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【連載】ハブでも分かる!?遺老説伝 Vol.77 蛇に魅入られた娘-2
1740年代に琉球王国の歴史書として編纂された『球陽』の外巻である『遺老説伝(いろうせつでん)』。首里政府が各地に命を出して集めたとされるその内容を、漫画でゆるく描き下してみるという試みです。
『ハブでも分かる!?遺老説伝』とは
『遺老説伝(いろうせつでん)』は1743年から1745年にかけて琉球王国の正史として編纂された『球陽(きゅうよう)』の外巻で、各地の御嶽や行事の由来、珍しい出来事などを首里政府が各地に命令を出して集めたものとされています。
当連載『ハブでも分かる!?遺老説伝』は、"ハブでも分かる" をコンセプトに、原文(漢文)をそのまま読み解くには難解すぎる『遺老説伝』を、沖縄出身の漫画家・吉元あきこが漫画で描き下してみる、という試みです。ただ、本当にハブでも分かるかどうかはハブのみぞ知るので悪しからず。
*当連載の内容はすべて史実というわけではなく、フィクションが大いに含まれていますのでご了承ください。
第77回『蛇に魅入られた娘-2』
蛇に魅入られた娘-2
両親も、目の中にいれても痛くない程、玉の宝のように可愛がり、大切にして、どうにかして、良い相手を択(えら)んで跡を嗣(つが)がせようと思っていました。
村のあち、こちから「是非、娘を......」と申し込む者も数えきれない程いましたが、良い上にも良い人をと思う両親は、かるがるしく聞きいれるようなことはしませんでした。
女の子は常に、身を慎(つつ)しみ、自分の部屋に閉(と)ぢこもったきり、決して外に出歩くようなことはしませんでした。
その子が、十五才になった時、不図した機会に蛇に魅入(みい)られて、身ごもりました。
これに気づいた父母の駕きは、例えようもなく、娘に、きつく、尋(たづ)ねました。
「お前はまだ誰とも夫婦にならないのに、どうして身ごもったのです」
(続く)
『琉球民話集 全巻 球陽外巻遺老説伝口語訳』 P58-59より
琉球史料研究会編(1963年)