塩せんべいを自作したい

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
沖縄の伝統的な駄菓子、塩せんべい。昔は手焼きしていたらしい。ということは頑張れば僕にも作れるのではないか。

塩せんべい。沖縄の定番駄菓子であり、沖縄県民は「塩せんべいにチョコ派」と「乾燥梅干しをこすりつける派」に二分されると言われています。まぁ嘘ですけど。

県内のスーパーなどでは色々な会社の塩せんべいが販売されており、定番おやつとして確固たる地位を築いているのがわかります。

「せんべい」という名前ですが、塩せんべいの原料は小麦粉。専用の機械で小麦粉に圧力と熱を加えることであのサクサクとした食感のせんべいができあがるらしいです。

ところで、この前一年分の塩せんべいをもらった塩せんべい屋さんのサンシオさんのホームページで気になる記述を見つけました。「塩せんべいの歩み」というページです。

私の親父が塩せんべいと出会ったのは昭和29年(1954年)終戦後間もない時期でした。那覇市の国際通りから平和通りを抜け、浮島通りあたりを目的もなくブラついていると、突然その一帯から何とも言えぬ香ばしい匂いが漂ってきたそうです。

その匂いの元は軍払い下げテントで作った掘っ立て小屋でした。中では七輪で木炭を燃やし、クバの葉で出来た団扇でパタパタと風を送りながら何かを作っている様子でした。それはちょうど、タイ焼き器のように鉄板2枚を重ね合わせる格好で、片方を銅線でグルグル巻いて固定し、もう片方を手で上手に動かしながら、粉のようなものを入れて加熱していました。しばらくすると鉄板からはシューシューと音がして、先程の香ばしい匂いのせんべいが焼きあがっていました。

塩せんべいは戦直後にはすでにあって、しかも手焼きしていたというのです。

と、いうことはですよ?僕にだって塩せんべいが作れるのではないでしょうか?

 

塩せんべい自作への道

さて、自作にあたってざっくりとした塩せんべいの仕組みについて調べてみました。塩せんべいは膨化という現象を利用しており、を利用したお菓子ははちゃ米だったり、うまい棒だったりと色々あります。はちゃ米やうまい棒は真空状態で加熱を行うことで米や生地を膨化させているのだそうですが、塩せんべいの場合、圧力を加えて熱することで膨化を引き起こしているようです。

よく分かりませんが、圧をかけて熱することがポイントの模様。

さらに「塩せんべいの歩み」を掲載していたサンシオさんにもメールでアドバイスを頂きました。

面白い企画ですね。
是非やってみてください。

補足情報ですが、先代が言うには、作業は二人がかりで、たい焼き機のような機械の「上窯」に長い棒を取り付け、「てこの原理」で、その先を力点に足で全体重を乗せて、踏みつけて焼いてたようです。
今よりも大分時間が掛かっていたようです。

何故なら現在の機械は、一個の釜にかかる圧力が「約1.5トン」で、焼き上がり時間は、数秒程度です。
粉の小麦粉は圧力がかからないと全然焼けません。

それと釜の隙間から圧力が逃げないように、上下の釜の「クリアランス」はギリギリがベストです。
極端に言いますと、注射器くらいの隙間のイメージでも、全然良いと思います。

圧力はめちゃめちゃかけなければならない+隙間がないもので圧をかける必要があるということですね。

とりあえずホームセンターで使えそうなものが無いか探します。

漠然とフライパンみたいなものを重ね合わせてなんとかならないかと思っていたのですが、ギリギリのクリアランスの確保は難しそうです。

マフィン型みたいなものを二つ重ねあわせる感じはどうかとも思いましたが、そもそも直火に対応してないのでNG。

最終的に「これだ!」と思って購入したのはニンニク潰し。よく豚骨ラーメン屋にあるやつですね。これに粉を挟んで火にかけることでかなり小さいですが、塩せんべいができるのではないでしょうか。

 

塩せんべいをつくろう

器具の選定ができたので、早速試してみましょう。

ニンニクが出る部分をアルミホイルで塞ぎます。

小麦粉はどこにでもあるような普通の薄力粉を用意。

ニンニク潰しに小麦粉を入れて

火にかけます。火にかけることしばし…

不穏な円盤ができあがりました。

手触りは珪藻土マットのそれに近く、カッチカチです。

実はできてるのでは…というワンチャンス狙いで食べてみましたが、駄菓子のハイレモンを小麦粉味にしたような奇妙な食べ物が誕生していました。ぐぬぬ。

圧力が足りないのでは…という推測のもと、取っ手に針金を巻いて圧をキープしてみたりしましたが

あの変な塩タブレットみたいなものしか生まれません。

そんなこんなで握力も限界に。もっと圧をかけるためにはゴリラに握ってもらうのがよいのではないか、とかどうでも良いことを考え始め、完全に煮詰まってしまいました。

 

ポイントは水にあった

そんな中でサンシオさんから2通目のアドバイスが届きました。

重要なことを言い忘れておりました。
小麦粉には水を加えてください。少ししっとりする感じです。
この水分が膨張の引き金となり膨らみます。膨らんだ後はすぐに水分は抜けて、パリパリになります。

水!漠然と今まで小麦粉をそのまま使っていましたが、ちょっとだけ光明が見えました。

さっそく、小麦粉に水を混ぜてみることに。

火加減も少し調整しました。今まで強火で加熱していたのですが、火にあたる部分がめちゃめちゃ焦げるので弱火にしています。

火にかけた時にちょっと手を緩めるとシューっといいながら少し圧が逃げてる感もでてきました。

できあったものです。概ね前と変わっていないのですが、少しだけ塩せんべいみたいな部分ができあがりました。水分については結構量が微妙で水が多すぎると、圧をかけたときに周りから生地が溢れてしまいます。

さて、色々分量を調整してできあがった最終形をご覧下さい。

塩せんべいっぽいのができた!!!

…まぁサクサク感もあまりないですし、粉だけのものに比べたらもう少しマシなレベルのモノが出来上がりました。締め切りの関係で今日はここまでですが、あと一歩だったのではないでしょうか。

あの塩せんべいのサクサク感を出すためにはやはりもっと圧力が必要で、やっぱりゴリラかゴリラ並の握力をもつ人類を探すしかないのかもしれません。もうちょっと工夫してまた挑戦してみたいと思います。

末筆で恐縮なのですが、サンシオさんには沢山ヒントを頂きました。この場を借りてお礼いたします!

月間ベストワースト記事投票実施中

関連する記事

フォローしたらいいことあるかもよ

DEEokinawaの新着記事や裏話、面白写真などが毎日届くかもしれません。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

Copyright©DEEokinawa All Rights Reserved.
このウェブサイトに掲載のイラスト・写真・文章の無断転載を禁じます。すべての著作権はDEEokinawaに帰属します。

ページのトップへ