2025.04.24

【連載】ハブでも分かる!?遺老説伝 Vol.79 蛇に魅入られた娘-4

1740年代に琉球王国の歴史書として編纂された『球陽』の外巻である『遺老説伝(いろうせつでん)』。首里政府が各地に命を出して集めたとされるその内容を、漫画でゆるく描き下してみるという試みです。

『ハブでも分かる!?遺老説伝』とは

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『遺老説伝(いろうせつでん)』は1743年から1745年にかけて琉球王国の正史として編纂された『球陽(きゅうよう)』の外巻で、各地の御嶽や行事の由来、珍しい出来事などを首里政府が各地に命令を出して集めたものとされています。

当連載『ハブでも分かる!?遺老説伝』は、"ハブでも分かる" をコンセプトに、原文(漢文)をそのまま読み解くには難解すぎる『遺老説伝』を、沖縄出身の漫画家・吉元あきこが漫画で描き下してみる、という試みです。ただ、本当にハブでも分かるかどうかはハブのみぞ知るので悪しからず。

*当連載の内容はすべて史実というわけではなく、フィクションが大いに含まれていますのでご了承ください。

第79回『蛇に魅入られた娘-4』

前回のお話はこちらからirou79.jpg

蛇に魅入られた娘-4

そして娘に、数千丈もある丈夫な糸を針に通して渡し、「少年が、寝いるのを待って、すぐにこの針を首に刺しこみなさい」といいつけ、女の子は自分の部屋に退(しりぞ)きました。
その晩、少年がやって参りました。
娘は、母のいいつけ通り、やにわに、針を少年の首に刺しました。
少年は首を刺されたまま、部屋を出てゆきました。
その時、もう東の空が灰白く明けていましたので、父母は娘をつれて、針に通してあった糸を辿(たど)って、先へ先へと探してゆきました。
とうとう漲水まできた時、そこにあった洞穴(ほらあな)の中に、大きな大きな蛇がわだかまっています。
首の方を見ると、針が刺さっているのが解り、父母は大層なげき悲しみました。
(続く)

『琉球民話集 全巻 球陽外巻遺老説伝口語訳』 P113-114より
琉球史料研究会編(1963年)

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