那覇港新港ふ頭船客待合所には何があるのか

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安謝港や新港という呼び名で知られる那覇港新港。この待合所には何があるのだろうか。

那覇市泊には、慶良間諸島などの離島を訪れる観光客が利用するとまりんや、新鮮な魚介類が味わえると海外からの観光客も多く訪れる泊いゆまちなどがあり、毎年5月に行われる那覇ハーリーの会場としても有名です。

この泊エリアのさらに北側、奥のほうに位置するのが那覇港新港。近隣の地名から、通称・安謝港とも呼ばれています。ここにひっそりと建っているのが「那覇港新港ふ頭船客待合所」。周辺が工業地帯になっており、トラックやトレーラが頻繁に行き交うエリアにある施設です。

旅客船の利用者や周辺にお勤めの人でもない限りこの界隈へ足を運ぶ機会は滅多にありませんが、いったいこの船客待合所には何があるのでしょうか。訪れてみました。

こちらの過去のフェリーターミナルの記事もあわせてどうぞ。

那覇クルーズターミナルには何があるのか
那覇ふ頭船客待合所は何があるのか
もうひとつのターミナル「石垣港ターミナル」

 

エントランスには35年以上前の観光地図

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一般道から港の敷地内に入るとすぐに利用者用の駐車場に差し掛かります。
この駐車場は有料と書かれているのですが、管理小屋の方が「いいのいいの」と手で合図。お言葉に甘えさせてもらいました。

エントランスに入るとまず目につくのが「沖縄全島観光案内図」。沖縄の「縄」という字が旧字体なので制作時期の古さを感じさせます。
自動販売機が設置されているのですべての情報を読み取れないことがちょっと残念。

この地図の注目すべき点として、聞き覚えのない観光施設がいくつか記載されているのです。
・多幸山ハブセンター(おそらく現在の読谷村にある琉球村)
・沖縄グランドパーク(おそらく現在の恩納村にある沖縄科学技術大学院大学あたり)

案内図にはまだ泊大橋が記載されていません。ということは一体いつごろの制作なのでしょうか。
泊大橋の開通が1986年4月11日、そして多幸山ハブセンターが琉球村に変わったのが1982年10月23日、沖縄グランドパークの閉園時期は不明。現在の豊見城市もまだ豊見城村です。

少なくとも今から35年前、昭和57年以前に制作された物であろうと推測できます。すごい!

 

那覇港新港ふ頭船客待合所

エントランスから中に進むと色とりどりの待合用のベンチがズラリ。左奥の薄暗い場所には「新港食堂」の看板が見えて興味をそそりますが、先に施設内の探検を進めてゆきましょう。

エントランスから右奥に進むと、マルエーフェリーの乗船受付カウンター。奄美群島を経由して、大阪・神戸へと続く阪神航路がここから出発しているようです。このときは営業時間外のためかシャッターが下りていました。

待合所にはお土産などを取り扱う売店は無いので、ここを旅の玄関口として利用される方は事前に購入しておく必要があります。

この待合所では仮眠が厳しく制限されています。日陰でひんやり涼しく、お昼休憩などでついウトウトしたいところですが、ダメ、ゼッタイ。

こちらにも仮眠を禁止する看板。何名か寝ている方がいましたが、見なかったことにしましょう。

 

待合所の海側に出てみる

先ほどのエントランスから奥へとまっすぐ進むと海側に出ることができます。遠くには泊大橋が見え、大型クルーズ客船が停泊している様子も見えます。以前ご紹介した那覇クルーズターミナルがある場所ですね。

海側から見た待合所。「めんそーれー」と書かれた看板は建築当時の精一杯のもてなしなのでしょう。看板や外壁はきれいに保たれており、花壇には花が植わっています。

港の右側にはコンテナが集積されている場所があり、コンテナトラックやフォークリフトが忙しそうに動き回っています。

港の左側にもコンテナがありますが、何やら格好良い作業船が停泊していました。砂利採取運搬船でしょうか。

色んなところにコンテナが積まれています。行き先や大阪・鹿児島・新居浜など、阪神航路で運ばれるものばかり。

3台のシャトルバスが停留していました。乗客が到着したときに出動するのでしょうか。

コンクリートむき出しのオイルフェンス倉庫。フェリーなどからオイルが海面に漏れ出したときに使うものなので、活躍の機会がないことを祈ります。

 

新港食堂でランチ

せっかくなので新港食堂でお昼ごはんでも食べてゆきましょう。待合所の左奥にある部屋です。手前の立て看板が無ければ営業していることに気づかないぐらいのひっそり感。まさに隠れ家食堂。

店内に入ると最初に目に飛び込んでくるのがこのオーシャンビュー!
残念ながらこの日はどんより曇り空でしたが、腫れた日はもっときれいな海の色が見られるはず。カウンター席に座ればこの景色を眺めながら食事を楽しむことができます。こんな絶景の大衆食堂なんて他にあるでしょうか。

店内にテーブル席は2つ。お昼のピーク時間帯少し前、11:30頃に訪れたのですが、そのうち1つはモヤシのヒゲ取り作業に使用されていました。

食堂のメニューは沖縄そば、チャンプルー、その他汁物や炒め物などスタンダードなラインアップで特に特色のあるメニューは見当たりませんでした。

ドライカレーを注文してみました。
具は卵と、いかにもうちなー食堂らしくお肉の代わりにポークランチョンミートをサイコロ状に切ったもの。カレー粉が多めなのか結構スパイシーな味付けで、たくあんで舌を休めながらも一気に完食しました。おいしかった!

 

那覇港新港ふ頭船客待合所のポイント

普段はなかなか行くことのない那覇市港町ですが、今回行った那覇港新港ふ頭船客待合所には古い観光案内図や小さな食堂があって、なかなか味わい深い時間を過ごすことができました。

エントランスに掲示されている「沖縄全島観光案内図」は、おそらく35年以上前に制作されたもの。沖縄の昭和時代の地理に興味があるひとは見に行ってみると良いかもしれません。
また、食堂のドライカレーがなかなか美味しく景色も良いので、皆さんも機会があればお食事してみてはいかがでしょうか。

 

ゲストライター

ゲストライター写真:やっさん
やっさん
沖縄の草や虫が大好きで、その趣味が高じて農業を始めてしまった野性派プログラマー。好きな言葉は「まくとぅそーけー、なんくるないさ」。
無農薬農業を実践するブログ子育て・グルメなど日常生活のブログとかも書いています。奈良県出身。

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