漫湖公園のクジラは潮を吹く

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漫湖公園のクジラが潮を吹く。限りなく下ネタっぽいがどういうことなのか。

…ええと。いきなりなタイトルですみません。

さて、先日DEEokinawaに以下のようなお問合せが届きました。

こんにちは。いつも楽しく拝見しております。
今日は取材依頼でメールしてます。
職場が漫湖公園の近くで、そこで最近気になっていることがあります。
那覇大橋のそばに、クジラがいますよね、クジラ公園の。あれが時々潮を吹くんですよ。潮といっても海水をピューっとするわけではなく、煙が出てきます。モクモクっと出てきてそれが上に伸びるわけでなくクジラの頭(?)にかかったりして消えていくんです。
ふと見ると煙を吐いていて、「あっ!潮吹いてる」とか思うんですけど、時間が決まっているわけではなく、ランダムなんです。2時36分とか。
ランダムな煙なんで、あれは実は地下の火山活動のガス抜きなのだろうかと気になっております。
ということで、Deeさんに通報した次第です。
クジラの吐くあの煙は一体何なのか。どのタイミングで吐いているのか!?
ご検討お願いします。

メールを頂いた照屋さん、ありがとうございます!

ご存じない方にご説明しますと、那覇市は漫湖公園には大きなクジラのモニュメントがあります。本体部分と尾が分かれていて本体部分には遊具が、尾の部分は現在は立ち入りできませんが、展望台のようになっています。


これです。

漫湖公園のクジラが潮を吹く…。漫湖公園のクジラが潮を吹く(意味深)。色々とアレな気もしますが一体どういうことなのでしょうか。調査してきました。

 

クジラを確認しに行こう

まずは実地の調査の前に編集会議や事務所内で色々な人に「漫湖公園のクジラが潮を吹く」という事について聞き取りをしてみました。その結果…

・そんな話は聞いたことがない
・通勤で通っているが知らない
・この質問はセクハラなのか

若干蔑む目で見られたのは気のせいでしょうか。僕も沖縄に来て17年。あのモニュメントにそんな仕組みがあるなんて聞いたことがありません。

とりあえず聞き取りは切り上げて実際にクジラの麓まで行ってみることにします。

ここで漫湖公園についておさらいしておきます。

漫湖公園は漫湖をぐるっと囲むように整備された公園で、多目的広場のある古波蔵側(地図で緑のところ)と庭球場などがある小禄側(地図で赤いところ)に分かれています。今回の話題となるクジラのモニュメントは小禄側にあります。

こちらが小禄側の公園。平日の昼間なので人はまばらでしたが、ゲートボール場ではゲートボールをする人がちらほら。

こちらがクジラの尾の部分です。

立ち入り禁止
しかし奥にはらせん階段が見える

現在は資材置き場になっていて、立ち入りはできませんが中にらせん階段があるので、昔は展望塔みたいな感じで使われていたのだと思われます。

そしてこちらがクジラの本体部分です。

中に入ってみると

ちょっとしたアスレチックになっています。

岩っぽい所もある
すべり台と砂場

平日の昼間なので誰もいませんでしたが、巨大なコンクリートの中にぼんやりと光が差し込んでなんだか不思議な雰囲気。こどもにとってはいい遊び場なんじゃないかとおもいます。

クジラの天井部分にらせん階段が見えますがこちらは上れません。メンテナンス用に設置されたもののよう。

クジラの脇にはタコ。クトゥルー神話とかに出てきそうないでたちですが、多分タコです。

小さな池もありましたが、ここまで見ても特に潮を吹く仕組みみたいなものが組み込まれているようには思えません。

 

潮吹きを待とうじゃないか

このままクジラの中にいても状況は変化しないので

クジラを一望できる場所に移動します。

こちらでしばらくクジラの様子を見守りたいと思います。

爽やかな午後の昼さがり、カメラ片手にずっとクジラを眺める36歳。不審者以外の何者でもありませんが、ぼんやりとクジラを見守ります。

しばらく経ったその時…その瞬間は静かに訪れました。

あ…

めちゃめちゃ出てるわ。

頂いたメールでは分からなかったのですが、クジラの頭頂部分だけでなく(動画だとクジラの頭頂部から出てるやつが分かりにくいですけど)、クジラの身体部分からもモクモクと煙が出ています。大体1分くらい続きます。17年沖縄にいながら全然気づかなかった…!

潮を吹くことは確認できたので、再度クジラのモニュメントに戻って、よくよく見てみると

あのタコから細い金属製のパイプが出ていることに気づきました。

パイプは壁を伝って、クジラの頭頂部分に。どうやらこれがクジラの潮を吹かせる仕組みのようです。

 

那覇市の公園管理課にきいてみよう

これでクジラが潮を吹くということは確認できたのですが、ここにいまいひとつ問題があります。

クジラが潮を吹くということをなぜ誰も知らなかったのでしょうか。こんなすごい話、もっと話題になってもいいはずです。

というわけで

那覇市役所の公園管理課に話を聞きに行ってきました。こんなこと聞きに行くのもどうかと思ったんですが、ものすごく丁寧に対応頂きました。ありがとうございます。

公園管理課で聞いた話をまとめると以下のようなことらしいです。

1.クジラの潮吹きについて
漫湖公園のクジラを昨年塗り替えたのだが、その際にミストがでる仕組みが実装された。

確かに以前撮った写真を探してみたら、以前は塗装もはげてクジラはボロボロの状態。これを塗り替える作業に付随してミストが出る仕組みが実装されたのだそうです。結構最近の話なのでまだ知っている人が少ないのかもしれません。

ちなみに写真を見返したら、あのタコ、昔は子クジラでした。

2.クジラの潮吹きについて(2)
もともとクジラには潮を吹く仕組みが実装されていた。地下水をくみ上げ、今のようなミストではなくびゅーっと水が飛び出す仕組み。しかし、クジラの近くにしぶきが飛んでしまって(地下水を使っているので)衛生的にどうなのかなどの苦情もあり、止めていた。
今回の改修にあたって、水道水を使用。しぶきが飛ばないようにミスト状にして出すようにした。

もともとはもっとリアルな潮を吹いていたようです。公園は1983年7月21日に開園したそうで、その頃は勇壮に潮を吹くクジラが見られたのかもしれません(ご存じの方がいらっしゃったら編集部までご一報ください)。

3.潮吹きの間隔
タイマー設定になっていて昼は10分間隔でミストがでる仕組みになっている。

割と頻繁です。これならば目撃証言ももっとあってもよかったのですが。公園管理課の方曰く、ミストなので風が強いとミストが散ってしまって見えにくいとのことでしたので、なかなかきちんと見られた人がいないのかもしれません。

 

以上、那覇市の公園管理課の方からお話を伺いました。まぁ総括しますと漫湖公園のクジラは潮を吹きます。しかも10分間隔という割と短いスパンで吹きます。きっともうご存じの方も居るのかもしれませんが、まだ見たことがないという方はぜひともクジラの勇姿を確認しに漫湖公園に足を運んでみてください。

というわけで、頂いたメールから出発した今回の調査でしたが、如何でしたでしょうか。調査を終えてこの記事を書いていますが、保育園バレ、親バレしている今、この記事をこのタイトルで出していいのか真剣に悩みました。まあ出しちゃったんですけど。

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