは「行政としての独立」を目指す。知事の権限を最大限に使い、日米中を交渉のテーブルに着かせる。これができるのは、既存の政党にしがらみのない「琉球独立党」だけです。

―― 定期的に出馬をされていますよね

那覇市議選では、当初600票くらいかと思ってたら、蓋を開けたら1万97票も入っていた。新聞社に「間違いじゃないか」と電話しようとしたくらい(笑)。補欠選挙だったから多めに入った面もあるけど、確かな手応えを感じました。
こうやって選挙に出ることで琉球独立という声があったことが公式な記録として残る、そういう意味でも意義があると思っています。

 

兼島俊(かねしま・しゅん)さん

無所属・新人。1978年1月28日生まれ。沖縄市出身。陽明高校卒。IT会社代表。18年沖縄県知事選、21年那覇市議選に出馬
【ロングインタビュー】カネシマシュンは何者だったのか
@shunkaneshima

―― 県知事選に立候補を表明した経緯を教えて下さい

前回も県知事選出ようとしたんですけど、お金がなくて。会社作ったばっかりだったんで出れなくて。で、今回やっと経営も落ち着いてきたんで「じゃあやるか」と。

―― 政策はどのようなものがありますか?

「沖縄の政治」、略して「OS」をアップデートするぞと。

みんなが政策発表してるじゃないですか。その道のプロたちが沖縄のために全力で考えて、説明までしてくれてる政策以上に良いものを一人で思いつける自信がないんですよね。なら、合わせればいいじゃんって。

副知事って条例で決めれば法律上何人でも置けるんですよ。北海道とか東京都はもう3〜4人います。なら、今回一緒に立候補してるみんなを副知事に指名して、各々が自分で発表した公約を自分で実行するのがいいんじゃないかと。僕が代表で、副知事はそれぞれの達成目標を持つ役員。名付けて「株式会社沖縄県」。

もちろん役員だから、公約は「目標」じゃなくて「責任」になるので、「地声」というアプリで全部見える化します。県民が声を上げて、それに各々がどう対応したかがスコアになって、1画面で全部追える仕組みを考えていて、県民一人一人が、社員であり株主みたいなイメージです。みんなでやればいいじゃん。株式会社沖縄県で、売り上げも所得も福利厚生も上げていきましょうってことですね。

古いOSのまま戦うんじゃなくて、沖縄の政治そのものをアップデートする。これがOSのアップデートだと思ってます。このアイデアがここで消えるのは勿体無いし、やらないのは無責任だと思う。みんなでやりましょうよ。

 

末吉 正弘(すえよし・まさひろ)さん

無所属・新人。1952年11月11日生まれ。伊是名村出身。沖縄大卒。福祉事務層を運営する医療法人代表

―― 県知事選に立候補を表明した経緯を教えて下さい

僕の周囲の親たちで、貧困で苦しんでいる人がいます。学校に通えない子どもたちがフリースクールに通わせるのに週4回で4万円、月10数万円もかかる。そんなのおかしい。既存の3人の候補者は「本音」で語っていない。ビジネスとして、あるいは形式的にやっているように見えるんです。僕は、今のマンネリ化した政治に本音をぶつけたいと思います。

―― 政策はどのようなものがありますか?

僕は、今の政治から置き去りにされた人たち、子供たちのために戦いたいんです。子供の貧困のために、毎日弁当を無料配布するとか、そういう直接的な支援をやりたいですね。

僕らみたいな名もない人間が、本音で、ゼローゼロで挑むことに意味があると思います。今の3者の争いに、風穴を開けたいですね。

 

高良 誠吾(たから・せいご)さん

無所属・新人。1995年6月20日生まれ。うるま市出身。専門学卒。貴金属の買い取りや営業などの会社を経営

―― 県知事選に立候補を表明した経緯を教えて下さい

沖縄県知事選には30代の候補がいませんでした。若者に「政治関心が薄い」「もっと政治に興味を持つべきだ」と言葉にするのは簡単です。ただ、そういう説明だけで何もしなければ人の心は動かないと思いました。実際に誰かがやらないといけないと思ったんです。そこでまずは私が県知事選に立候補することで、多くの同じ世代の人たちにまずは広く政治に関心を持って欲しいと思いました。

―― 政策はどのようなものがありますか?

建前では誰もが「若者を応援しよう」みたいなことを言うわけですが、挑戦してうまく行かなかったときに「やっぱりな」と冷笑する人がいる限り、なかなか若者が挑戦しようという流れは生まれないんじゃないかと思っています。

「挑戦を受け入れられない社会」、「若者を席に立たせない政治」の構造を変えたいと思っています。特に若者が挑戦することをためらってしまうような今の社会のあり方を見直していければと思います。

先述のとおり8月18日に高良さんは立候補を辞退していますが、政策の資料を頂いているので下記リンクにてご紹介しておきます(辞退の時にマスコミに持っていったけど載せてくれなかったそうです)。

挑戦を笑わない、立ち上がる沖縄へ

 

沖縄県知事選は9月13日

以上、沖縄県知事選に立候補した5名の皆さんのインタビューでした。まだ公約が定まってなかったり、時間的な制約もあって深く聞けてない点が多々あるんですが各候補のSNSなども見つつ皆さんも各候補の主張を確認してもらえればと思います。

僕はそこまで選挙に明るくないのですが、こうやって選挙に立候補する人たちがお互い協力し合って、みたいなのってあまりないのでは。個人的にはこれはすごく面白い試みだと思っていて、みんながもっとポップに政治に興味を持ってもらうことに繋がるんじゃないかなと思います。

SNSでは「泡沫候補」とか「供託金の無駄」だとか「票が割れる」みたいな意見を10倍くらい辛辣にしたポストが見られたりするのですが、それぞれ志があっての立候補なわけで、私たちは5人の主張もきちんと聞いた上で誰に投票するかを決めるべきだと思うのです。

前回の沖縄県知事選の投票率は57.92%。2002年の57.22%に次ぐ過去2番目の低さだったそうです。この記事が選挙の投票率に影響するかはわかりませんけど、ちょっとでもこれを読んでいる方が選挙に関心を持つきっかけになればよいなと思っています。

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