2015.05.15

[探検 むつみ橋通り] 通りで知る沖縄の生きもの

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那覇市の「むつみ橋通り街」。今回は口コミでじわじわと評判になっているというオブジェに焦点をあてて取材をしてみた。

ようこそむつみ橋通り街へ


国際通り入り口の看板

観光客で賑わう国際通り。むつみ橋交差点の正面に「むつみ橋通り街」の入り口がある。名前の由来は戦後この近くを流れるガーブ川にかかった橋の名前を一般公募し、那覇市の復興と発展を願いつけられたとの事。地元利用率が高いが、珍しいオブジェや個性あふれる店舗に惹かれて通う観光客も多い。


通り街真ん中にある看板

むつみ橋は現在は撤去され、その名を冠した交差点と通りが残る。実は通り街の看板は3つあるが、2つ目、3つ目の看板は気がつかない人が多いそうだ。これを3つ全部知っていたら通り通(ツウ)だ!

さて、いろいろな意味で取材冥利につきるむつみ橋通街だが、今回は口コミでじわじわと評判になっているオブジェに焦点をあてて取材をしてみた。

 

見上げればオブジェ

通りの店舗の看板には沖縄に住む希少生物のオブジェがあちこちに置かれ、子供たちに人気だ。12種類すべてを網羅できるのか挑戦してみた。ちなみに大きさは本物とは異なるので注意しよう。

1. マングース

ハブ駆除目的に沖縄に連れてこられ、最初は英雄扱いだったが増えすぎて今やヤンバルクイナの天敵として問題視されている、ちょっとかわいそうな特定外来種。

 

2. ヤンバルクイナ

ヤンバルといえばヤンバルクイナ!というくらいに有名な飛べない鳥。ヤンバルにしか生息していない。知名度も上がり、沖縄ではヤンバルクイナという名のアイスも発売されている。

 

3. ジューミー(サキシマカナヘビ)

細いラインが綺麗で、緑色が鮮やかなカナヘビ。方言でさまざまな色のカナヘビをジューミー、アンダカチャーというらしい。市場や近所の公園などでも頑張れば見つけることができるそうだ。

 

4. アオダイショウ(琉球アオヘビ)

かわいい目をした無毒のヘビ。好物はミミズだそう。このヘビなら出会っても安心だ。

 

5. ノグチゲラ

ヤンバルのみに生息するキツツキ科の固有種。イタジイの木に巣穴を掘り、子育ての時期、巣穴から顔を出す愛らしい雛の姿がニュースでよく取り上げられる。人間と同じで子供は動物でもなんでも可愛いと感じる気がする‥。国の天然記念物。レッドデータに登録されている。

 

6. アタクー(木のぼりトカゲ)

地域によって呼び名が違うほど昔はたくさんいたトカゲ。乱獲されてしまい、現在はレッドデータに登録されている。古くからある公園などでは時々出会い、ユーモラスな動きを見ることができる。

 

7. ヤンバルテナガコガネ

ヤンバルのみに生息する日本最大の甲虫で天然記念物。体長が約6センチと、とにかく大きいのとメタリックグリーンの鮮やかな頭が印象的。数が少ない貴重種だが密猟により激減していいるそうだ。

 

8. ヨナグニサン(現在オブジェはリハビリ中。)

人の名前ではなく、世界最大の蛾。メスは羽を広げると最大で30センチにも達するという、モスラもびっくりの大きさだ。レッドデータに登録されているので大切にしたい。

 

9. オリイオオコウモリ

普通のコウモリより大きく、日中木にぶら下がって寝ている姿を壺屋などで見かける。夜にモモタマナやフクギの実を食べているそうだが、よくあの臭いのキツいフクギの実を食べられるなと感心してしまう。レッドデータに登録されているが、海外ではコウモリスープの材料となっている。

 

10. ヤシガニ

巨大ヤドカリのようだが、珍味として人気。夜、アダンの実をゴソゴソと食べている姿が最近は見かけなくなるくらい乱獲されているそうだ。茹でて青くなると食あたりすると聞くが、真偽は定かではない。

 

11.カンムリワシ

頭部にカンムリのような羽がある特別記念物。「ちょっちゅねー」で有名な具志堅用高のリングネームとしても有名。

 

12.沖縄ヒラクワガタ

方言でハサマーと呼ばれるクワガタ虫。経験はないが、指を挟まれると涙が出るほど痛いそうだ。爪のついた大きな顎を見るとなんとなく納得‥。

 

沖縄以外の生き物が混入?

12種類全て紹介したが、県外の生き物がひとつ混ざっていたことに気がついただろうか?国際通りから入ると1番目に出会う「マングース」は県外からハブ退治でつれてこられた外来種だ。

むつみ橋通り街副会長、渡慶次弘子さんは、「人間の都合でつれてこられて、最初は便利だと褒められていたのに、数が増え、ヤンバルクイナなどを食べてしまうと今度は害獣扱い。自然界にもともといなかったものを連れてきたのは人間なのに。これで良いのかな?という事を通り街を訪れた人にちょっと考えて欲しいと思い、1番目にしました。」と話していた。

人間の都合だけで自然界の環境を変えてしまう事はいけない事だと思う。オブジェをみながら家族や友人と沖縄の自然について考えてみてはどうだろう。

 

ゲストライター

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ヨーコ(小菅陽子)
横浜出身。横浜と言っても山奥の地生まれ。海が好きでなんとなく沖縄に通ううち、気が付いたら沖縄県民になっていました。ご縁があってずっと住んでいる焼き物の壺屋の町が大好きで、那覇まちま〜いのガイドもしています。特技はネコが逃げないように観察することです(Facebook)。
 

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